私が欲しいのはこの皇子!【完結】

Lynx🐈‍⬛

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レーチェの性癖

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 トーマスは王城の執務室に暗い表情で戻ってきた。

 カチャ。

「よぉ、トーマス遅かったな。早く仕事してくれ、溜まってく一方なんだから。」
「カイル…………。」

 執務に追われるカイルに発破かけられているトーマスだが、全く気乗りがしない。

「何だ?」
「お前、宰相かセシルかナターシャから聞いたか?」
、て?」
「ほら、めでたい話、とか………。」
「……………仕事仕事……。」
「知ってるな!!お前!!」
「………俺もつい最近でさ…………ははは。」
「…………はぁ……それで俺に色仕掛けでレーチェを落とせ、て兄上も酷な事をさせる…。」

 机に向かったものの、全く仕事を始めないトーマス。

「色仕掛け?レーチェに?…………あいつ喋らないぜ?多分。」
「何で?」
「あいつ、自分がだって知ってるし、厳罰仄めかしても処罰受ける気でいるし、トーマスに会わせる、て言っても諦めてるし、口枷してないと舌噛むんでどうしようか、て親父と話てた所なんだ。犯行認めてるし、ロレイラの命令でやったかどうか、を聞きたいだけなんだが、だけ喋らないから、今それを部下に調べさせてはいるんだけど………何かトーマス目当てじゃない気もしてきてさ……。」
「何だよ、お前が『レーチェが好きなのはトーマス』て言ったから、俺は兄上に『行け』と言われたんだぞ?」

 コンコン。

「はい。」
「失礼致します、トーマス殿下。」
「宰相?」

 ウィンストン公爵が一礼して入ってくる。

「カイルを少しお借りしても。」
「あぁ、大丈夫だが。」
「カイル、レーチェの件は引いていい。」
「何で?」
「色仕掛けは無理だ。」
「無理?」

 仕事を降ろされた事に少々不服気味なカイルが、眉を潜めた。

「レーチェは女が恋愛対象のようだ。男は駄目だ。」
「は?」
「…………女?」
「カムフラージュで、男のトーマス殿下を好きだと言った節がある。」
「だ、だ、だって、俺抱いたぞ!!」
「だが、レーチェの自室は、女の絵姿ばかり………後は………報告に上がったものを見ろ。」

 バサッ。

「うげっ!マジか!!」

 報告書に書かれていた物を見て驚いたカイル。
 気になり過ぎて、トーマスも覗く。

「うわぁ……レーチェにこんな趣味が……。」

 記載にあるのは、レーチェの部屋に拘束具が大量に出て来た、という事。

(俺も持っている物もある………。)

 そう、閨で使う玩具の類だった。

「両性大丈夫だった、て事かもしれん。」
「は?そんな人種居るのかよ!」
「分からんが………驚き過ぎて無くはないかな、と………。」
「で、殿下……流石に飛躍し過ぎでは……。」
「兄上には報告したか?」
「はい………ここに来る前に……唖然としておりました。」
「だろうな………拘束具は使わない人だから。」

 トーマスの一言で、カイルが反応する。

「トーマスは使うんだ。」
「こら!カイル!何を聞くんだ!失礼であろう!!」
「いくつか俺も持っている。以前、兄上に………あ、いや……。」

 ウィンストン公爵が居る為、口を噤むトーマス。
 ナターシャに使う使わない、という話をしていた事もあるが、流石に言えない。

「いい事思い付いた!トーマス、貸してくれ、持っている拘束具!」
「ん?何に使うんだ?」

 トーマスとウィンストン公爵は首を傾げた。
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