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第2話
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「それなら二人でシャロンに会いに行きませんか?」
「セシリアは疑ってるのか?」
「その通りです」
「親友を裏切って彼女も苦しい思いを味わっているんだから、しばらくそっとしておこう」
彼の頭は大丈夫だろうか?セシリアは本気で心配しているという表情になる。どうにかしてヘンリーの目を覚まさせたいと思う。
セシリアは常識的な判断をして、二人でシャロンに会いに行って真実かどうか確認しましょうね?そう問いかけると、その必要はないとヘンリーは言い返す。
「ヘンリー自分勝手なこと言わないで!」
「シャロンに迷惑をかけるな!僕は運命を信じる!」
彼の身勝手な振る舞いに耐え切れなくなり、セシリアも声を限りに注意する。しかし人生を変える一生に一度の運命的な出会いをしたのだから、邪魔はするなとヘンリーは大きな声で叫ぶ。
頭ごなしに婚約破棄をすると話を切り上げたがるのです。それから数日後、セシリアは気になって仕方がなくてシャロンの家に行きました。そこでとんでもない現場を偶然目撃してしまい呆れ果てる。
「シャロン僕は君のことを愛してるんだよ」
「触らないで!」
「話を聞いてくれ!」
「嫌です。ヘンリー王子離してください!」
シャロン邸に到着して馬車を降りて歩いていたら、門前近くで何やら騒がしい声がする。ヘンリーがシャロンに泣きついていたのだ。
シャロンは、いかにも迷惑そうな口ぶりである。それとは逆に、へンリーのほうは何度もしつこく頼んでいる感じだった。
周りには当然お付きの人もいるけど、二人のことを困惑顔で眺めている。どうすればいいんだ?というふうに助けを求める目をして互いに顔を見合わせていた。
「ヘンリー何してるの!」
セシリアはたまらず口を挟む。シャロンとセシリアの二人は無二の親友の絆がある。その親友が困っているのに、ただ黙って眺めていることはできません。
やっぱりね……。最初は驚いていたセシリアも理解した。シャロンには同情するし、全くもってヘンリーの思い込みだったようです。
こうなってくるとヘンリーのことが可哀想になってくるし、何て情けない男と婚約してたんだとセシリアは気持ちが冷めていく。
「セシリア?」
シャロンの足元にまとわりついていたヘンリーが、思わず間抜けな声をあげて反応した。同時にシャロンは腹立たしげに振り払って、親友に視線を向けると駆け寄って抱きついた。
「大丈夫シャロン」
怪我はない?二人は互いに抱擁し合って離れると、セシリアはシャロンに気遣う言葉をかける。
「セシリアは疑ってるのか?」
「その通りです」
「親友を裏切って彼女も苦しい思いを味わっているんだから、しばらくそっとしておこう」
彼の頭は大丈夫だろうか?セシリアは本気で心配しているという表情になる。どうにかしてヘンリーの目を覚まさせたいと思う。
セシリアは常識的な判断をして、二人でシャロンに会いに行って真実かどうか確認しましょうね?そう問いかけると、その必要はないとヘンリーは言い返す。
「ヘンリー自分勝手なこと言わないで!」
「シャロンに迷惑をかけるな!僕は運命を信じる!」
彼の身勝手な振る舞いに耐え切れなくなり、セシリアも声を限りに注意する。しかし人生を変える一生に一度の運命的な出会いをしたのだから、邪魔はするなとヘンリーは大きな声で叫ぶ。
頭ごなしに婚約破棄をすると話を切り上げたがるのです。それから数日後、セシリアは気になって仕方がなくてシャロンの家に行きました。そこでとんでもない現場を偶然目撃してしまい呆れ果てる。
「シャロン僕は君のことを愛してるんだよ」
「触らないで!」
「話を聞いてくれ!」
「嫌です。ヘンリー王子離してください!」
シャロン邸に到着して馬車を降りて歩いていたら、門前近くで何やら騒がしい声がする。ヘンリーがシャロンに泣きついていたのだ。
シャロンは、いかにも迷惑そうな口ぶりである。それとは逆に、へンリーのほうは何度もしつこく頼んでいる感じだった。
周りには当然お付きの人もいるけど、二人のことを困惑顔で眺めている。どうすればいいんだ?というふうに助けを求める目をして互いに顔を見合わせていた。
「ヘンリー何してるの!」
セシリアはたまらず口を挟む。シャロンとセシリアの二人は無二の親友の絆がある。その親友が困っているのに、ただ黙って眺めていることはできません。
やっぱりね……。最初は驚いていたセシリアも理解した。シャロンには同情するし、全くもってヘンリーの思い込みだったようです。
こうなってくるとヘンリーのことが可哀想になってくるし、何て情けない男と婚約してたんだとセシリアは気持ちが冷めていく。
「セシリア?」
シャロンの足元にまとわりついていたヘンリーが、思わず間抜けな声をあげて反応した。同時にシャロンは腹立たしげに振り払って、親友に視線を向けると駆け寄って抱きついた。
「大丈夫シャロン」
怪我はない?二人は互いに抱擁し合って離れると、セシリアはシャロンに気遣う言葉をかける。
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