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トーマスの本気
しおりを挟む翌日、トーマスとの勉強会。
アリシアも一緒なのだから、とラメイラはアリシアを誘って、王城の図書館に来ていた。
勿論、ロバートも一緒だった。
「今日はトーマス殿下の勉強会ですのね、何をするのです?」
「少し前だと公用語の勉強だったけど、先週から経済学になった。」
「経済!!」
後ろで控えながら付いてくるロバートが興味ありそうな目になった。
「ロバートは文武両道なんです……実は……。」
「す、凄いな……。」
だが、トーマスは文学に戻す。
「今日から、文学に戻す。」
「経済は?」
「経済より、俺はラメイラに色香を教えたい!」
「い、色香…………?」
ロバートがショックを受けていた。
「今日からアリシアも参加だからな、読めない字や文字単語があるか、分からないから詩集を朗読してもらう。」
「詩集?」
「そう、ナターシャも詩集を読み、気品溢れる立ち居振る舞いに拍車を掛けた!色香を身に着け、教養を持てば益々いい女になる!」
「…………トーマス……私に教養等無いし、色香なんてもっと無い……。」
「ラメイラ………俺にはお前の色香は充分魅力的だが?」
「トーマス殿下!!わたくしも色っぽくなれるでしょうか!?」
ラメイラは呆れ返り、アリシアは前のめりに聞いてくる。
ロバートはいつの間にか、離れた所で待機中。
若いのに、色っぽい事は苦手なようだった。
「アリシアはそのままの成長であれば、色香は着いてくるよ。問題はラメイラだ!」
「…………苦手な物にもどったぁ……。」
トーマスは本を2人の前に置くと、眼鏡を上げた。
「詩集の読み方も上手ければ色香を誘う。そうすれば公用語も柔らかい物腰で言えるようになる。ラメイラにはうってつけなんだ。ラメイラの公用語はまだ固いからな。」
「トーマス殿下!わたくし頑張ります!コリンお兄様に気に入られなきゃ!でないと、叔父様の側室にされちゃう!」
「お、叔父様………?」
「わたくし、アードラに帰れない理由はそれです!アードラに居たら、お父様の弟の宰相に側室にされてしまうの!絶世の美女になって、大ッキライな叔父様が手に入れられないぐらいになって見返してやるんだから!」
「コリンが好きな訳ではないのか?アリシア。」
「よく分かりません。お兄様のお友達のコリン兄様と、大ッキライな叔父様と比べたら、断然コリン兄様ですもの!」
「アリシア……それは、コリンに失礼だぞ?出来るなら好きになって欲しいんだがな。」
ラメイラが見てもトーマスが見ても、アリシアが恋をしていないのが分かった。
ただ、『叔父の側室になりたくない』だけなのだ。
「ラメイラ。」
「ん?」
ちゅっ。
「!!」
「!!」
「アリシアはこういう事を好きな男としたくない?」
トーマスはラメイラの目線を上げさせ、軽いキスをしたのだ。
「トーマス!!アリシアの前で怒るぞ!!」
「じゃあ、アリシアの前じゃなきゃいいんだ。…………俺は本気だと言ったろ?」
ぶわっ!
ラメイラの背筋に冷たい感覚が沸き起こる。
それが熱になるのが早かった。
ラメイラは顔を赤らめる。
「わ、私はまだ……。」
「知ってる……でもそれで遠慮する俺ではない。」
トーマスは唇に着いた、ラメイラのルージュを指で拭き取る。
それがまたラメイラを男の色気で誘う。
ゾクッ!
「わ、ワザとだろ!!それ!」
「何が?」
更に赤くなるラメイラをニマニマとトーマスは見つめる。
ラメイラの横にはアリシアも居るのに……。
「わぁ………ナターシャお姉様と皇太子殿下とは違うやらしさがありますわぁ……。」
「ア、アリシアっ!」
アリシアが羨ましそうに見ているのだった。
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