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旅2日目
しおりを挟む「ラメイラ、起きろよ~。」
「ん……ん~~~。」
寝ぼけてるラメイラに、既に出る準備をしているトーマスが起こす為に、ベッドから身体を起こさないラメイラの耳元に囁く。
「起きないなら、やらしい事するぞ?いいのか?」
「!!」
「ちぇっ、起きたか。」
悔しそうに言うが、トーマスの顔は笑っている。
「侍女達を呼んどいたから、ほら起きろよ。」
「あ、ありがとう、トーマス。」
「その前に………。」
トーマスがベッドに近付くと、ラメイラに軽いキスをする。
「も、もう!心の準備してからに!!」
「慣れろ………クスクス。」
コンコン。
「入ってくれ。」
「失礼致します。トーマス殿下、ラメイラ様、おはようございます。」
「おはよう。俺は出発準備が出来ているか見てくるから、それ迄ラメイラの準備を頼む。」
「はい。今日はご予定通り、殿下の決められた装いで宜しいですか?」
「あぁ、楽しみにしてる。次に行く街は午後には着く。知事にあたる公爵家に厄介になるのだから、着飾ってくれ。」
「畏まりました。」
「??」
トーマスは侍女達に言いたい事だけ言って出て行ってしまった。
「今日、何かあるのか?」
「はい、何でもレングストンの知事の任にある公爵家に一泊されるご予定らしく、ラメイラ様をご紹介したい、と。皇帝陛下の弟君の領地だと伺いました。」
「へ、へぇ~………。」
侍女達が用意したのは、ラメイラが普段着る様な前開きのドレスではなく、ドレスの裾が膝から足の踵に向けて長くなっている物だった。
「まさか、ズボン無し?」
「そうですね、ラメイラ様が前開きのドレスがお好きなのを知ってらっしゃるので、膝下の前は布が無い方がいいのでは、とデザイナーと相談されたようです。こちらのドレス素敵ですね、ラメイラ様が好む形は損なわないのに、胸元が色っぽくて……採寸は私達が知っていましたので、トーマス殿下にお伝えしてあったんですよ?」
「ふふふ………ラメイラ様お綺麗なのに、淑女らしい振る舞いがお嫌いだから、着飾って頂ける日が来るなんて思ってもいませんでした。」
「な、何か足がスースーする……胸元も……。」
「ストールは用意してますよ、恥ずかしがるだろうから、とドレスに合う色の物を。」
「公爵家に着く前に、また少し身支度させて頂きますね。」
「……………な、な……。」
馬車内で何をしていたか、想像出来たのだろう。
侍女達は、もうトーマスの妃になるのを疑ってないのだ。
「このドレスは、トリスタンでも着て頂く予定ですので、王やエドワード様びっくりされますね。」
「は、恥ずかしよ……。」
コンコン。
『準備出来たか?』
「はい!」
カチャ。
トーマスが入室すると、目を見開く。
暫く凝視するトーマスだったが、目線を反らし、眼鏡を直す。
「…………い、行こうか……。」
「うん……。」
ラメイラの後ろに控える侍女達は、トーマスの反応に喜んでいた。
馬車に乗り込む迄、衛兵達もラメイラの姿に驚きを隠せなかった。
「しまった、衛兵達にラメイラの姿を見られた。」
「何で?トリスタンの衛兵達は見慣れてるぞ?」
トーマスは、ラメイラの両頬を軽く抓る。
「痛い痛い!」
「…………ラメイラ鈍い……。」
「に、鈍いのは認めるけど、何で抓るんだ!!」
「…………着飾ったラメイラを、俺だけ見れればいいのに……。」
「…………私をトーマスの妃にするんだろ?………なら、トーマスの物じゃないのか?私は。今更他の男の物になるつもりはないぞ?」
ガバッ!!
「!!」
馬車の中で力強く抱き締められたラメイラ。
「…………今日……最後迄はシないから、ラメイラの素肌触れたい。」
「…………な!な!」
「……我慢………するから……。」
「………………よ、夜迄考えさせてくれ。」
「…………分かった……。」
トーマスはそれから、ラメイラと会話も出来ず、窓を眺めるだけだった。
ラメイラは心配になったが、その心配は無用だったのを、その夜に知る事になる。
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