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タイタス謹慎解除
しおりを挟む「条件がある。」
リュカリオンとトーマスがタイタスの部屋にやって来たのは、ナターシャ懐妊が確定し、公表も控えていた頃だった。
「条件、て何だ?リュカ兄上。」
「タイタスがラメイラにした事を話、ラメイラにしっかり謝罪する事。色恋に惑わされない事だ。」
「それは、ロレイラの事か?」
「…………彼女は今後一切登城を禁止している。」
「な!何でっ!」
タイタスはリュカリオンに食って掛かる。
「ロレイラが登城をしたら、処罰し監視下に置かれる事が決まった。」
「何でだよ!ロレイラはラメイラに怯えてたんだ!罰するならラメイラだろ!」
「タイタス、お前はロレイラを守っていたつもりか?骨折したラメイラは、ロレイラの心を傷付けたから、とでも言うのか?」
トーマスも話に参加する。
「そうだよ!!」
「兄上、タイタスに話した方がいいんじゃ……。」
「いや、話するつもりもない。ロレイラの本性が分からないタイタスに言った所で、信じているタイタスが信用するとは思えないからだ。」
「しかし……。」
「トーマス、お前はロレイラの事は宰相に聞いて、疑いの目を持って見ていたから、冷静でいられるが、タイタスは違うだろ?」
「な、何を言ってるんだ?兄上達は……。」
全く話が入って来ないタイタス。
「本性を見せろ、て?ロレイラが登城しなければな見れないだろ?」
「このままロレイラが登城しないならそれでいい。タイタスはその内、ロレイラよりいい相手が現れるだろうからな。」
「兄上!!俺はロレイラと……!!」
「…………ナターシャの影を追って、だろ?」
「!!」
「何で、似ても似つかないロレイラに騙されたのか分からんが、知らないと思ったか?先日、俺とナターシャが庭園で散歩していた時、お前が窓から見ていたのに俺が気が付かないとでも思ったか?」
リュカリオンは見ていた。
タイタスが涙を流し、ナターシャを見ていた事を。
「…………リュカ兄上………。」
「愛するな、とは言わない。だが家族の一員として愛してくれ、ナターシャを。」
「ロレイラは……俺の心を埋めてくれたんだ………。」
「それだから、利用されるんだよ。」
トーマスが眼鏡を上げた。
「トーマス兄上……。」
「ロレイラはレーチェを使って、ナターシャの結婚式で着るウェディングドレスを切り刻ませ、ナターシャやラメイラを挑発し、ナターシャとラメイラに反発させ、それが怖いと言ってお前に泣き付いた。そして先日、ロレイラはタイタスが目的じゃない、とはっきり言ったぞ。」
「え………?」
「もう一つ、ロレイラの目的は兄上ただ1人。」
「………何でっ!ナターシャと結婚したのに!!」
「…………兄上、言うぞ?原因は言わないから。」
「…………ならいい。」
「な、何だよ……。」
「ロレイラは、兄上の元許嫁だったんだよ。解消された後、ナターシャが許嫁になったが、ロレイラはその事を根に持っている。」
「…………え………。」
「ナターシャに突っかかり、それを知ったラメイラが止めに入った所で、お前とかち合った。それでラメイラが邪魔になりそうだったから、あの騒動になったと思ってる。」
「トーマス、裏取れたのか?」
「いや、だがロレイラの冷徹さと、ナターシャの器量、ラメイラの短気さから割り当てたらそうなるな、と。ロレイラがナターシャを邪魔だと思ってたが挑発に乗らないし、後から来たラメイラの短気でひと悶着出来ると思ったんだろう、とね。」
「なるほどね……。それにタイタスは使われた、と………レーチェにはカイルがあたってるんだろ?」
「ロレイラ絡みだと思ったんだけど、そっちはまだ。…………あ……。」
「何だ?如何したトーマス。」
トーマスは何かを思い出したようだった。
「あ………いや……カイルにレーチェは任してはいるんだけど………もしかしたら俺が行った方が分かる………かも………と。」
「何で?」
「以前、カイルが言ったんだ。レーチェが好きな男は俺だ、と……。」
「……………はい、行ってこい。」
「……え…………本気で言ったのか?」
「真面目に言ったが?」
トーマスは女性への色仕掛けをナターシャで失敗しているので、躊躇してしまう。
「早く解決させたいんだよ!公表を先延ばししているからな。」
「何の公表だ?」
「…………あ……。」
リュカリオンが頭を掻くと、言いにくそうに話す。
「お前達、もうすぐ叔父さんになるから。」
「叔父さん…………?」
「ナターシャが妊娠したのか!!」
「…………そういう事だ。」
トーマスとタイタスは複雑な表情で固まったのだった。
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