王子が親友を好きになり婚約破棄「僕は本当の恋に出会えた。君とは結婚できない」王子に付きまとわれて迷惑してる？衝撃の真実がわかった。

第3話

「セシリア……ヘンリー王子ってあなたの婚約者よね？」
「迷惑かけてごめんなさい」

シャロンもこの前の婚約披露パーティーに出席しているので、当たり前のようにヘンリーがセシリアの婚約者だと分かっている。

それなのにどうして自分に熱心に求愛してくるのか？という気持ちで理解できなかった。私の婚約者の王子がすみませんね、セシリアはシャロンに深く反省し謝罪する事態になった。

「なんだか恥ずかしいところを見られてしまったな」
「シャロンはヘンリーのことを好きじゃないの！これで分かったでしょ？」
「そうみたいだね」

ヘンリーが気まずそうな様子でこっちのほうへ歩いてくると、みっともない姿を見られたと頭をかきながら言う。続けてセシリアが口を開く。あれだけ忠告したのに、何を一人で暴走してたのかと強く言い聞かせる。

するとヘンリーは納得したような言葉を発して、自分が間違っていたと自己反省をせざるを得なくなってきたのです。

「やっぱり僕にはセシリアしかいない。結婚しよう！」
「は？」

シャロンには恋人がいて深く愛し合っているので、ヘンリーとは交際するつもりもない。改めて説得されて一人で突っ走っていたことにようやく気づいたみたい。

ほんの数日前まで、シャロンへの愛を止められない。彼女の事しか考えらないとまで熱く語り婚約破棄を宣言しておきながらこれは許せません。

どういう訳かヘンリーはセシリアの手を握って、もう一度恋人関係をやり直そうと言った。そしてセシリアは呆れてものが言えなくなる。

「セシリア愛してるよ」
「ふざけないで！」
「え……？どうしてなんだ？」

この男はどういう神経してるんだよまったく。何が愛してるだ！ふざけるんじゃないよ。セシリアは断固拒否する姿勢を示した。

だがヘンリーは、理解できないような不思議な出来事だと思っている。なんで？そう言われても、いやいや、正式に婚約しているのに他の異性に目移りをする男なんて信頼できないよね。

そんな常識的なことも分からないのか？ヘンリーは頭がからっぽなんですか？セシリアはヘンリーを危険視し、じっと睨んでいた。

「無理な相談です」
「だから謝ってるじゃないか」
「裏切っておいてどの口が言うのですか」

セシリアはヘンリーのことを確かに好きで愛していましたが、別れる決心をした。いくら説得しても、ヘンリーは考えを変えなかったのです。

それどころかシャロンを真剣に思ってると熱弁をふるって、身ぶり手ぶり主張したのである。

最初は腹立たしさはありましたけど、戻ってくれるならそれでもいいと努力しましたが、セシリアの我慢も限界であった。

やがて気持ちが一気に崩れるように、そこまでシャロンのことが好きなら何かもういいですと、きっぱりと諦めてしまう。