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ダンスレッスン
しおりを挟むラメイラの中で、タイタスへの気持ちは吹っ切れているのだが、タイタスとの時間は主にダンス。
ナターシャが臨月に入っているので、今は皇太子邸から出ないようにしているナターシャがこの日に来るかは分からないまま、アリシアと皇子宮にロバートの共にし来てみたラメイラ。
「タイタス殿下とお姉様はダンスなのですねぇ……わたくしは誰とでしょう?」
「ロバートとだったりして。」
「絶対に嫌です!!」
「そんなに嫌いなのか?」
「嫌ですよ……あんな小姑。」
「よくそんな言葉知ってるな、アリシア。」
「ロバートは小姑、と侍女が言ってましたから。」
「なるほど。」
カチャ。
「アリシア~!」
「コリンお兄様!」
「お、来たな。」
サロンに入るとタイタスとコリンが待っていた。
「タイタス、ナターシャが居ないのに、ピアノは誰が弾くんだ?コリン?」
「コリンはアリシア王女の相手をするから、ピアノは……。」
カチャ。
サロンのドアが再び開くと、楽譜を持って入ってくるトーマス。
「揃ったな?」
「トーマスが弾くのか?」
「タイタスもコリンもピアノが弾けないからな。」
ラメイラはタイタスと、アリシアはコリンとダンスレッスンを始める。
トーマスは淡々とピアノを奏で、時々ダンスの様子を見ては不機嫌になっているようだった。
1曲が終わると、ラメイラはタイタスから指南を受ける。
「さっきターンがワンテンポ遅れたのと、ステップがズレてる。音をよく聞け、て言ってるだろ?」
「またズレたのかぁ……。難しいんだよダンス。」
「ラメイラ、トリスタンには剣舞あったろ?」
「うん、ある。」
「剣舞は出来るのか?」
「まぁ、出来るけど?それが何?」
「剣舞は音で踊るだろ?」
「うん。」
「動きは違うが、ダンスも剣舞と一緒だ。ステップのタイミングが一歩目さえ合えば、身体が覚える筈。」
「………あ、そっか……次のステップ考えちゃうから遅れるのか……。」
ラメイラはその事に気が付いてなかったようで、苦手意識の方が強く考えていなかっただけだった。
トーマスもアリシアに注意点を言っていて、ラメイラが思っていた程不機嫌ではなかったようだ。
「さぁ、続けるぞ。」
.•*¨*•.¸¸♬.•*¨*•.¸¸♬.•*¨*•.¸¸♬.•*¨*•.¸¸♬
「お、上手くなったじゃん、ラメイラ。」
「い、今話掛けるな!」
「痛っ!!」
「ほら!!ミスしたじゃないか!馬鹿!」
「褒めたのに、馬鹿って言うな!じゃじゃ馬!!」
「煩い!!やれ!!」
褒める事が無いタイタスがせっかく褒めてくれたのに、夢中でダンスに集中したかったラメイラはタイタスの足を踏んでしまった。
喧嘩に発展するのをトーマスが止める。
それを見ているアリシアとコリンは笑いが止まらなかった。
「あぁ疲れた……褒めてやったのに。」
「踏んだのは悪かったよ………でも話掛けられたら分かんなくなるんだもん!」
「タイタスも、話出来るタイミングじゃないぐらい分かれよ。ラメイラはまだ上手い訳ではないんだからな。」
「んな事言ったって、ダンス中話したりするじゃん。」
「それは、お前がマスターしてるからだ!」
「そんなものか?」
「本当にお前は………。」
トーマスから溜息が漏れる。
「天才肌なのは素晴らしいが、教えるのが全く上達しないんだから……。」
「ナターシャも言ってたな。」
「皆して………これでも試行錯誤してんだからな……。」
「分かってるよ、お前が頑張ってるのは。」
トーマスがタイタスの頭を撫でる。
「ちょっ!兄上!」
タイタスが恥ずかしそうにしていたのがおかしかったラメイラだった。
好きだと思っていた時期は一喜一憂した仕草で、ドキドキしていた筈なのに、ラメイラには今はそれが無い。
(…………吹っ切れちゃったんだなぁ……今はそれが………。)
自然とトーマスに目が行ってしまっていた。
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