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第50話 元婚約者の後悔と反省3
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「ダニエル殿下が苦戦なさったスライムというのは、希少種ですか? もしくは特殊個体ではないのですか?」
ジョセフは真面目くさった顔で言う。魔物には稀に希少種と呼ばれる存在がいる。ただの色違いであったり変異種みたいなもの。見た目は通常種と似ているようでも様々な能力が上昇している場合もある。名前の通り遭遇する確率が限りなく低い。
特殊個体は通常種が何らかの基準値をクリアすると、通常種を遥かに上回る存在に変化を遂げたもの。基本的な能力の上昇に理性を失い残忍で凶暴化している場合が多い。
希少種は戦闘になっても逃げに徹することもあるが、特殊個体は好戦的で積極的に向かってくる。ジョセフは普通と変わったスライムなので、ダニエルが思い通りに戦いを進められなくて手を焼いたんじゃありませんかと尋ねた。
「あとで専門家に調べさせたが普通のスライムだった」
ダニエルは普通のスライムだったと返答した。まだ幼い子供に体が衰弱している老人にもスライムは簡単に倒せるのに、ダニエルは恥ずかしげもなくジョセフを真剣な目で見つめて気取った態度で足を組んだ。
まともな感覚を持つ人間なら、普通のスライムに手痛い敗北を喫したら困ったように頭をかいたり、気まずそうな顔で視線をさまよわせる。または顔から火がでる思いで穴があったら入りたいような気持ちになるのではなかろうか。
「そうですか……」
ジョセフは困った顔のまま、精神的に弱っている感じの声で応じた。ダニエルは洞窟で普通のスライムと遭遇して殺されかけたと言った。予想をずっと上回るダニエルの弱さにジョセフは思考が止まっていた。
(うわっ……ダニエル様、弱すぎ……?)
スザンナ夫人とレイチェルも口を開けて呆れたような表情になっていた。スライムに負けるなんて弱いにも程があると、レイチェルは心の中で大きなショックを受ける。
当然の如く気まずい雰囲気になって、しばらく沈黙が部屋を満たした。
「――アンナがいなくなってから弱くなった気がする。アンナが『パワースポット』に思えてならないんだ」
重苦しい空気の中でダニエルが口を開いた。アンナが関係しているのではないかとダニエルは直感的にそう思った。アンナがいなくなってから急に力を失ってしまった。以前は体の周囲には神秘的なオーラが揺らめいていたが今は全く感じられない。ダニエルはアンナがパワースポットの役割を果たしていたのではないかと言った。
「私も最近になって魔力が急激に落ちたが……? まさかアンナが……!?」
ジョセフはダニエルの言葉を聞いて頭に閃いたことがあった。ジョセフの職業は妖術師で怪しげな魔法を得意とする。魔法を使う職業では中位くらい。
ジョセフは最近、魔力がガタ落ちした。以前のように神秘的なオーラを体に感じなくなった。アンナを追放してから公爵家で様々な問題が発生した。食事に掃除など家事全般をアンナがたった一人でこなしていた。だが、それだけではなかった。
アンナは家事がレベルアップした時に、身体能力や家事の技能が上がるだけでなく様々な特別な能力が自動的に与えられる。ダニエルの言った通りアンナ自身がパワースポットで、周囲にいる人たちの身体能力に魔力などあらゆる能力を格段に向上させていた。
「私もだわ! アンナがいなくなってから歌と踊りが、ひどくお粗末なものになって……」
スザンナ夫人は次の瞬間、ハッとした顔で頭の中の霧が晴れた心地だった。スザンナの職業はアイドルスター。歌と踊りが得意。若い頃は美人で可愛いとチヤホヤされて、いつも歌が口をついて出て蝶のように軽やかに舞って周りを魅了していた。
スザンナは悩んでいた謎が解けて安らかな気持ちになる。ほのぼのとした顔で微笑みを浮かべていた。
ジョセフは真面目くさった顔で言う。魔物には稀に希少種と呼ばれる存在がいる。ただの色違いであったり変異種みたいなもの。見た目は通常種と似ているようでも様々な能力が上昇している場合もある。名前の通り遭遇する確率が限りなく低い。
特殊個体は通常種が何らかの基準値をクリアすると、通常種を遥かに上回る存在に変化を遂げたもの。基本的な能力の上昇に理性を失い残忍で凶暴化している場合が多い。
希少種は戦闘になっても逃げに徹することもあるが、特殊個体は好戦的で積極的に向かってくる。ジョセフは普通と変わったスライムなので、ダニエルが思い通りに戦いを進められなくて手を焼いたんじゃありませんかと尋ねた。
「あとで専門家に調べさせたが普通のスライムだった」
ダニエルは普通のスライムだったと返答した。まだ幼い子供に体が衰弱している老人にもスライムは簡単に倒せるのに、ダニエルは恥ずかしげもなくジョセフを真剣な目で見つめて気取った態度で足を組んだ。
まともな感覚を持つ人間なら、普通のスライムに手痛い敗北を喫したら困ったように頭をかいたり、気まずそうな顔で視線をさまよわせる。または顔から火がでる思いで穴があったら入りたいような気持ちになるのではなかろうか。
「そうですか……」
ジョセフは困った顔のまま、精神的に弱っている感じの声で応じた。ダニエルは洞窟で普通のスライムと遭遇して殺されかけたと言った。予想をずっと上回るダニエルの弱さにジョセフは思考が止まっていた。
(うわっ……ダニエル様、弱すぎ……?)
スザンナ夫人とレイチェルも口を開けて呆れたような表情になっていた。スライムに負けるなんて弱いにも程があると、レイチェルは心の中で大きなショックを受ける。
当然の如く気まずい雰囲気になって、しばらく沈黙が部屋を満たした。
「――アンナがいなくなってから弱くなった気がする。アンナが『パワースポット』に思えてならないんだ」
重苦しい空気の中でダニエルが口を開いた。アンナが関係しているのではないかとダニエルは直感的にそう思った。アンナがいなくなってから急に力を失ってしまった。以前は体の周囲には神秘的なオーラが揺らめいていたが今は全く感じられない。ダニエルはアンナがパワースポットの役割を果たしていたのではないかと言った。
「私も最近になって魔力が急激に落ちたが……? まさかアンナが……!?」
ジョセフはダニエルの言葉を聞いて頭に閃いたことがあった。ジョセフの職業は妖術師で怪しげな魔法を得意とする。魔法を使う職業では中位くらい。
ジョセフは最近、魔力がガタ落ちした。以前のように神秘的なオーラを体に感じなくなった。アンナを追放してから公爵家で様々な問題が発生した。食事に掃除など家事全般をアンナがたった一人でこなしていた。だが、それだけではなかった。
アンナは家事がレベルアップした時に、身体能力や家事の技能が上がるだけでなく様々な特別な能力が自動的に与えられる。ダニエルの言った通りアンナ自身がパワースポットで、周囲にいる人たちの身体能力に魔力などあらゆる能力を格段に向上させていた。
「私もだわ! アンナがいなくなってから歌と踊りが、ひどくお粗末なものになって……」
スザンナ夫人は次の瞬間、ハッとした顔で頭の中の霧が晴れた心地だった。スザンナの職業はアイドルスター。歌と踊りが得意。若い頃は美人で可愛いとチヤホヤされて、いつも歌が口をついて出て蝶のように軽やかに舞って周りを魅了していた。
スザンナは悩んでいた謎が解けて安らかな気持ちになる。ほのぼのとした顔で微笑みを浮かべていた。
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