聖女の魔力を失い国が崩壊。婚約破棄したら、彼と幼馴染が事故死した。

佐藤 美奈

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3 浅はかな婚約者

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「私が偽の聖女などと誰が言っているのですか?」
「マリアだ!」
「え!?それはどうしてでしょうか?」
「マリアは全て分かっているのだ。それにマリアはお前よりも聖女としての才能がある!」

いくらクロエが説得してもガブリエルは聞く耳を持ちません。クロエのことを偽の聖女だと頭ごなしに言い張り会話もままならない。

今この国が平和になって豊かで食料が実り活気に溢れているのは、クロエが祈りを捧げて聖女の魔力をしっかり浸透させているおかげ。

クロエが祈りを放棄してしまえば、あっという間に破綻が生じて国が音を立てて崩れていく。作物が育たずに誰もがひもじい思いをすることになる。

現在はクロエの聖女の魔力によって国は結界に包まれて守られていますが、消滅すれば恐ろしい魔物も牙をむき国の人々が危険にさらされるでしょう。

「それに僕はお前と婚約したのも納得がいかなかった。どうして愛しているマリアと結ばれずにこんな女と生涯を添い遂げなければならないのかとね」
「前は私との婚約を切実に喜んでいたではありませんか?」
「そんなことはない!よくも誘惑して僕の心を好き勝手に弄んでくれたな!」

今となってはむしろこちらが思っている事です。昔はガブリエルを身に染みて愛していました。こんな素敵な人と婚約が決まりクロエは胸をときめかせていた。

ですが、マリアのお腹に新しい命が宿ったという話を聞かされた時に、もう踏ん切りをつけて前世では別れるしかありませんでした。

聖女の剥奪もそうです。この人は見てくれは容姿端麗でカッコいいけど、知性が足りない人だと気がつき始めたのです。

初恋ということもあり、付き合っている時はいつも彼のことを考えて情熱を傾けていたので、物分かりが悪いところも可愛らしく思えましたが……。

マリアとの浮気を何度も注意しているのに、繰り返したこともクロエは不信感を持つ。ガブリエルは根性が曲がっている人だと徐々に理解して、残念な気持ちで悲しみに耐える日々に疲れすぎていた。
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