私が欲しいのはこの皇子!【完結】

Lynx🐈‍⬛

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会えない苛立ち

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 くちゅ……くちゅ……。

 室内には卑猥な音が響く。
 トーマスは、ラメイラの耳を塞ぎ、舌でラメイラを犯し、脳内に音を響かせる。
 次第に腰がガクガクとし始めたラメイラに気が付いたトーマスは、耳を開放し、腰を支えると、唇を離す。

「腰砕け………クククッ。」
「………はぁ………はぁ……。」
「好きだ……ラメイラ………キスで気持ち伝わらなかったのなら、まだやろうか?」
「…………もう………分かったからぁ………。」
「あぁ、いいね、その顔………どうやって啼くのか創造力駆り立てる。」

 ラメイラの唇から、唾液が漏れているのを、舌で舐めるトーマス。

「も、もう………終わり………。」

 ラメイラはトーマスの胸を押して抜け出そうとするが、腕に力が入っていない。

「今は終わりでいいが、近々トリスタンに行くから、ラメイラ覚悟しといてくれ。」
「え?トリスタン?」
「君の父上と兄上にご挨拶をね。」
「何で?」
「ラメイラを俺の妃にするから。」
「は!?」
「逃がすと思ってる?俺が。こんなに俺に感じてくれる女離す訳ないでしょ。」
「私、まだトーマスを好きと言ってないぞ!」
「じゃ、今聞かせて?」
「……………言えるかぁ!!」
「残念………トリスタンに着く前に絶対に言わせてやるよ。」
「……………い、言わないもん!!」

✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧

 ナターシャが皇女を産んだ。
 レングストンの世継ぎの為には皇子が良かったのだろうが、第一子の誕生に国民は喜んだ。

「ナターシャ………大丈夫か?辛かったろう……今日はゆっくり休んでくれ。」
「……リュカ………皇女でしたね……。」

 リュカリオンはナターシャの枕元の横に座りナターシャの額の汗を拭き取る。

「皇子でなくても、2人の子だし愛おしく思うよ。まだ俺達は若い、また子は出来るだろう。」
「失礼致します。皇女様産湯から戻りました。殿下、お抱きに下さい。」
「………こ、怖いな………。」
「首の後ろとお尻を支えて下さい。」
「こ、こうだよな?………コリン抱いて以来で忘れたよ。」
「リュカ…………名を付けて頂けますか?」
「…………そうだな………。」

 皇女の髪はリュカリオンと同じ金髪。
 リュカリオンはナターシャの顔を見る。

「ナターシャ、俺達の思い出に因んでいいか?」
「思い出ですか?………はい、是非。」
「ヴィオレット………俺達が初めて会った庭に咲いていた薔薇の品種なんだが………あと、皇子宮でナターシャにあげた薔薇もヴィオレット………。」
「…………素敵な名だと思います。」
「ヴィオレット……産まれてきてくれてありがとう。」

 リュカリオンは産まれたばかりのヴィオレットの額にキスを落とした。

「ヴィオレット様、素敵な名前を付けて頂けましたね、リュカ殿下、ナターシャ様、おめでとうございます。」
「ありがとう、セリナ。」

 名前も直ぐに皇帝、皇妃に知らされる。

「ヴィオレット…………良い名だ。」
「会えるのが待ち遠しいですわ。」
「全くだ。」

 皇帝や皇妃迄も待つ気なのに、ラメイラはヴィオレットに会いたくて仕方ないに様子で苛々するのであった。

「会いたい!会いたい~!!」
「まだ駄目!」

 皇太子邸の前でトーマスに引き止められているラメイラ。
 それが、トーマスの中で、ラメイラの気持ちを占めているのがナターシャだと知るのである。
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