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第5話 悪魔たちは喜び合う
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「レイチェルか、悪いが今は明るく話ができそうもない。無能な姉がダニエル殿下に婚約解消を言い渡されたのだからな」
ジョセフは最初こそ驚いたが、冷静になるとふてくされた気持ちになって言う。レイチェルは気分が良さそうだが、こっちはアンナから婚約破棄をされたと聞いて不機嫌だというのに。ジョセフは眉をしかめて憂鬱そうな顔をする。
「そのことなら何も心配ありませんわ」
「どういうことなの?」
レイチェルは何も問題ないと笑顔を見せて晴れ晴れとした声で言う。王家と公爵家の婚約が白紙に戻され落ち込んでいる様子の母スザンナは、顔をあげるとレイチェルの方を向いて尋ねた。
「僕が聖女であるレイチェルと結婚するからですよ」
「ダニエル殿下!?」
すると、レイチェルの後ろから声が聞こえてスザンナの質問の答えを口にした。ダニエルであった。ダニエルの登場は予想外で、ジョセフとスザンナは衝撃を受けたように驚いていた。アンナは反応することはなく悲しい顔で黙って見ていた。
「アンナから聞いてなかったのかな?」
ダニエルはアンナを見て、いじわるな含み笑いを浮かべて言う。婚約破棄されたことは報告したみたいだけど、その後にレイチェルとの婚約を宣言したことは言わなかったのかと、何気なく口から出た言葉であった。
「自分の誕生日で妹に婚約者を取られたなんて、恥ずかしくて言えなかったんじゃないかしら?」
レイチェルも同じように、かすかな冷笑を唇に作りアンナのことを見ながらからかうように言った。二人から軽蔑するようなまなざしで見下すような態度をとられても、アンナは反応することもなく自分は貝だと思って黙っていた。
実はアンナの誕生日に婚約破棄することは、ダニエルとレイチェルによって仕組まれていた。誕生日にアンナに赤っ恥をかかせてやろうと思い切った大胆な計画を立てた。どこまでも意地の悪い性格で救いようのない愚かな人間だ。
「それもそうか」
「お姉様は無能の家事のくせにプライドだけは一人前ですからね。困ったものだわ」
「あはははは」
「うふふふふ」
レイチェルの言葉を聞いたダニエルは理解して頷いていた。さらにレイチェルは、アンナのことを取るに足らないものでも見るような冷たい視線で眺めて、虚栄心が強く複雑な性格の持ち主だと悪意ある発言した。ダニエルは思わず吹き出すと腹を抱えて笑う。レイチェルのほうも気持ちよさそうに笑っていた。
「あの、ダニエル殿下はレイチェルと婚約したということでよろしいので……?」
二人は互いに納得し合って、頭の悪い猿のように調子に乗ってふざけて騒いでいると、ジョセフが疑いの表情で確かめるように尋ねた。
「その通りだ、僕は聖女レイチェルと結婚する!」
「おお!」
「なんて素晴らしいことなの!」
ダニエルは改めて熱を込めて言った。ジョセフとスザンナは嬉しそうに目を輝かす。先ほどまで落ち込んでいたのが嘘のように、愉快そうな顔つきで諸手を上げて喜んでいる。アンナからダニエルに婚約破棄されたと聞いて、一方的な事とは言え家名を貶めることになると、一時は頭の中が真っ白になっていたジョセフとスザンナは安堵感が胸の中に広がっていた。
ジョセフは最初こそ驚いたが、冷静になるとふてくされた気持ちになって言う。レイチェルは気分が良さそうだが、こっちはアンナから婚約破棄をされたと聞いて不機嫌だというのに。ジョセフは眉をしかめて憂鬱そうな顔をする。
「そのことなら何も心配ありませんわ」
「どういうことなの?」
レイチェルは何も問題ないと笑顔を見せて晴れ晴れとした声で言う。王家と公爵家の婚約が白紙に戻され落ち込んでいる様子の母スザンナは、顔をあげるとレイチェルの方を向いて尋ねた。
「僕が聖女であるレイチェルと結婚するからですよ」
「ダニエル殿下!?」
すると、レイチェルの後ろから声が聞こえてスザンナの質問の答えを口にした。ダニエルであった。ダニエルの登場は予想外で、ジョセフとスザンナは衝撃を受けたように驚いていた。アンナは反応することはなく悲しい顔で黙って見ていた。
「アンナから聞いてなかったのかな?」
ダニエルはアンナを見て、いじわるな含み笑いを浮かべて言う。婚約破棄されたことは報告したみたいだけど、その後にレイチェルとの婚約を宣言したことは言わなかったのかと、何気なく口から出た言葉であった。
「自分の誕生日で妹に婚約者を取られたなんて、恥ずかしくて言えなかったんじゃないかしら?」
レイチェルも同じように、かすかな冷笑を唇に作りアンナのことを見ながらからかうように言った。二人から軽蔑するようなまなざしで見下すような態度をとられても、アンナは反応することもなく自分は貝だと思って黙っていた。
実はアンナの誕生日に婚約破棄することは、ダニエルとレイチェルによって仕組まれていた。誕生日にアンナに赤っ恥をかかせてやろうと思い切った大胆な計画を立てた。どこまでも意地の悪い性格で救いようのない愚かな人間だ。
「それもそうか」
「お姉様は無能の家事のくせにプライドだけは一人前ですからね。困ったものだわ」
「あはははは」
「うふふふふ」
レイチェルの言葉を聞いたダニエルは理解して頷いていた。さらにレイチェルは、アンナのことを取るに足らないものでも見るような冷たい視線で眺めて、虚栄心が強く複雑な性格の持ち主だと悪意ある発言した。ダニエルは思わず吹き出すと腹を抱えて笑う。レイチェルのほうも気持ちよさそうに笑っていた。
「あの、ダニエル殿下はレイチェルと婚約したということでよろしいので……?」
二人は互いに納得し合って、頭の悪い猿のように調子に乗ってふざけて騒いでいると、ジョセフが疑いの表情で確かめるように尋ねた。
「その通りだ、僕は聖女レイチェルと結婚する!」
「おお!」
「なんて素晴らしいことなの!」
ダニエルは改めて熱を込めて言った。ジョセフとスザンナは嬉しそうに目を輝かす。先ほどまで落ち込んでいたのが嘘のように、愉快そうな顔つきで諸手を上げて喜んでいる。アンナからダニエルに婚約破棄されたと聞いて、一方的な事とは言え家名を貶めることになると、一時は頭の中が真っ白になっていたジョセフとスザンナは安堵感が胸の中に広がっていた。
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