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第2話
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妹のローサは自由奔放な性格で縛られる生活を嫌うところがあって、悪く言えば少し我儘なところや世間知らずでもあったが、とても仲が良い姉妹でした。ところがリチャードと付き合い出してから次第に不仲になっていく。
「正直に申しますけど別れたほうがいいんじゃないかしら」
「どうしてそんなことを言うのですか?」
「ローサが苦労すると思うからです」
「お姉様はリチャードの良さが分かってないようですね」
クレアは大切に思っているローサを守ろうとするために、何とか説得して交際をやめさせたかったのです。再三にわたって説得を続けますが無駄であろうと感じた。
リチャードのことを素晴らしい男だと褒め称えて、クレアの意見に耳を傾けようとしないのです。そればかりか真っ向から反論してくる。
うっとりと夢見心地の顔をしていたローサは、まるで魔法にかかったみたいでした。リチャードという見た限りでは格好いいが、内面的に評価すると粗野で下品なのが特徴の男に惚れてしまったのだ。
「ローサは真剣に愛しているの?」
「もちろんです。結婚も考えています」
やはり何かおかしな薬でも盛られたのではないか?クレアは重ねて確認するように、そんな考えを巡らせながら問いかけた。
ローサは真面目な顔でリチャードと結婚したいと強く主張した。心の奥で互いに愛し合っているならば当然のことである。
「そうですか……」
なるほどねえ、口元を引き締めてそんな感じで頷きますがクレアの本音は、冗談じゃないという気持ちでした。
あんな男が義理の弟になって、これから先、事あるごとに顔を合わせて身内同然の付き合いをしていかなければならないのか?無理ですけどね、クレアは困った顔のまま固まってそう思う。
「お姉様の言う通り私も最初は、言葉遣いが悪くてだらしない男だと思いました。でも話しているうちに直ぐに誤解だと気がついて自分を恥じたのです」
ローサは最初にリチャードと出会った時は、姉のクレアと同じような印象を抱いたと答える。ところが自分の早とちりを悟って顔から火がでる思いだったと言う。
それほどまで好きなら、何を言っても通じないような気がした。不幸な結婚生活という報いを受けないとローサは分からないみたいです。完全にクレアは説得を諦めてしまった。
そして交際期間が三ヶ月で結婚が決まるというかなりのスピード婚だった。その結婚披露パーティーが伯爵家のリチャードの邸宅で華々しく行われる。出席者は皆この上なく幸せそうな顔をしていた。
「正直に申しますけど別れたほうがいいんじゃないかしら」
「どうしてそんなことを言うのですか?」
「ローサが苦労すると思うからです」
「お姉様はリチャードの良さが分かってないようですね」
クレアは大切に思っているローサを守ろうとするために、何とか説得して交際をやめさせたかったのです。再三にわたって説得を続けますが無駄であろうと感じた。
リチャードのことを素晴らしい男だと褒め称えて、クレアの意見に耳を傾けようとしないのです。そればかりか真っ向から反論してくる。
うっとりと夢見心地の顔をしていたローサは、まるで魔法にかかったみたいでした。リチャードという見た限りでは格好いいが、内面的に評価すると粗野で下品なのが特徴の男に惚れてしまったのだ。
「ローサは真剣に愛しているの?」
「もちろんです。結婚も考えています」
やはり何かおかしな薬でも盛られたのではないか?クレアは重ねて確認するように、そんな考えを巡らせながら問いかけた。
ローサは真面目な顔でリチャードと結婚したいと強く主張した。心の奥で互いに愛し合っているならば当然のことである。
「そうですか……」
なるほどねえ、口元を引き締めてそんな感じで頷きますがクレアの本音は、冗談じゃないという気持ちでした。
あんな男が義理の弟になって、これから先、事あるごとに顔を合わせて身内同然の付き合いをしていかなければならないのか?無理ですけどね、クレアは困った顔のまま固まってそう思う。
「お姉様の言う通り私も最初は、言葉遣いが悪くてだらしない男だと思いました。でも話しているうちに直ぐに誤解だと気がついて自分を恥じたのです」
ローサは最初にリチャードと出会った時は、姉のクレアと同じような印象を抱いたと答える。ところが自分の早とちりを悟って顔から火がでる思いだったと言う。
それほどまで好きなら、何を言っても通じないような気がした。不幸な結婚生活という報いを受けないとローサは分からないみたいです。完全にクレアは説得を諦めてしまった。
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