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続・埋め合わせデート
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私たちが大通りへと向かうと、いつの間にか私が感じていた謎の視線は消えていた。一体何だったのだろうか、と思ったが気のせいだったと思うことにする。
「カレンは気になる店はあるかい?」
「そうね……じゃあこことか」
私は近くにあったお店を指さす。そこは一般の人からすると少し高級な私服を取り扱うお店で、私は制服を除けば部屋着と今着ているようなガチガチにおしゃれした服装しか持っていないので、その間ぐらいの服が欲しかったのだ。
店に入っていくと、私たちの他にも何組のカップルが出入りしていて、自分たちもそう見えているのかと思うと少し恥ずかしくなる。
中には色とりどりの服やアクセサリーなどが並んでいる。女物ばかりだったためクラインを連れてきたのは少し気の毒だったかもしれない、と思ってしまったが冷静に周りを見回してみると他のカップルの男性も皆気まずそうにしているのでご愛敬ということだろう。
私はその中で少しでも気になった服を次々と腕に抱えていき、店内をざっと一週すると試着室に向かう。
「今から全部試着するからどれが一番似合っているのか教えて欲しい」
「分かった。とはいえカレンなら全部似合うだろうから選ぶのは大変そうだな」
そう言ってクラインが苦笑するので私は少し照れてしまう。
そんな表情を隠すように試着室のカーテンをしめた。
一着目は若草色のワンピースに淡い色のストールを羽織った春らしいイメージの服装だった。
「どう?」
「可愛い。普段の制服のイメージと違って、すごく活発に見えてカレンに似合っているよ」
「ありがとう」
他のカップルの男は「すごくいい」「似合っている」しか言えなかったが、クラインはきちんと褒めてくれて嬉しい。
二着目は白いブラウスに濃い紺色のカーディガンにフレアスカートという一着目に比べると少しかっちりした服装だ。
「さっきは活発なイメージだったが、今度はカレンの知的な面が現れていてすごくいいと思う」
クラインは若干照れているもののしっかりと私を褒めてくれる。
一体どこで覚えたのだろうか。もしやレイラの服を褒めて身に着けたテクニックなのだろうか、と思ったが慌ててその考えを振り払う。せっかくクラインが自分の行いを反省して私のことを褒めてくれているのにそんなことを考えてはいけない。
その後も私は色んな服を試着したが、クラインはそれぞれ別の言葉で褒めてくれた。
そして十着近くの試着が終わったところで尋ねる。
「どう? これまででどれが一番良かった?」
私が尋ねるとクラインは苦笑した。
「どれが一番かと訊かれてもな……どれにも違う良さがあったとしか言いようがない」
これまでは多彩な褒め言葉を言ってくれたのにここだけは普通の答えだったのが少しおかしい。
とはいえ十着も試着してしまったし、私もどれも良かったと思うのでなかなか一着に決められない。
「うーん、どうしよう」
「よし、それなら全部買おう。僕が出すよ」
「え、いいの!?」
クラインの言葉に私は驚く。
一着二着買ってくれることはあってもこんなにたくさんの服を全部買ってくれるなんて。
「本当は僕が特に似合うやつを何着か決められたらいいんだけどね。でも残念ながら僕には選べなかった」
「それは……ありがとう」
「とはいえこれ全部を着たカレンを見るには、あと何回も一緒に遊びに行く必要があるな」
「そうだね。でも私はクラインと遊びに行くならいつでもいい」
そうだ、これからはきっとクラインと今までよりももっと一緒にいられることが増える。
服を買ってもらえたことよりも私としてはその方が嬉しかった。
「もちろん僕もだ」
そしてクラインがお会計を済ませ、店を出る。手には十着近い服が入った大きな包みを抱えていた。
「本当はもうちょっとたくさんのお店を回る予定だったけど、もうこんな時間か」
「さすがにこれ全部買ったら他の店はもういいかな」
すでに日も傾き始めている。
「さて、この後はディナーを予約してあるんだ」
