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それでも、
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それから何度も俺はめげずに秋良さんを追いかけては話しかけていた。
そんな俺をうざったそうに追い払う秋良さんに何度も心が折れそうになったけど、秋良さんには笑った顔が似合うんだ。それに……好きな人には笑っていてほしい、から。
「先生!ちゃんとご飯食べましたか!?」
「…またお前か。関係ないから、戻りなさい」
「っ…か、関係なくなんか…!」
冷たい目、冷たい態度。そんなに俺なんか視界にいれたくないのか。
…そう、だよね。兄さんの事嫌でも思い出してしまうだろうし。…でも、それでも諦めたくない。
「いいから、帰れ」
「…もっ…もー!そんなひどい事言わないでくださいよー!ほら、これっ美味しそうで「うるさい!」…ぇ…」
ごそごそと鞄の中からお弁当を出して差し出せば、その手を払われてお弁当はガシャンッと音を立て地べたに落ちる。
それもショックだけど、今まで決して大声をあげなかった秋良さんに一番ショックを受けていた。
あ…俺、すごく、惨めだ。
おしつけがましい。最悪だ。
「す、すまな「ごめんなさい!すぐ片付けますね!ごめんなさい!」…おい…」
震える手を伸ばして落ちたおかずを拾う。泣くな、泣くな。
俺に泣く資格なんてない。
おかずを拾い終わって顔をうつ向けたまま秋良さんに頭を下げて再度ごめんなさいと謝る。
…あーあ。これで、最後のつもりだったのに。大失敗だ。
「…先生、さよなら」
「…あぁ」
また来ます、はもう言えない。
最後まで、俺は秋良さんにとって邪魔な存在だ。
早く消えてしまいたい。
ぐちゃぐちゃになったおかずが入ったお弁当箱をその辺にあったゴミ箱の中に放り込む。
…本当はダメだってわかってるけど、許して。
「この気持ちも、こうやって捨てられたら、よかったのになぁ…」
ぼろぼろと止まることのない涙が溢れ出ていつもの景色もなんだか違って見えた。
そんな俺をうざったそうに追い払う秋良さんに何度も心が折れそうになったけど、秋良さんには笑った顔が似合うんだ。それに……好きな人には笑っていてほしい、から。
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「っ…か、関係なくなんか…!」
冷たい目、冷たい態度。そんなに俺なんか視界にいれたくないのか。
…そう、だよね。兄さんの事嫌でも思い出してしまうだろうし。…でも、それでも諦めたくない。
「いいから、帰れ」
「…もっ…もー!そんなひどい事言わないでくださいよー!ほら、これっ美味しそうで「うるさい!」…ぇ…」
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