異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?

すずなり。

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ニゲラに知られたアイビーの過去。

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「・・・口外するなよ。」


そうニゲラに忠告し、俺はアイビーの過去を話した。

前世の記憶を持ったまま、赤ん坊でこの世界に来たことを。


「・・・嘘だろ!?そんなことがあるのか!?」


ニゲラは信じられないと言った様子で俺とアイビーを交互に見てる。

証明できるものなんて何もないけど、赤ん坊のころからそこらの子より大人びていたことだけは事実だった。


「このことを知ってるのは俺とダリアだけだ。外では年相応にしろって言ってたけど・・・お前が気に入ってるところを見ると出来て無さそうだ。」


歳の差がありすぎるニゲラとアイビー。

その差は18もある。

アイビーの中身の年齢・・・21歳に当てはめると12歳差だ。

でも・・・アイビーの中身はだ。

ニゲラが21の時もアイビーは21。

ニゲラが25の時もアイビーは21だ。

中身は成長してるのかもしれないけど、子供の経験しかしてないアイビーはそんなに中身も成長してないだろう。


「アイビーの・・・前の世界での名前は『涼花』。涼しい季節に産まれたんだってさ。」

「?・・・涼しい季節?」

「俺らの住んでるとこは気温がずっと一緒だけど・・・アイビーのとこは違ったらしい。暑い気温と寒い気温が入れ替わりに来るんだってさ。」

「へぇー。」


俺は他にもアイビーから聞いたことをニゲラに話した。

『学者』であるニゲラはそれらを真剣に聞き、頷いてる。

黒い実に白い実を入れる話なんかしたときは目を丸くして驚いていた。


「そんな飲み方するのか!?」

「意外と美味かったけどな。」

「・・・やってみようかな。」


そんな話をしながらもアイビーの様子は二人で見ていた。

荒い息を繰り返していたアイビーはいつの間にか落ち着いた呼吸に変わり、すぅすぅと眠っている。


「そういえば・・・なんでアイビーは熱があるのに起き上がったんだ?」


ニゲラが不思議そうに聞いてきた。


「『ごめん』とか『すぐする』とか・・・言ってたよな?」

「それは・・・。」


おそらく、アイビーが前の世界で一緒に暮らしてたっていう男のことだ。

その男との暮らしを、俺はだいたい聞いていたけど・・・ニゲラに言うかどうか悩んだ。

ニゲラがアイビーに求婚するかもしれないからだ。


(どうすっかな・・。)


アイビーはこの世界じゃ考えられないような男と一緒に生活をしていた。

だから・・・もしかしたら結婚は望まないかもしれない。


(アイビーが結婚を望まないなら俺とずっと一緒に暮らしていってもいいんだけど・・・。)


でもそれはアイビーが『恋』するチャンスを潰すことになる。

好きな奴と一緒にいる方がいいに決まってる。

俺は父親だからアイビーと縁が切れることはない。


(かといってニゲラのことを好きになるとも限らないし・・・。)


ジニアやライム、セダムも一緒だ。

全員と婚姻関係を結ぶこともできるけど・・・それはアイビーが了承しない限りできない。

前世が一夫一妻制の世界にいたんなら・・・多夫は抵抗があるだろう。


「・・・ニゲラ、お前・・・誰かと結婚してたか?」

「え?なんで?」

「いいから答えろ。」


そう言うとニゲラは後ろ手に頭を掻いた。


「・・・してた。もう解消した。」

「それはなんで?」

「なんでって・・・まぁ『合わなかった』んだよ。いろいろと。」


ニゲラの話では相手は表情が無い女だったらしい。

デートをしても特に喋りもせず、夜を共にしてもあまり・・・だったらしい。


「子供ができたら育てるつもりだったけど・・・月のモノが来たから解消してもらった。この町で適齢期のマネッチアは気が強いしな。」


男は守りたい生き物だ。

弱いものを守ることで自分自身を認めてる。


「・・・アイビーがお前の耳飾りを作ることを許したら・・・最初はお前がいい。」

「!?」

「俺にそんなこと決める権利は無いけど・・・アイビーの前の世界の男のことを考えたら・・・お前がいい。」


俺はニゲラに向いて真っ直ぐ座った。

頭を・・・下げる。


「理由は言えない・・・でも頼む。」


俺が相手できるものなら相手したい。

でも俺は父親だ。

親子の関係は崩せない。

ニゲラのことは幼少期から知ってる。

相手を傷つけるようなことはしない。

ニゲラなら必ずアイビーを守ってくれる。


「頼む・・・」


そう言うとニゲラは俺に向かって真っすぐに座った。

俺と同様に頭を下げて・・・言った。


「・・・アイビーのころころ変わる表情が・・・好きなんだ。見てて飽きないし、何より俺が笑わせてやりたい。」

「あぁ。」

「子供が欲しくて婚姻関係にあったときもあったけど・・・アイビーのことは違う。ずっと側にいたい。だから・・・18歳になったら求婚するから。」


真剣な顔をして言うニゲラ。

俺はそれが信用に値するものだと確信した。


「他の奴らもきっと求婚する。・・・よろしく頼む。」



ーーーーー





アイビーの熱は次の日にはだいぶ下がっていた。

頭がクラクラするのか、立ち上がることはできないみたいだったけど・・・それでも意識はハッキリしていた。


「ごめん・・・とうさん・・・。」

「いや、熱はいいんだけど・・・ちょっといっぱいいっぱいだったか?」


ジニアやライムとのデートが連続であった。

もしかしたら知恵熱的なものも重なったのかもしれない。


「うん・・・でも約束してるから・・・セダムとニゲラとはちゃんと遊ぶ・・。」

「・・・そっか。まぁ今は元気になることだけを考えろ。粥、食うか?」

「・・食べる。」


アイビーが決めたならそれでいいと思った。

無理をさせてまで子を成す必要はない。


「アイビー?」

「なに?」

「ずっとここで暮らしていいんだからな?」

「!!・・・うん。」









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