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【番外編】残酷な再会。
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ーーーーー
リナリアが旅立ってから一年の時間が流れたとき、ニゲラが血相を変えて俺の家に飛び込んできた。
「シャガ・・!大変だ!!」
「どうした?」
「リナリアが乗った乗り合い馬車が・・・山崩れに巻き込まれた!!」
「!?」
まだ駆け出しの学者をしていたニゲラは、なんとか成果をだそうと山を10ほど離れたところで調査をしていた。
その時、乗り合い馬車が山崩れに巻き込まれたという話を聞いたらしいのだ。
「いつだ!!いつの話だ!?」
「俺が向こうで聞いて、こっちに戻ってくるまでだから10か月だ!」
「10か月・・・・確かリナリアは山二つ向こうって言ってた・・・。」
この辺りの山は一つ越えるのにだいたいひと月かかる。
山二つ向こうで乗り合い馬車に乗ったとしたら、計算が合ってしまうのだ。
「乗り合い馬車は滅多にない。・・・リナリアの馬車で間違いないだろう。」
ニゲラはその事故のことを詳しく調べてから戻ってきたようで、細かく話してくれた。
山全体が地滑りを起こして巻き込まれた馬車は全部で5台。
連なって移動していた時に巻き込まれたらしいのだ。
「最後の馬車は半分だけ埋まったらしくて助け出されたらしいんだ。」
「!!・・・その中にリナリアがいた可能性は!?」
そう聞くとニゲラは悲しそうな顔をしてゆっくり首を横に振った。
「助け出されたのは全員男だったらしい。ケガが酷いようで、みんなどこかに運ばれたって聞いた。」
「男・・・。」
「中にはもう足が使い物にならなくなった人もいるらしくて、病院を転々をしながら治療をしてるって。」
「そうなのか・・・。」
半分巻き込まれただけでそれだけの大けがだ。
全部巻き込まれて助けてもらえなかった人たちは・・・もう命がないだろう。
「それ・・どこの山だ?」
「え?」
「教えてくれ、どこの山だ!?」
「まさかお前・・・行く気か!?」
「俺の足だったら半月で着く・・!言え!どこの山だ!?」
ニゲラの胸ぐらをつかみ上げて聞くと、ニゲラは苦しそうに答えた。
「東の山二つ向こうだ・・・!地滑りした跡はわかるだろう・・・っ!」
「わかった。」
俺はニゲラから手を離し、鞄に荷物を詰め込んだ。
少しの携帯食と、服を二枚だ。
「今から行く気か!?」
「生きてるなら早い方がいい。」
「生きてるわけないだろう!?もう一年近く経つんだぞ!?」
「それでも可能性はゼロじゃない。」
反対するニゲラを置いて、俺は家を飛び出した。
走り慣れた山を抜けるのは早く、一つ目の山を越えるのにそう時間はかからない。
「待ってろリナリア・・!迎えに行くから・・・!!」
ーーーーー
俺が家を飛び出してからひと月の時間が流れたころ、俺は乗り合い馬車が巻き込まれた地滑りの現場に足を踏み入れていた。
ここまでほぼ休憩せずに走ってきて、服は汗でびしょびしょだ。
「リナリアーっ・・!リナリアーっ・・!!」
叫びながら斜面を滑っていく。
すると巻き込まれた乗り合い馬車の一部が地面から露出してるところを見つけた。
「リナリア・・・!?」
何か手掛かりがあるんじゃないかと思ってそこに向かう。
すると壊れた馬車が土の中に半分埋まるようにしてあったのだ。
どうやらこの馬車が最後尾の『助け出された馬車』らしい。
「この馬車がここにあるっていうことは・・・この向こうに他の馬車が・・・?」
そう思って視線を先に向けると、土しか視界には入らなかった。
他の馬車たちは地中深くに埋まってるようだ。
「巻き込まれてしまったのか・・・?リナリア・・・。」
頭のどこかでは『リナリアは死んだ』と理解していた。
ただ心が追い付かなくて・・・自分の目で確認しに来たのだ。
「!・・・あれは・・?」
辺りを見回したとき、斜面の上の方で何かが光ったのが見えた。
気になって見に行くと、そこには・・・・
「!?・・・俺の耳飾り・・・」
そう、そこにあったのは俺がリナリアにつけた柄のない赤い耳飾りだったのだ。
転がり落ちるときに外れて・・・耳飾りだけ放り出されてしまったようだ。
「俺に・・・俺に諦めさせるためなのか・・・?もうリナリアが地中深くにいる証として・・・神はこの耳飾りを俺に見つけさせたのか!?」
俺はその耳飾りを両手で包み込み、その場に崩れ落ちた。
「うわぁぁぁぁ・・・・!!」
悲しみに暮れ、俺はその場で泣き続けた。
流れる涙は枯れることを知らず、いつまでも流れていく。
地面にあった土はどんどん濡れていき、気がつけば陽は暮れ、沈み、暗闇になり、また陽が昇り・・・
