17 / 332
16話 「お買い物」
しおりを挟む
片手で抱えれるぐらいの壺を持ち、店を後にする二人。
後ろで店主のまいどありと言った声が聞こえる。
「意外といろんな種類の油売ってたな」
そう言いながら加賀がもっていた壺をひょいと奪い取る八木。
「あ、ありがとー。 とりあえず食用にオーリブと大豆? の買ってみたけど石鹸もこれで作れるんだよね?」
「いけるいける、戻ったら早速作ってみるべ」
「それじゃーささっと残りの買い物も済ませて帰ろっか」
そう言いながら二人が入ったのは主に野菜を取り扱っているお店であった。
ちょうど収穫の時期が重なったのか、店には色とりどりな野菜が並んでいる。
「いらっしゃい~」
店に入ると店の奥から声が聞こえてくる。
加賀が声の方を向くとそこにはかなり高齢な老婆が椅子に座っていた。
体のどこかを悪くしているのだろう、その手元には杖が置かれている。
加賀は視線を再び野菜へと戻すと商品を指さし、欲しい商品を伝えていく。
「えっと…そこのトマトとジャガイモ一皿ずつと、コーンは4本ください。あと玉ねぎ2玉とにんじん2本、長ネギ1本…あ、ナスも1皿くださいな」
「ほいほい…えぇと全部で2000リアだねえ」
「はい! 2000リア~」
結構な量ではあったが、慣れているのだろう老婆はあっさり計算すると商品を袋につめ加賀へと手渡した。
「いっぱい買っとくれてありがとうねえ、これおまけだから持っていくとええ」
「わっ、そんなにいっぱい! ありがとうございます!」
「ほっほっほっ、うちのじっさまが作った野菜だからのう、美味しいで一杯食べてくんろ」
「ありがとーおばあちゃん! また来ますね!」
野菜を購入しおまけも大量にもらった加賀はかなりご機嫌だ、思わず鼻歌を口ずさむ。
そんな加賀に八木が後ろから声をかける。
「加賀~」
「うん?」
「だいぶ買い物したけど、他に買うのあるんか~?」
「んー、あとは卵とお肉と鶏ガラとー…売ってれば香辛料も欲しいんだけど、お店ないんだよー」
街の中央付近からバクスの家に戻る途中には様々な店があった。
雑貨屋、材木屋、八百屋、魚屋、チーズ等の保存食を扱う店、衣料関係のお店、酒屋等々。
だが残念ながら今の時点では香辛料を扱っている店は見つかっていなかった。
「確かになあ、いろんな店あったけど香辛料扱ってるとこは無かったなあ」
「ここから先にあるお店はー、バクスさん家の近所にあったお肉屋さんぐらいかな」
「とりあえず、肉屋の店主……なんつったっけ、店主に聞いてみたらどうだ? もしかすっと心当たりあるかもしれねーぞ」
「ハンズさんだったかな。うん、そーだねダメ元で聞いてみるとするよー」
「そんなわけでハンズさん知りませんかー?」
「どんなわけだよっ つか何をだっ」
話してる最中に店へとたどり着いていた二人は店内に入ると同時にこちらに気が付いたハンズへと質問を投げかける、が反ってきたのは突っ込みであった。
店に入るなり知りませんか?と聞かれても何のことだか分かるわけもなく、当然の反応だろう。
そんなハンズには加賀は冗談ですよーと言いながら訳を話していく。
「…と言うわけで香辛料を探しているんですが、何か心当たりないでしょうか? あ、その卵とお肉ください。あと鶏ガラも」
「香辛料ねえ…っと先に会計済ませちまうか。卵と肉の代金で1000リアだよ、鶏ガラは売れないし別にタダでいい。……うん1000リア確かに受け取ったよ。んで、香辛料だったが」
加賀から代金を受け取り商品を受け渡すとハンズは腕を組んでうーんと唸りだしてしまう。
やがて何か思い出したのか手をぽんと叩くと何やらごそごそと棚をあさりはじめる。
「おー、あったあった! これ確か香辛料のはずだぜ!」
そういってハンズが加賀へと見せたのは手のひらに乗る程度の蓋つきの容器であった。
ハンズに許可をとった加賀が蓋を開けると中には黒くて小さな丸い粒が容器いっぱいに詰まっていた。
その見た目と香りから加賀はこれが黒胡椒だろうとあたりをつけたようだ。
「これってたぶん黒胡椒…かな」
「そうそう! これを売ってたやつもそんなこと言ってたな! んで、それが目当てのものでよかったのかい?」
