異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?

すずなり。

文字の大きさ
22 / 61

ジニアとのデート2。

しおりを挟む
「え?私の好きなもの?」

「うん。」

「・・・なんでそんなの知りたがるの?」


シャガが言ってた言葉がある。

『みんなお前に求婚する気だ』という言葉だ。

一妻多夫制な世界なのは理解したけど、それを受け入れる準備が私にはできてない。

なら向こうから断ってもらったら・・・もしかしたら一人の人だけと結婚できるのかもしれない。

ジニアに諦めてもらうために・・・少し冷たく聞いてみた。



「なんでって・・・アイビーが成人した時に俺を選んでもらうためだよ?」

「!!・・・どうして私なの?」


学校にも私と年が近い女の子はいた。

下の学年にはいなかったけど、上の学年にはいた。

ジニアはその子のほうが年が近いハズだ。


「どうしてって・・・アイビーが可愛いからだけど・・・。」

「・・・へ!?」

「え?気づいてないの?」

「気づいてないって・・・何に?」


そう聞くとジニアは手を伸ばして私の髪の後れ毛をすくった。


「アイビーって・・・この辺じゃ一番きれいで可愛いんだよ?」

「!?」

「いい子だし・・・賢いし。お父さん想いだしね。」


すくわれた髪の毛に恥ずかしさを覚えながらも私は反論する。


「わ・・私よりいい人なんてたくさんいるよ?」


そう聞くとジニアはきょとんとした顔をした。

そしてそのあとすぐにクスクスと笑いだし、湖の回りの一点を指差した。


「あれ見てごらん?」

「?」


言われた方を見るとそこに二人の人が見えた。

一人は女の人で、もう一人は男の人だ。


「あの二人、よく見てて?」

「う・・うん・・・。」


言われた通り見てると、ジニアはオールを持ち、少し岸に寄せた。

見てるとは思われないくらいの距離だ。


(私も漕いでみたいなー・・・。)


そんなことを思いながら見てると、大きな声が聞こえてきた。


「ちょっと!私の言うこと聞かないの!?次の月のモノが来るまであなたとしかいれないんだからちゃんとしてよ!!」


大きな声で叫んでたのは女の人だ。

半歩下がって男の人が委縮したようについて行ってる。


「でもイベリスが他の男を・・・」

「何よ!私が悪いの!?あなたとの婚姻を解消してもいいのよ!?」

「そ・・それは・・・・」

「嫌ならさっさということ聞きなさいよ!!」

「ごめん・・・・。」


ぷりぷりと怒りながら女の人は歩いて行った。

年を考えたら・・・おそらく30代半ばくらいだろう。


「なにあれ・・・すごい・・・。」


呆気にとられながら見てるとジニアは少し笑いながらオールを回し始めた。


「よっ・・と。・・・あんな感じが普通なんだよ?」


その言葉に私は勢いよくジニアを見た。


「えぇ!?」

「女の人にすがらないと、子供は望めない。」

「そうなの!?」

「うん。・・・でも男はね、愛してもらいたいんだ。すがって子供を授かるより好きで愛して愛された女の人の子供が欲しい。そう思ってる人が多い。」

「そ・・そうなんだ・・。」


さっきの女の人が凄すぎて頭から離れない私は、またさっきの人に目をやった。

さっきと同じようにして男の人が女の人の後ろをついて行ってるのが見える。


「アイビーは違うだろ?」


そう言われ、私は返答に困った。

確かにさっきの女の人みたいな言葉は使わない。

私自身、命令口調とかが好きじゃないからだ。

でも面と向かって肯定なんかできるわけがない。


「・・・どうかな。」


そう答えるとジニアは満足そうな表情を見せた。


「そういうところがいいんだよ。学校でも他の女の子とは違ってた。」

「そ・・そうかな・・・。」

「俺、アイビーに選んでもらえるように頑張るから。」


にこっと笑いながら言ったジニア。

そのまま小舟を乗り場に戻しに行った。

揺れる小舟の上を歩き、岸に戻る。

ジニアは当たり前かのように手を出してくれ、その手を取って私たちは湖の回りを少し歩いた。


(単なるデートって話だったのに・・・思いっきりプロポーズみたいなことされた・・・。)