それを三日ほど繰り返して、俺はとぼとぼと歩き出した。
ここに留まっていてもリナリアは戻らない。
なら家に戻り、リナリアを想いながら人生が終わるその時まで過ごそうと思ったのだ。
ーーーーー
「・・・そのあとに私がこっちの世界に来たの?」
「そうだ。あのあと・・・しばらくして俺が立ち直ってからだな。」
そう聞くアイビーに、俺は棚から包みを取り出して見せた。
二つの赤い耳飾りだ。
「これ・・・!」
「一つは柄が無いだろ?もう一つは柄がある。」
「ほんとだ・・・。」
「これを・・・リナリアの湖に入れてこようと思ってな、支度してたんだ。お前ももうニゲラと暮らしてるし。」
「そうだったんだ・・・。」
「あぁ。で、そのまま旅に出ようと思う。」
一つの区切りとして考えていたことだった。
この耳飾りをリナリアの湖に沈め、俺も旅に出ようと思ったのだ。
リナリアが見たがっていたものを俺の目で見て、死んだら・・・リナリアに教えてやろうと思ったのだ。
「とぅさんが旅!?」
「そうだ。戻ってくるつもりだが・・・それはいつになるかわからない。お前には置手紙していこうかと思ってたんだがな。」
そう言ってアイビーの頭を撫でると、アイビーは拗ねたような表情を見せた。
「私に黙っていくとか・・・そんなの許さないもん。」
「そんな拗ねるなって。孫の顔は見たいからちゃんと戻ってくるつもりだから。」
「むぅ・・・。」
拗ねるアイビーをなだめるようにして頭を撫でていく。
するとアイビーはとんでもないことを俺に言ったのだ。
「私もリナリアさんの湖に行く!!」
「・・・は?」
「耳飾りを沈めるところまで行って、帰ってきてからなら行っていいよ!」
「いやいやいや・・・」
「じゃあ明日行こ!もう夜遅いし・・・明日ね!!わかった?」
「・・・。」
ここまで言ったら梃子でも動かないアイビー。
誰に似たんだかとため息を漏らしながら、了承するしかなかった。
「はぁー・・・わかったわかった。」
こうして俺たちはリナリアの湖に行くことが決まり、布団に入った。
アイビーに話したことで懐かしいことを思い出した俺は、なかなか眠りにつけない。
(あの時俺が『行くな』って止めてたら・・・もしくは次の乗り合い馬車に乗るように勧めてたら・・・リナリアは生きていたのかもしれないな・・・。)
後悔は先にはできないもの。
起こってしまってからのことだから後悔になる。
(あの世に行ったら、求婚してやる。)
そう決めて俺は無理矢理目を閉じて眠りについていった。
リナリアが旅立ってから一年の時間が流れたとき、ニゲラが血相を変えて俺の家に飛び込んできた。
「シャガ・・!大変だ!!」
「どうした?」
「リナリアが乗った乗り合い馬車が・・・山崩れに巻き込まれた!!」
「!?」
まだ駆け出しの学者をしていたニゲラは、なんとか成果をだそうと山を10ほど離れたところで調査をしていた。
その時、乗り合い馬車が山崩れに巻き込まれたという話を聞いたらしいのだ。
「いつだ!!いつの話だ!?」
「俺が向こうで聞いて、こっちに戻ってくるまでだから10か月だ!」
「10か月・・・・確かリナリアは山二つ向こうって言ってた・・・。」
この辺りの山は一つ越えるのにだいたいひと月かかる。
山二つ向こうで乗り合い馬車に乗ったとしたら、計算が合ってしまうのだ。
「乗り合い馬車は滅多にない。・・・リナリアの馬車で間違いないだろう。」
ニゲラはその事故のことを詳しく調べてから戻ってきたようで、細かく話してくれた。
山全体が地滑りを起こして巻き込まれた馬車は全部で5台。
連なって移動していた時に巻き込まれたらしいのだ。
「最後の馬車は半分だけ埋まったらしくて助け出されたらしいんだ。」
「!!・・・その中にリナリアがいた可能性は!?」
そう聞くとニゲラは悲しそうな顔をしてゆっくり首を横に振った。
「助け出されたのは全員男だったらしい。ケガが酷いようで、みんなどこかに運ばれたって聞いた。」
「男・・・。」
「中にはもう足が使い物にならなくなった人もいるらしくて、病院を転々をしながら治療をしてるって。」
「そうなのか・・・。」
半分巻き込まれただけでそれだけの大けがだ。
全部巻き込まれて助けてもらえなかった人たちは・・・もう命がないだろう。
「それ・・どこの山だ?」
「え?」
「教えてくれ、どこの山だ!?」
「まさかお前・・・行く気か!?」
「俺の足だったら半月で着く・・!言え!どこの山だ!?」
ニゲラの胸ぐらをつかみ上げて聞くと、ニゲラは苦しそうに答えた。
「東の山二つ向こうだ・・・!地滑りした跡はわかるだろう・・・っ!」
「わかった。」
俺はニゲラから手を離し、鞄に荷物を詰め込んだ。
少しの携帯食と、服を二枚だ。