「はい、そうです。他にもいろいろあるんですが、とりあえず一番欲しかったのはこれです…あの、これって売ってもらえたりするんでしょうか?」
そう加賀が…意識しての事ではないだろうが上目遣いでハンズへと聞くと、ハンズは少しどもりながらも答えた。
「お、おう! 別にいいよ! 使ってないしな!」
「そーなんですか?」
「おうよ、肉の保存にいいって聞いて買ったんだけどさ、保存する分にはダンジョン産の冷凍庫で事足りるし、ためしにかじってみたらえらい辛いわでな、とても使えたもんじゃねー。南の方じゃこの手のいっぱい使って料理作るらしいけど……少なくともこの国じゃあんま使わないし、売れないんだわ。かと言って捨てるには勿体ないしとりあえず棚に放り込んでおいたんよ」
「なるほどー……良ければ売ってもらいたいんですけど、おいくらぐらいするんでしょうか?」
加賀の質問に少しでれっとしながら別に良いと言うハンズだが、加賀も負けじと支払いますと言う。
少しの間タダで良いと支払うとで話は平行線を辿ったがハンズが折れたようで、ならこいつを購入した価格で良いと言う話にまとまったようだ。
「それじゃこれ代金の10000リアです。あのこれってどこで購入したんでしょうか? この街では見かけなかったんですけど」
「ああ、そいつは西に馬車で二日ほど行くとトゥラウニって港町あるんだけどな、そこで異国の商人から買ったんだよ。もしもっと欲しいんならそこに行きゃまた売ってるんでねーかな?」
客入ってなかったから潰れてるかもしれねーけどなと笑いながら話すハンズにお礼を言うと、二人を店を後にした。
後ろで店主のまいどありと言った声が聞こえる。
「意外といろんな種類の油売ってたな」
そう言いながら加賀がもっていた壺をひょいと奪い取る八木。
「あ、ありがとー。 とりあえず食用にオーリブと大豆? の買ってみたけど石鹸もこれで作れるんだよね?」
「いけるいける、戻ったら早速作ってみるべ」
「それじゃーささっと残りの買い物も済ませて帰ろっか」
そう言いながら二人が入ったのは主に野菜を取り扱っているお店であった。
ちょうど収穫の時期が重なったのか、店には色とりどりな野菜が並んでいる。
「いらっしゃい~」
店に入ると店の奥から声が聞こえてくる。
加賀が声の方を向くとそこにはかなり高齢な老婆が椅子に座っていた。
体のどこかを悪くしているのだろう、その手元には杖が置かれている。
加賀は視線を再び野菜へと戻すと商品を指さし、欲しい商品を伝えていく。
「えっと…そこのトマトとジャガイモ一皿ずつと、コーンは4本ください。あと玉ねぎ2玉とにんじん2本、長ネギ1本…あ、ナスも1皿くださいな」
「ほいほい…えぇと全部で2000リアだねえ」
「はい! 2000リア~」
結構な量ではあったが、慣れているのだろう老婆はあっさり計算すると商品を袋につめ加賀へと手渡した。
「いっぱい買っとくれてありがとうねえ、これおまけだから持っていくとええ」
「わっ、そんなにいっぱい! ありがとうございます!」
「ほっほっほっ、うちのじっさまが作った野菜だからのう、美味しいで一杯食べてくんろ」
「ありがとーおばあちゃん! また来ますね!」
野菜を購入しおまけも大量にもらった加賀はかなりご機嫌だ、思わず鼻歌を口ずさむ。
そんな加賀に八木が後ろから声をかける。
「加賀~」
「うん?」
「だいぶ買い物したけど、他に買うのあるんか~?」
「んー、あとは卵とお肉と鶏ガラとー…売ってれば香辛料も欲しいんだけど、お店ないんだよー」
街の中央付近からバクスの家に戻る途中には様々な店があった。
雑貨屋、材木屋、八百屋、魚屋、チーズ等の保存食を扱う店、衣料関係のお店、酒屋等々。
だが残念ながら今の時点では香辛料を扱っている店は見つかっていなかった。
「確かになあ、いろんな店あったけど香辛料扱ってるとこは無かったなあ」
「ここから先にあるお店はー、バクスさん家の近所にあったお肉屋さんぐらいかな」
「とりあえず、肉屋の店主……なんつったっけ、店主に聞いてみたらどうだ? もしかすっと心当たりあるかもしれねーぞ」