「ありがとう」
やはり彼は気の利かせ方がすごい。今まではそれがレイラにばかり向いていたが、その気遣いが自分だけに向くと悪い気はしないのだった。
「カレンは気になる店はあるかい?」
「そうね……じゃあこことか」
私は近くにあったお店を指さす。そこは一般の人からすると少し高級な私服を取り扱うお店で、私は制服を除けば部屋着と今着ているようなガチガチにおしゃれした服装しか持っていないので、その間ぐらいの服が欲しかったのだ。
店に入っていくと、私たちの他にも何組のカップルが出入りしていて、自分たちもそう見えているのかと思うと少し恥ずかしくなる。
中には色とりどりの服やアクセサリーなどが並んでいる。女物ばかりだったためクラインを連れてきたのは少し気の毒だったかもしれない、と思ってしまったが冷静に周りを見回してみると他のカップルの男性も皆気まずそうにしているのでご愛敬ということだろう。
私はその中で少しでも気になった服を次々と腕に抱えていき、店内をざっと一週すると試着室に向かう。
「今から全部試着するからどれが一番似合っているのか教えて欲しい」
「分かった。とはいえカレンなら全部似合うだろうから選ぶのは大変そうだな」
そう言ってクラインが苦笑するので私は少し照れてしまう。
そんな表情を隠すように試着室のカーテンをしめた。
一着目は若草色のワンピースに淡い色のストールを羽織った春らしいイメージの服装だった。
「どう?」
「可愛い。普段の制服のイメージと違って、すごく活発に見えてカレンに似合っているよ」
「ありがとう」
他のカップルの男は「すごくいい」「似合っている」しか言えなかったが、クラインはきちんと褒めてくれて嬉しい。
二着目は白いブラウスに濃い紺色のカーディガンにフレアスカートという一着目に比べると少しかっちりした服装だ。
「さっきは活発なイメージだったが、今度はカレンの知的な面が現れていてすごくいいと思う」
クラインは若干照れているもののしっかりと私を褒めてくれる。
一体どこで覚えたのだろうか。もしやレイラの服を褒めて身に着けたテクニックなのだろうか、と思ったが慌ててその考えを振り払う。せっかくクラインが自分の行いを反省して私のことを褒めてくれているのにそんなことを考えてはいけない。
その後も私は色んな服を試着したが、クラインはそれぞれ別の言葉で褒めてくれた。
そして十着近くの試着が終わったところで尋ねる。
「どう? これまででどれが一番良かった?」
私が尋ねるとクラインは苦笑した。
「どれが一番かと訊かれてもな……どれにも違う良さがあったとしか言いようがない」
これまでは多彩な褒め言葉を言ってくれたのにここだけは普通の答えだったのが少しおかしい。
とはいえ十着も試着してしまったし、私もどれも良かったと思うのでなかなか一着に決められない。
「うーん、どうしよう」
「よし、それなら全部買おう。僕が出すよ」
「え、いいの!?」
クラインの言葉に私は驚く。
一着二着買ってくれることはあってもこんなにたくさんの服を全部買ってくれるなんて。
「本当は僕が特に似合うやつを何着か決められたらいいんだけどね。でも残念ながら僕には選べなかった」
「それは……ありがとう」
「とはいえこれ全部を着たカレンを見るには、あと何回も一緒に遊びに行く必要があるな」
「そうだね。でも私はクラインと遊びに行くならいつでもいい」
そうだ、これからはきっとクラインと今までよりももっと一緒にいられることが増える。
服を買ってもらえたことよりも私としてはその方が嬉しかった。
「もちろん僕もだ」
そしてクラインがお会計を済ませ、店を出る。手には十着近い服が入った大きな包みを抱えていた。
「本当はもうちょっとたくさんのお店を回る予定だったけど、もうこんな時間か」
「さすがにこれ全部買ったら他の店はもういいかな」
すでに日も傾き始めている。
「さて、この後はディナーを予約してあるんだ」
「ありがとう」
やはり彼は気の利かせ方がすごい。今まではそれがレイラにばかり向いていたが、その気遣いが自分だけに向くと悪い気はしないのだった。
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