「今から行く気か!?」
「生きてるなら早い方がいい。」
「生きてるわけないだろう!?もう一年近く経つんだぞ!?」
「それでも可能性はゼロじゃない。」
反対するニゲラを置いて、俺は家を飛び出した。
走り慣れた山を抜けるのは早く、一つ目の山を越えるのにそう時間はかからない。
「待ってろリナリア・・!迎えに行くから・・・!!」
ーーーーー
俺が家を飛び出してからひと月の時間が流れたころ、俺は乗り合い馬車が巻き込まれた地滑りの現場に足を踏み入れていた。
ここまでほぼ休憩せずに走ってきて、服は汗でびしょびしょだ。
「リナリアーっ・・!リナリアーっ・・!!」
叫びながら斜面を滑っていく。
すると巻き込まれた乗り合い馬車の一部が地面から露出してるところを見つけた。
「リナリア・・・!?」
何か手掛かりがあるんじゃないかと思ってそこに向かう。
すると壊れた馬車が土の中に半分埋まるようにしてあったのだ。
どうやらこの馬車が最後尾の『助け出された馬車』らしい。
「この馬車がここにあるっていうことは・・・この向こうに他の馬車が・・・?」
そう思って視線を先に向けると、土しか視界には入らなかった。
他の馬車たちは地中深くに埋まってるようだ。
「巻き込まれてしまったのか・・・?リナリア・・・。」
頭のどこかでは『リナリアは死んだ』と理解していた。
ただ心が追い付かなくて・・・自分の目で確認しに来たのだ。
「!・・・あれは・・?」
辺りを見回したとき、斜面の上の方で何かが光ったのが見えた。
気になって見に行くと、そこには・・・・
「!?・・・俺の耳飾り・・・」
そう、そこにあったのは俺がリナリアにつけた柄のない赤い耳飾りだったのだ。
転がり落ちるときに外れて・・・耳飾りだけ放り出されてしまったようだ。
「俺に・・・俺に諦めさせるためなのか・・・?もうリナリアが地中深くにいる証として・・・神はこの耳飾りを俺に見つけさせたのか!?」
俺はその耳飾りを両手で包み込み、その場に崩れ落ちた。
「うわぁぁぁぁ・・・・!!」
悲しみに暮れ、俺はその場で泣き続けた。
流れる涙は枯れることを知らず、いつまでも流れていく。
地面にあった土はどんどん濡れていき、気がつけば陽は暮れ、沈み、暗闇になり、また陽が昇り・・・
それを三日ほど繰り返して、俺はとぼとぼと歩き出した。
ここに留まっていてもリナリアは戻らない。
なら家に戻り、リナリアを想いながら人生が終わるその時まで過ごそうと思ったのだ。
ーーーーー
「・・・そのあとに私がこっちの世界に来たの?」
「そうだ。あのあと・・・しばらくして俺が立ち直ってからだな。」
そう聞くアイビーに、俺は棚から包みを取り出して見せた。
二つの赤い耳飾りだ。
「これ・・・!」
「一つは柄が無いだろ?もう一つは柄がある。」
「ほんとだ・・・。」
「これを・・・リナリアの湖に入れてこようと思ってな、支度してたんだ。お前ももうニゲラと暮らしてるし。」
「そうだったんだ・・・。」
「あぁ。で、そのまま旅に出ようと思う。」
一つの区切りとして考えていたことだった。
この耳飾りをリナリアの湖に沈め、俺も旅に出ようと思ったのだ。
リナリアが見たがっていたものを俺の目で見て、死んだら・・・リナリアに教えてやろうと思ったのだ。
「とぅさんが旅!?」
「そうだ。戻ってくるつもりだが・・・それはいつになるかわからない。お前には置手紙していこうかと思ってたんだがな。」
そう言ってアイビーの頭を撫でると、アイビーは拗ねたような表情を見せた。
「私に黙っていくとか・・・そんなの許さないもん。」
「そんな拗ねるなって。孫の顔は見たいからちゃんと戻ってくるつもりだから。」
「むぅ・・・。」
拗ねるアイビーをなだめるようにして頭を撫でていく。
するとアイビーはとんでもないことを俺に言ったのだ。
「私もリナリアさんの湖に行く!!」
「・・・は?」
「耳飾りを沈めるところまで行って、帰ってきてからなら行っていいよ!」
「いやいやいや・・・」
「じゃあ明日行こ!もう夜遅いし・・・明日ね!!わかった?」
「・・・。」
ここまで言ったら梃子でも動かないアイビー。
誰に似たんだかとため息を漏らしながら、了承するしかなかった。
「はぁー・・・わかったわかった。」
こうして俺たちはリナリアの湖に行くことが決まり、布団に入った。
アイビーに話したことで懐かしいことを思い出した俺は、なかなか眠りにつけない。
(あの時俺が『行くな』って止めてたら・・・もしくは次の乗り合い馬車に乗るように勧めてたら・・・リナリアは生きていたのかもしれないな・・・。)
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