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61話 「デジャブ?」
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荷物を抱え上機嫌で飛び跳ねるように道を行くうーちゃん。行く先々で可愛いとほめられた上、商品をいくつかおまけして貰えたのだ。
街の中央部、総合ギルド前で立ち止まった二人はそれを微笑ましく眺めていた。
「うーちゃんご機嫌だねえ」
「ですねえ……あ、ちょっと待っててください、中のぞいてすぐ戻るんで」
「あ、はーい。うーちゃん戻っておいでー」
加賀に呼ばれとたとたと走り寄るうーちゃん。
うっ(つぎはどこにいくのだっ)
「ん、チェスターさん戻ったら聞いてみよかー。特になければ残りの買い物すませて帰るかなー……あ、戻ってきた。ほんとにすぐだった」
近寄ってきたうーちゃんを捕まえその手触りを堪能する加賀。
思っていた以上にすぐ戻ってきたチェスターをみて名残惜しそうに手を離す。
「やあ、お待たせしました」
「いえいえ、全然まってないですよー。用事は終わりましたか?」
「いえ、他のメンバーいるかと思ったんですがここではなかったようです……これからダンジョンを見に行こうかと思いますが加賀さんはどうしますか? あ、もちろん中には入りませんよ? 場所を確認したりするだけです」
チェスターの言葉を聞いてんーとかんがえこむ加賀。
加賀自身ダンジョンに対し興味が無いわけではない、ただ中に入ってどうこうするのは自分には無理と分かっているだけで、見てみたいという気持ちはそれなりにある。
「それじゃ一緒にいってのいいですか? 実はまだ見たことなくて……」
「ええ、もちろん。では行きましょうか」
ダンジョンは街の中央部南に進みもうすぐ壁に当たると行ったところに存在した。
ちょっとした広場の中心、そこに地面が隆起したかのように小山があり、北側の山肌にぽっかりと空いた穴がダンジョンの入り口となっている。
「わーこんな風になってたんだ……てか人おおいっ」
「もうダンジョンが復活した情報が正式に発信されましたし、ダンジョンの封鎖も解けましたからねえ……ダンジョンの入場待ちや他のメンバーとの待ち合わせだったり色々ですが、これからもっと増えてくると思いますよ?」
「うへー」
ダンジョンの入り口とそこに集まる人だかりを興味深げに見つめる加賀、ふと何かに気がついたのか首をかしげる。
「なんか以外と普通の人もいるんですねー。宿の人皆そうだし、ムキムキが普通かと思ったらそうでもないんだ」
「宿の人は高ランクしかいませんからね。駆け出しだとみんなあんなもんです。私たちと同じぐらいになるまでとなると相当な年月かかりますよ」
「へー……みんなどんなトレーニングしてるのかなあ」
自分の腕を見ながらため息交じりにそう呟く加賀。
買い物したり料理したりとそれなりに使っているはずなのに加賀の腕には一向に筋肉の付く様子がない。
「そうですねえ、人によりますがあまりしてないと思いますよ。多少走り混んだり筋トレする人はいますけどね」
「それでそこまでムキムキになるんですね……」
「ああ……あなたのいた世界とはちょっと違うところかもですね、魔物を狩ればかるほどその力を吸収するといわれていて、実際そうなんでしょう。ダンジョン攻略を進めている人はそうでない人と比べて体格に差がでてきます」
それでかと納得した様子を見せる加賀、レベルアップに似た何かがあるのだろうと、そう考えればあの体格にも納得がいく。
「そんなわけで加賀さんもダンジョンこもればいずれ立派な体格になると思いますよ?」
「いやー……ちょっとむりかなーなんて……」
チェスターの言葉にそっと目をそらす加賀。もし初日にウォーボアに出会っていなかったらその選択もあったかの知れない、だが一度死にそうな目に遭った加賀にはキョウミハあれどダンジョンに入るという選択肢は存在しない。
「冗談です冗談。ちょっと入り口のほう見てきますね、すぐ戻りますので待っててください」
