21 / 45
20
しおりを挟む「自分の親父が、麗禾を狙ったからじゃねぇか!青葉会会長の弟だったお前の親父がな!」
「……………え?……」
全く覚えの無い晄が発した言葉に、麗禾は固まったまま動けない。
「そんな事知るかよ!…………俺は……知らない………只……お前が………親父を殺した、て人伝に聞かされただけだ!強くなって、黒龍晄を殺る為に身体鍛えて…………神崎の頭に拾われた………そ、それを教えてくれたのが青葉会のおやっさんだ!お嬢に惚れたなら、お嬢の傍から離れるな………そうして気にいられたら、俺を神崎組の組長にしてやる、て…………」
「黒龍さん………何故………朔也のお父さんを………私を狙ってた………て何故………知って……」
断片的だが、麗禾は幼かった頃、場所迄は覚えていないが、襲われた事がある。悲鳴をあげ、父に助けを求めたが、助けてくれた人は分からない。ただ、助けられてから両親の異様な管理下に置かれた事は間違いなく、麗禾は自由を奪われた。調べたからと言われても、晄から出る殺気は並大抵な物ではない。
「…………コイツの親父はお前を誘拐し、神崎組を青葉会の配下に置こうと企んだ…………悲鳴をあげたお前を俺は高校から帰った時に見つけ、榊とコイツの親父を殺った………ただ、それだけだ………偶然見つけた誘拐場面に、親父の客関連の子供だと思って助けた………コイツは逆恨みだよな………視点さえ変えりゃ、如何とだって正義や悪になれる………大方捻じ曲げられて教えられたんだろうよ……俺は客人を助けただけ………正当防衛で兄弟盃の間柄の俺の親父と、神崎の頭が協力されちゃ………青葉会は君臨出来ねぇからな…………あわよくば、黒龍さえ取り込む気だった、て事だ」
陰謀に巻き込まれていたのだと、今更知った麗禾。だから両親は異様な迄の管理下に麗禾を置き、青葉会の手中になるよりかは、黒龍を選んだ、という事になる。
「こ、黒龍さん………だからって……私は貴方と結婚する意思はないですから!」
「…………そ、そうです!お嬢!お、俺が良いですよね?…………ね?」
「朔也はもっと嫌よ…………脱衣場に迄カメラを入れて、盗撮してたんでしょ?気持ち悪いわ…………黒龍さんより、もっとあり得ない………」
「と、いう訳だ………今から神崎組にこの証拠と番犬を突き出せ…………青葉会との抗争か如何なろうとも、俺はまだ傍観する、ともな」
「分かりました、若頭」
「んぐっ!…………んんっ!」
朔也がまた猿轡されて、連れ出されて行く。
「頭がアイツを殺るなら良し、解放するなら俺にも考えがあるからな」
「何ですか?考えって………生命だけは……取るの止めて欲しいです…………人が殺められるのは…………私は………」
「…………あぁ、そうだろうな……」
恐怖心しか植え付けられなかった、極道の殺戮場面。晄が麗禾に見せた事だと分かったが、気分が良い物では無い。
「だが、それだと青葉会もなり振り構わなくなるぞ?アイツが青葉会に戻る。手負いの獣程、なり振り構わない………尚更、お前を匿う事になる」
「私の事は………構わないで下さい………生命の覚悟なら…………あの両親の元で育てられた中で、覚悟はあります」
「……………やっぱり、お前は極道だよ……肝が座ってやがる」
「そ、そんな事は…………危険と隣り合わせなのは常にあった………から………」
「……………だったら、尚更お前を俺のもんにしねぇとな………榊、帰るぞ」
「はい、若頭」
「きゃぁぁぁぁぁっ!」
いきなり抱き上げられた麗禾は悲鳴をあげる。
「もう、我慢はしねぇ………飯食ったら、お前を食うからな」
「っ!…………い、嫌です!」
「お前の意見は求めてねぇよ………飯を用意させとけ、榊」
「勿論です」
抱き上げられたままエレベーターに乗り、オープンしたキャバクラの客室の中を通る姿は、異様な光景だっただろう。数人の部下を引き連れ、麗禾は車に押し込まれると、直ぐに車は発進された。
「私は極道が大ッ嫌いです!」
「んなもん、知るかよ…………お前には俺の子供を産んで貰って、ソイツを黒龍組の跡目にすると決めてんだよ」
「私の意思は!」
「だから、知るかっての」
「か、帰ります!保護なら神崎組に頼みますから!」
「それは出来ない相談だな」
「え…………?」
刻一刻と秒読み段階で、麗禾の貞操の危機が近付く。まだ晄と結婚するとも言ってもいなければ、寧ろ拒否している段階だ。好きでも無い男に抱かれたくはない。
「嫌です!絶対に!」
「俺に惚れりゃ良いじゃねぇか」
「出来ません!無理です!」
「何故だ?こう見えて俺は引く手数多の巨根の絶倫のテクがあるんだぞ?」
「関係ありません!そんな事………き、巨………ぜ、絶……?」
麗禾も年頃の女だ。性経験には興味はある。それぐらいの意味は理解出来るので、車のドアノブに手を掛けて、警戒心だけは怠らなかった。
15
あなたにおすすめの小説
結婚式に結婚相手の不貞が発覚した花嫁は、義父になるはずだった公爵当主と結ばれる
狭山雪菜
恋愛
アリス・マーフィーは、社交界デビューの時にベネット公爵家から結婚の打診を受けた。
しかし、結婚相手は女にだらしないと有名な次期当主で………
こちらの作品は、「小説家になろう」にも掲載してます。
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
私に義弟が出来ました。
杏仁豆腐
恋愛
優希は一人っ子で母を5年前に亡くしていた。そんな時父が新しい再婚相手を見つけて結婚してしまう。しかもその相手にも子供がいたのだった。望まない義弟が出来てしまった。その義弟が私にいつもちょっかいを掛けてきて本当にうざいんだけど……。らぶらぶあまあまきゅんきゅんな短編です。宜しくお願いします。
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる