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祝賀パーティー
しおりを挟むその夜、宮殿で集まれる者達を呼び、ラメイラの結婚を祝いに祝賀パーティーが行われた。
ワインには強かったトーマスだが、トリスタンの主に好まれた酒はビールだった為、飲みなれないトーマスには、苦痛だったらしい。
「ビールは美味いが、腹にクルな……。」
「大丈夫か?トーマス。」
「トーマス皇子、ほらまだ飲むぞ!」
無理矢理飲まそうとするエドワードが、トーマスを連れて行こうとする。
「兄上!!トーマスの顔色も悪い!もう無理だ!!」
「あらあら、ラメイラ様のご婚約者様はお酒に弱い事。」
「………義姉上、酒は男の強さに関係ありません!そういうなら、あなたの夫の私の兄は剣術で私の夫になる人に負けましたから!!」
「ラメイラ!!内緒にしろよ!!」
「兄上!!そんなに面子が大事ですか?剣術に負けた兄上が、ビールに慣れていないトーマスに勝てて嬉しいですか?」
(…………酔った振りして、逃げ出そうと思ったのに、入る隙がないな………。)
あまりにも収集が着かない喧嘩が勃発してしまい、国王の言葉でパーティーはお開きになった。
「トーマス皇子、ラメイラの部屋へ行くのか?」
引き際に国王がトーマスに、声を掛けてくる。
「いえ、今日はそのまま寝ようかと………流石に飲み過ぎたようです。」
(あの煩さで、頭痛くなった……。)
「そうか……では、今日は無いのだな?」
「期待に添えませんで………。」
「いや、すまぬな、エドワードが飲ませ過ぎた。ゆっくり休むがいい。其方が着替えに使った客間をそのまま使え、兵に案内させる。」
「いえ、大丈夫です。少し酔い覚まししたいので、外の風にあたってきます。部屋は覚えてますから。」
「そうか…………ラメイラ、付き合ってやれ。」
「勿論。」
よたよたと千鳥足で歩くトーマスを支えながら、寄り添うラメイラを見送る国王。
「エドワード!」
「何だ?」
「今日は無い、と言ったがまだ分からんぞ、あやつは……。」
「え?また騙すつもりなのか?」
「見張っとけよ?」
「面白い奴だな、あの男。」
ラメイラに連れられて中庭に出ると、トーマスは背を伸ばした。
「はぁ………疲れた。飲めない振りも疲れるな。」
「トーマス?酔ってなかったのか?」
「酔った振りしてただけ……早く抜け出す口実さ。喧嘩始まったから早く終わりになりそうにだな、と。」
「心配したのに!!」
「まぁまぁ………こうやって抱き締められるのも今日全くなかったんだしお互い様、て事で。」
ラメイラを引き寄せ、胸に埋めたトーマス。
「お酒臭い………私の好きなニオイじゃない………。」
「これからずっと嗅ぐニオイだから、大目に見てくれよ……。」
「心配したのに………。」
ラメイラは背中に腕を回す。
「他の女のニオイより良いだろ?」
「…………そうなったら許さん!」
「怖いな………クスクス。」
「トーマス……。」
「ん?」
「今日、凄い格好良かった……。」
「そりゃ、ラメイラとの結婚の許可貰うためだから、必死だよ……。」
「あぁ、やっぱり好きだな、て思った。」
「……………ラメイラ……もうまた不意打ち……。」
片手をラメイラから離し、眼鏡を触る。
トーマスの照れ隠しであり、気合いを入れる為にトーマスの眼鏡は欠かせない。
「ラメイラ……閨のしきたりの事何だが、条件を提示したら何とか譲歩してくれたよ。」
「どうやって?」
「それは当日に……ラメイラは俺に委ねて貰えればいいよ。2泊する予定だから、明日……ね。」
「明日…………。」
「その後は、また2週間掛けてレングストンに帰り、婚約式と結婚式の準備だ。義父上が来てくれるといいが、それはまた手紙でやり取りしよう。」
「結婚かぁ………実感沸かないなぁ…。」
「ラメイラ鈍いからな。」
「………悪かったな。」
少し中庭で抱き合いながら話た後、別々の部屋に入り夜を明かした。
久しぶりに一人で過ごす夜だった。
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