「はーい、行ってらっしゃいー」
チェスターを見送り一息つく加賀であるがその耳がある音をとらえる。
(タスケテッ)
「…………」
前にもこんなことがあったような……そう思いつつそっと音のした方向を振り向く加賀。そこにはほおを膨らませ口をもごもごさせるうーちゃんの姿があった。
「……うーちゃんちょっとこっち来なさい」
うーっやんの腕をひっぱり物陰へ連れ込みあたりの様子をうかがう加賀。誰も居ないことを確認するとうーちゃんを見ながら口を開く。
「うーちゃんまた変なの食べたでしょ。ぺっしなさいぺっ」
加賀に言われてぺっと赤い玉を吐き出すうーちゃん。
吐き出された玉はふわふわと浮かぶとしゃべり出した。
(地面から出た瞬間食われた。どういうことなの)
「ごめんなさい……」
加賀の予想通りうーちゃんが口に含んでいたのは以前森で出会ったあの玉であった。
「それでどうしたんでしょう……あまり外に出ちゃまずいんじゃないですか?」
(まあそこは問題ないわい、これ分体だしの。……それはそうと嬢ちゃん、ほれ受け取るとええ)
そう言うやいなや加賀の目の前にきらきらとした光が集まり出す。
加賀がそっと手をさしだすと、手の平に光が集まり……やがて光が収まったときそこには一つの指輪があった。
「えっと、これは……」
(精霊石の指輪じゃよ。この間の礼じゃ、使っておくれ)
「おぉー……助かります、ちょうどほしかったんです」
(そうじゃろう? それじゃそろそろ戻るでな。今度飯食いにいくでよろしくのう)
「えっ? あ、ちょっ」
去り際に放たれた言葉bそれを理解する前に玉は地面へと溶けるように消えてなくなる。
呆然としたまま指輪を見詰める加賀。とりあえず指輪をはね軽くため息をつく。
「いっちゃった……食いにいくってまさか飛んでくるつもりじゃないよね」
「あ、やっと見つけた! まったく……探しましたよ?」
「あ、ごめんなさいチェスターさん……うーちゃんが虫か何か食べちゃったみたいで吐き出させてたんです……」
うっ(なんだとーっ)
決して嘘ではない。
とりあえず誤魔化しつつチェスターと合流する加賀。
チェスターがもう少し見て回りたい所があるとの事なのでそのまま待ちをぐるりと周り帰路につく事とした。
街の中央部、総合ギルド前で立ち止まった二人はそれを微笑ましく眺めていた。
「うーちゃんご機嫌だねえ」
「ですねえ……あ、ちょっと待っててください、中のぞいてすぐ戻るんで」
「あ、はーい。うーちゃん戻っておいでー」
加賀に呼ばれとたとたと走り寄るうーちゃん。
うっ(つぎはどこにいくのだっ)
「ん、チェスターさん戻ったら聞いてみよかー。特になければ残りの買い物すませて帰るかなー……あ、戻ってきた。ほんとにすぐだった」
近寄ってきたうーちゃんを捕まえその手触りを堪能する加賀。
思っていた以上にすぐ戻ってきたチェスターをみて名残惜しそうに手を離す。
「やあ、お待たせしました」
「いえいえ、全然まってないですよー。用事は終わりましたか?」
「いえ、他のメンバーいるかと思ったんですがここではなかったようです……これからダンジョンを見に行こうかと思いますが加賀さんはどうしますか? あ、もちろん中には入りませんよ? 場所を確認したりするだけです」
チェスターの言葉を聞いてんーとかんがえこむ加賀。
加賀自身ダンジョンに対し興味が無いわけではない、ただ中に入ってどうこうするのは自分には無理と分かっているだけで、見てみたいという気持ちはそれなりにある。
「それじゃ一緒にいってのいいですか? 実はまだ見たことなくて……」
「ええ、もちろん。では行きましょうか」
ダンジョンは街の中央部南に進みもうすぐ壁に当たると行ったところに存在した。
ちょっとした広場の中心、そこに地面が隆起したかのように小山があり、北側の山肌にぽっかりと空いた穴がダンジョンの入り口となっている。
「わーこんな風になってたんだ……てか人おおいっ」
「もうダンジョンが復活した情報が正式に発信されましたし、ダンジョンの封鎖も解けましたからねえ……ダンジョンの入場待ちや他のメンバーとの待ち合わせだったり色々ですが、これからもっと増えてくると思いますよ?」
「うへー」
ダンジョンの入り口とそこに集まる人だかりを興味深げに見つめる加賀、ふと何かに気がついたのか首をかしげる。
「なんか以外と普通の人もいるんですねー。宿の人皆そうだし、ムキムキが普通かと思ったらそうでもないんだ」
「宿の人は高ランクしかいませんからね。駆け出しだとみんなあんなもんです。私たちと同じぐらいになるまでとなると相当な年月かかりますよ」
「へー……みんなどんなトレーニングしてるのかなあ」
自分の腕を見ながらため息交じりにそう呟く加賀。
買い物したり料理したりとそれなりに使っているはずなのに加賀の腕には一向に筋肉の付く様子がない。
「そうですねえ、人によりますがあまりしてないと思いますよ。多少走り混んだり筋トレする人はいますけどね」
「それでそこまでムキムキになるんですね……」
「ああ……あなたのいた世界とはちょっと違うところかもですね、魔物を狩ればかるほどその力を吸収するといわれていて、実際そうなんでしょう。ダンジョン攻略を進めている人はそうでない人と比べて体格に差がでてきます」
それでかと納得した様子を見せる加賀、レベルアップに似た何かがあるのだろうと、そう考えればあの体格にも納得がいく。
「そんなわけで加賀さんもダンジョンこもればいずれ立派な体格になると思いますよ?」
「いやー……ちょっとむりかなーなんて……」
チェスターの言葉にそっと目をそらす加賀。もし初日にウォーボアに出会っていなかったらその選択もあったかの知れない、だが一度死にそうな目に遭った加賀にはキョウミハあれどダンジョンに入るという選択肢は存在しない。
「冗談です冗談。ちょっと入り口のほう見てきますね、すぐ戻りますので待っててください」
「はーい、行ってらっしゃいー」
チェスターを見送り一息つく加賀であるがその耳がある音をとらえる。
(タスケテッ)
「…………」
前にもこんなことがあったような……そう思いつつそっと音のした方向を振り向く加賀。そこにはほおを膨らませ口をもごもごさせるうーちゃんの姿があった。
「……うーちゃんちょっとこっち来なさい」
うーっやんの腕をひっぱり物陰へ連れ込みあたりの様子をうかがう加賀。誰も居ないことを確認するとうーちゃんを見ながら口を開く。
「うーちゃんまた変なの食べたでしょ。ぺっしなさいぺっ」
加賀に言われてぺっと赤い玉を吐き出すうーちゃん。
吐き出された玉はふわふわと浮かぶとしゃべり出した。
(地面から出た瞬間食われた。どういうことなの)
「ごめんなさい……」
加賀の予想通りうーちゃんが口に含んでいたのは以前森で出会ったあの玉であった。
「それでどうしたんでしょう……あまり外に出ちゃまずいんじゃないですか?」
(まあそこは問題ないわい、これ分体だしの。……それはそうと嬢ちゃん、ほれ受け取るとええ)
そう言うやいなや加賀の目の前にきらきらとした光が集まり出す。
加賀がそっと手をさしだすと、手の平に光が集まり……やがて光が収まったときそこには一つの指輪があった。
「えっと、これは……」
(精霊石の指輪じゃよ。この間の礼じゃ、使っておくれ)
「おぉー……助かります、ちょうどほしかったんです」
(そうじゃろう? それじゃそろそろ戻るでな。今度飯食いにいくでよろしくのう)
「えっ? あ、ちょっ」
去り際に放たれた言葉bそれを理解する前に玉は地面へと溶けるように消えてなくなる。
呆然としたまま指輪を見詰める加賀。とりあえず指輪をはね軽くため息をつく。
「いっちゃった……食いにいくってまさか飛んでくるつもりじゃないよね」
「あ、やっと見つけた! まったく……探しましたよ?」
「あ、ごめんなさいチェスターさん……うーちゃんが虫か何か食べちゃったみたいで吐き出させてたんです……」
うっ(なんだとーっ)
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