22歳になるジニア。

仕事も多くこなしてるからか随分逞しい身体になっていた。

袖をまくってるシャツから筋肉が見える。

繋いでる手も大きくてごつごつしてて・・・私が知ってる『お兄ちゃん』のようなジニアじゃなかった。


(男の人・・・なんだ・・・。)


そんなことを考えながらジニアを見てると、私の視線に気がついたのかジニアが私を見た。

目が合って・・・なぜか胸がどきっとする。


「どうしたの?アイビー。」

「---っ。・・・なっ・・なんでもないっ・・。」


目を反らしてそう答えた。


「そう?このあとご飯食べに行こうか。」


ジニアは私を連れてお薦めのお店に連れて行ってくれた。

注文をし、運ばれてきたものを口に入れるけどさっきのことがいろいろ気になって味どころじゃない。


(もう頭の中がパニック・・・。)


私は結局、その後の記憶があまりないままジニアに家まで送ってもらうことになってまった。





ーーーーー





「今日は・・・ありがとう。」


家の戸の前でジニアにお礼を言った。


「どういたしまして。・・・ねぇ、アイビー?」

「なっ・・なに・・っ?」

「また俺と・・・デートしてくれる?」


ジニアは私の後れ毛をそっと指ですくった。

それを指で摘まみながら爽やかな笑顔を向けてくる。


「や・・それは・・・・」


答えに困ってるとジニアは私の髪の毛から手を離した。


「ま、他の3人とのデートが終わらないとまた申し込みはできないし・・・。また誘うよ。」

「・・・今日はほんとにありがとう。じゃ・・・。」


私は戸を開けて家に入った。




ーーーーー




家に入っていったアイビーの姿を見続けたジニアは、もう姿の見えないアイビーに向かって手を振った。



「俺が一番愛するからね・・・アイビー。」



そう言葉を言い、ジニアは依頼屋に足を運んだ。

ライムに『自分のデート』が終了したことをメッセージに残すためだ。


「15歳の誕生日を解禁にデートに誘えるようにはなったけど・・・まさかニゲラさんまでいるなんて・・・。」


予想外のメンバーだ。

デートの解禁日から『好意を寄せてること』を伝え始めてないと18歳の誕生日に結婚の申し入れしにくい。


「・・・誰にも触れてほしくない。」


初めて会ったアイビーは5歳だった。

だけど5歳とは思えない雰囲気がした。

受け答えは大人のようにする。

笑えば可愛く、驚いても可愛い。

そんなアイビーを『独り占め』できる方法はないかと模索もしたもんだ。


「アイビーも・・・同じように考えてくれてたらいいのに。俺だけがアイビーを大切にしたいのに・・・。」


その場合自分を選んでもらない可能性が出て来る。

選んでもらえないのは辛いから・・・多夫のほうがマシだ。


そう思いながらジニアは暗くなり始めてる道を歩いて行った。






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』

透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。 「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」 そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが! 突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!? 気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態! けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で―― 「なんて可憐な子なんだ……!」 ……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!? これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!? ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆

獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。

真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。 狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。 私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。 なんとか生きてる。 でも、この世界で、私は最低辺の弱者。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

【完結】うっかり異世界召喚されましたが騎士様が過保護すぎます!

雨宮羽那
恋愛
 いきなり神子様と呼ばれるようになってしまった女子高生×過保護気味な騎士のラブストーリー。 ◇◇◇◇  私、立花葵(たちばなあおい)は普通の高校二年生。  元気よく始業式に向かっていたはずなのに、うっかり神様とぶつかってしまったらしく、異世界へ飛ばされてしまいました!  気がつくと神殿にいた私を『神子様』と呼んで出迎えてくれたのは、爽やかなイケメン騎士様!?  元の世界に戻れるまで騎士様が守ってくれることになったけど……。この騎士様、過保護すぎます!  だけどこの騎士様、何やら秘密があるようで――。 ◇◇◇◇ ※過去に同名タイトルで途中まで連載していましたが、連載再開にあたり設定に大幅変更があったため、加筆どころか書き直してます。 ※アルファポリス先行公開。 ※表紙はAIにより作成したものです。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!

桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。 「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。 異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。 初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!

処理中です...