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甘い夜
しおりを挟むラメイラはトーマスと離宮に入り、夕食を取った。
食事中、話をする事は主にリュカリオンの話が多く、離宮でのリュカリオンの話は面白い話ではなかったが、ラメイラはリュカリオンの闇が思っていた以上だったのを知っただけ、リュカリオンに親近感を持った。
「リュカも大変だったんだな~。子供の頃のリュカは私苦手だったから、知れて良かった。」
「ラメイラ………。」
「だって義兄になるんだし、この前皇妃様から、皇妃様の兄上達のお話を伺って、結婚したら義理家族への理解し合うのも事も大切なんだな、て思ってたから。」
「………あぁ、ターセル侯爵兄弟か……叔父上達は、顔を合わせるといつも喧嘩するからな。」
「私はナターシャとの仲も悪くしたくないし、トーマス達の兄弟の仲違いも見たくないからな!」
「ラメイラとナターシャに、そんな不安はないから大丈夫だろう………。」
食事を終えると、マーニャから声が掛かる。
「トーマス殿下、ラメイラ様のご準備をそろそろ…………。」
「………あぁ、頼む。あともう一度、ラメイラにウエディングドレス着せてくれないか。ヴェールや髪のセットはしなくていいけど、俺はあんまり見れてなくてね。見足りないんだ。」
「…………畏まりました。」
「え?また着るの?」
「着てくれよ、俺の為に。」
「わ、分かった。」
ラメイラは離宮に入った後、いつものような服に着替えていた。
ウエディングドレスを着たままで食事をする度胸もなかったからだが、トーマスに言われては、着ざる得ない。
(………あんまり式からここに来る迄、見てくれてるような感じなかったからなぁ……。トーマスが喜ぶなら……。)
と、夜着ではなく、ウエディングドレスでトーマスの待つ部屋に入ったラメイラ。
部屋で待つトーマスは軍服に着替えていて、式中のような佇まいで立っていた。
「待っていたよ、俺のラメイラ。」
「…………トーマス?」
「………向かえる所をやり直したいと思って てね………。式とパレードの間、険悪だっただろ?」
「もう気にしなくてもいいのに。」
「俺が気にする。」
ラメイラはトーマスに近付き、手を握る。
「私が目を反らしたのは、トーマスの軍服姿がカッコ良すぎて、見つめられなかったんだ。それがトーマスのあの笑いに繋がったんだから、お互い様でしょ?」
「以前も見てたろ?兄上とナターシャの結婚式で。」
「あの時はまだタイタスが好きだったから…………何とも…………わっ!」
トーマスはいきなりラメイラを抱き締めた。
「ラメイラが俺以外に好きと言う言葉を使うのは関心しないな。」
「………いろいろな使い方あるじゃないか!」
「それでも嫌だね。」
「…………仕方ないなぁ………じゃあ、私が愛しているのは、トーマスただ1人、トーマスの家族は、家族として好きなだけ………じゃ、駄目?」
「……………そんな上目遣いで見つめられても…………あぁ!くそっ!もう我慢出来ん!!」
「…………んっ!」
くちゅ………ぴちゃ……。
トーマスから降り注ぐ、昼のキスとは違う愛情が伝わるキスを受け取るラメイラ。
このキスをどれだけ待ち望んだか、ラメイラはこの日がとても長く感じる事になるのだった。
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