暗闇の麗しき世界へ【完結】

Lynx🐈‍⬛

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自分てめぇの親父が、麗禾を狙ったからじゃねぇか!青葉会会長の弟だったお前の親父がな!」
「……………え?……」

 全く覚えの無い晄が発した言葉に、麗禾は固まったまま動けない。

「そんな事知るかよ!…………俺は……知らない………只……お前が………親父を殺した、て人伝に聞かされただけだ!強くなって、黒龍晄を殺る為に身体鍛えて…………神崎の頭に拾われた………そ、それを教えてくれたのが青葉会のおやっさんだ!お嬢に惚れたなら、お嬢の傍から離れるな………そうして気にいられたら、俺を神崎組の組長にしてやる、て…………」
「黒龍さん………何故………朔也のお父さんを………私を狙ってた………て何故………知って……」

 断片的だが、麗禾は幼かった頃、場所迄は覚えていないが、襲われた事がある。悲鳴をあげ、父に助けを求めたが、助けてくれた人は分からない。ただ、助けられてから両親の異様な管理下に置かれた事は間違いなく、麗禾は自由を奪われた。調べたからと言われても、晄から出る殺気は並大抵な物ではない。

「…………コイツの親父はお前を誘拐し、神崎組を青葉会の配下に置こうと企んだ…………悲鳴をあげたお前を俺は高校から帰った時に見つけ、榊とコイツの親父を殺った………ただ、それだけだ………偶然見つけた誘拐場面に、親父の客関連の子供だと思って助けた………コイツは逆恨みだよな………視点さえ変えりゃ、如何とだって正義や悪になれる………大方捻じ曲げられて教えられたんだろうよ……俺は客人を助けただけ………正当防衛で兄弟盃の間柄の俺の親父と、神崎の頭が協力されちゃ………青葉会は君臨出来ねぇからな…………あわよくば、黒龍さえ取り込む気だった、て事だ」

 陰謀に巻き込まれていたのだと、今更知った麗禾。だから両親は異様な迄の管理下に麗禾を置き、青葉会の手中になるよりかは、黒龍を選んだ、という事になる。

「こ、黒龍さん………だからって……私は貴方と結婚する意思はないですから!」
「…………そ、そうです!お嬢!お、俺が良いですよね?…………ね?」
「朔也はもっと嫌よ…………脱衣場に迄カメラを入れて、盗撮してたんでしょ?気持ち悪いわ…………黒龍さんより、もっとあり得ない………」
「と、いう訳だ………今から神崎組にこの証拠と番犬を突き出せ…………青葉会との抗争か如何なろうとも、俺はまだ傍観する、ともな」
「分かりました、若頭」
「んぐっ!…………んんっ!」

 朔也がまた猿轡されて、連れ出されて行く。

「頭がアイツを殺るなら良し、解放するなら俺にも考えがあるからな」
「何ですか?考えって………生命だけは……取るの止めて欲しいです…………人が殺められるのは…………私は………」
「…………あぁ、そうだろうな……」

 恐怖心しか植え付けられなかった、極道の殺戮場面。晄が麗禾に見せた事だと分かったが、気分が良い物では無い。

「だが、それだと青葉会もなり振り構わなくなるぞ?アイツが青葉会に戻る。手負いの獣程、なり振り構わない………尚更、お前を匿う事になる」
「私の事は………構わないで下さい………生命の覚悟なら…………あの両親の元で育てられた中で、覚悟はあります」
「……………やっぱり、お前は極道だよ……肝が座ってやがる」
「そ、そんな事は…………危険と隣り合わせなのは常にあった………から………」
「……………だったら、尚更お前を俺のもんにしねぇとな………榊、帰るぞ」
「はい、若頭」
「きゃぁぁぁぁぁっ!」

 いきなり抱き上げられた麗禾は悲鳴をあげる。

「もう、我慢はしねぇ………飯食ったら、お前を食うからな」
「っ!…………い、嫌です!」
「お前の意見は求めてねぇよ………飯を用意させとけ、榊」
「勿論です」

 抱き上げられたままエレベーターに乗り、オープンしたキャバクラの客室の中を通る姿は、異様な光景だっただろう。数人の部下を引き連れ、麗禾は車に押し込まれると、直ぐに車は発進された。

「私は極道が大ッ嫌いです!」
「んなもん、知るかよ…………お前には俺の子供を産んで貰って、ソイツを黒龍組の跡目にすると決めてんだよ」
「私の意思は!」
「だから、知るかっての」
「か、帰ります!保護なら神崎組に頼みますから!」
「それは出来ない相談だな」
「え…………?」

 刻一刻と秒読み段階で、麗禾の貞操の危機が近付く。まだ晄と結婚するとも言ってもいなければ、寧ろ拒否している段階だ。好きでも無い男に抱かれたくはない。

「嫌です!絶対に!」
「俺に惚れりゃ良いじゃねぇか」
「出来ません!無理です!」
「何故だ?こう見えて俺は引く手数多の巨根の絶倫のテクがあるんだぞ?」
「関係ありません!そんな事………き、巨………ぜ、絶……?」

 麗禾も年頃の女だ。性経験には興味はある。それぐらいの意味は理解出来るので、車のドアノブに手を掛けて、警戒心だけは怠らなかった。
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