「ハンズさんだったかな。うん、そーだねダメ元で聞いてみるとするよー」
「そんなわけでハンズさん知りませんかー?」
「どんなわけだよっ つか何をだっ」
話してる最中に店へとたどり着いていた二人は店内に入ると同時にこちらに気が付いたハンズへと質問を投げかける、が反ってきたのは突っ込みであった。
店に入るなり知りませんか?と聞かれても何のことだか分かるわけもなく、当然の反応だろう。
そんなハンズには加賀は冗談ですよーと言いながら訳を話していく。
「…と言うわけで香辛料を探しているんですが、何か心当たりないでしょうか? あ、その卵とお肉ください。あと鶏ガラも」
「香辛料ねえ…っと先に会計済ませちまうか。卵と肉の代金で1000リアだよ、鶏ガラは売れないし別にタダでいい。……うん1000リア確かに受け取ったよ。んで、香辛料だったが」
加賀から代金を受け取り商品を受け渡すとハンズは腕を組んでうーんと唸りだしてしまう。
やがて何か思い出したのか手をぽんと叩くと何やらごそごそと棚をあさりはじめる。
「おー、あったあった! これ確か香辛料のはずだぜ!」
そういってハンズが加賀へと見せたのは手のひらに乗る程度の蓋つきの容器であった。
ハンズに許可をとった加賀が蓋を開けると中には黒くて小さな丸い粒が容器いっぱいに詰まっていた。
その見た目と香りから加賀はこれが黒胡椒だろうとあたりをつけたようだ。
「これってたぶん黒胡椒…かな」
「そうそう! これを売ってたやつもそんなこと言ってたな! んで、それが目当てのものでよかったのかい?」
「はい、そうです。他にもいろいろあるんですが、とりあえず一番欲しかったのはこれです…あの、これって売ってもらえたりするんでしょうか?」
そう加賀が…意識しての事ではないだろうが上目遣いでハンズへと聞くと、ハンズは少しどもりながらも答えた。
「お、おう! 別にいいよ! 使ってないしな!」
「そーなんですか?」
「おうよ、肉の保存にいいって聞いて買ったんだけどさ、保存する分にはダンジョン産の冷凍庫で事足りるし、ためしにかじってみたらえらい辛いわでな、とても使えたもんじゃねー。南の方じゃこの手のいっぱい使って料理作るらしいけど……少なくともこの国じゃあんま使わないし、売れないんだわ。かと言って捨てるには勿体ないしとりあえず棚に放り込んでおいたんよ」
「なるほどー……良ければ売ってもらいたいんですけど、おいくらぐらいするんでしょうか?」
加賀の質問に少しでれっとしながら別に良いと言うハンズだが、加賀も負けじと支払いますと言う。
少しの間タダで良いと支払うとで話は平行線を辿ったがハンズが折れたようで、ならこいつを購入した価格で良いと言う話にまとまったようだ。
「それじゃこれ代金の10000リアです。あのこれってどこで購入したんでしょうか? この街では見かけなかったんですけど」
「ああ、そいつは西に馬車で二日ほど行くとトゥラウニって港町あるんだけどな、そこで異国の商人から買ったんだよ。もしもっと欲しいんならそこに行きゃまた売ってるんでねーかな?」
客入ってなかったから潰れてるかもしれねーけどなと笑いながら話すハンズにお礼を言うと、二人を店を後にした。
25
あなたにおすすめの小説
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生小説家の華麗なる円満離婚計画
鈴木かなえ
ファンタジー
キルステン伯爵家の令嬢として生を受けたクラリッサには、日本人だった前世の記憶がある。
両親と弟には疎まれているクラリッサだが、異母妹マリアンネとその兄エルヴィンと三人で仲良く育ち、前世の記憶を利用して小説家として密かに活躍していた。
ある時、夜会に連れ出されたクラリッサは、弟にハメられて見知らぬ男に襲われそうになる。
その男を返り討ちにして、逃げ出そうとしたところで美貌の貴公子ヘンリックと出会った。
逞しく想像力豊かなクラリッサと、その家族三人の物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる