「私も新婚旅行に一緒に行きたい」彼を溺愛する幼馴染がお願いしてきた。彼は喜ぶが二人は喧嘩になり別れを選択する。

佐藤 美奈

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第50話

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「ハリーよく娘を守ってくれましたね」
「奥様ありがとうございます!」

公爵邸に帰ってきてイリスのお見合いの話を聞いた夫人は、ハリーの頭を撫でて大いに褒められました。ハリーも心底嬉しそうに笑って言葉を返した。

お見合い相手の男は以前にイリスに口が臭いと言われて、半分泣きべそをかいてパーティーから逃げ出した。男の口臭が顔に吹きかかってイリスは耐えられなかったのです。それで今回のお見合いでは、口臭予防して臨みましたがイリスに顔が好みじゃないと冷たく言われて、震えながら目に涙を浮かべていた。

「イリスお嬢様は毅然きぜんとした顔になり相手の男に向かって顔がタイプじゃないと徹底的に打ちのめしました」
「さすが娘だわ!素晴らしいわね。ハリーもそう思うでしょ?」
「はい、私も最初に挨拶をしましたが、お見合い相手は見るからに浅ましい男で下品な冗談を言っていましたので腹立たしく思っていました。お嬢様の切れ味を感じさせる言葉をもろに食らった相手の驚きで歪んだ顔を見た時にはスカっといたしました」

イリスはハリーと付き合い始めましたから、勿論もちろんお見合い相手と交際を真剣に検討することもない。お見合いが始まったら真正面から容赦のない視線で睨みつけていた。元から好きではないのでイリスがそのような態度を取るのも仕方がない。さらに以前に男の息が臭くて気分が悪くなったことも思い出した。

今回は口臭予防をしてきたようだが、そんなことは最低限のマナーだし心の中を鬼にして好き放題言ってやった。イリスは母とハリーの会話を聞きながら、余裕そうに無邪気な笑顔を見せる。

「相手はハリーのことをしていましたね」

ふと思い出したという様子でイリスは口を開いた。ハリーは元王子なのでお見合い相手の男は収拾のつかぬ混乱ぶりであった。どうしてイリスといるのか?新婚旅行で喧嘩して離婚したのではないのか?という感じで終始動揺していたのです。

「そうでしたか?あの男がお嬢様に対して、にやりと口元に嫌らしい笑みを向けていた以外には、特に何も感じませんでしたが……」
「私たちが腕を組んで最初に挨拶した時、ほんとに意外という顔をしていたので私はつい笑いそうになったわ」

ハリーはかなり鈍感な人間なので、相手の男のことは何も感じなかったと言う。それでもバカなりに本能的な直感がはたらくことも事実で、男はイリスに良からぬ思いを抱いていたと口にする。

逆にイリスは状況を察知する能力が高いので、今は王族の地位から追放されていますが、ハリーがそのうち返り咲くことができるかもしれないとお見合い相手が思っていて、強気に出れなかった事も手に取るようにわかりました。

ハリーはこれからも、イリスを守り続けるつもりだ。

最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
この物語を、皆さまと共有できたことが何よりの幸せです。
またどこかの物語でお会いできますように。
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