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ボルグの都落ち
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「うわああああああああああああ! もうおしまいだ!」
隣にいたレイシャがイレーネに呆気なく敗北したオルクは頭を抱える。レイシャがどこからか魔力を上げる杖を手に入れたのを見たボルグは彼女の勝利を確信し、戦いの映像を記録することにした。
しかしレイシャの敗北によりそれが完全に裏目にでてしまった。イレーネをレイシャに交代させたことが完全に判断ミスだったということが白日の元に晒されてしまった以上、各方面からつるし上げに合うだろう。これまでなぜか強く言ってこなかった国王や大司教もここぞとばかり何か言ってくるかもしれない。
ボルグはとっさに王族の装束を脱ぎ、兵士に変装して王都に入ると、こっそり王宮に向かう。
王宮の者たちはボルグの、というよりはレイシャの敗北に大混乱していた。
特に騒ぎが酷かったのは神殿だった。兵士に紛れたボルグにも気づかず、神官たちは右往左往している。
「何ということだ、まさかレイシャが負けるとは!」
「このままでは我らがレイシャを聖女に認めてしまったことを責められるぞ!?」
「イレーネ様が戻ってこられたら全力でお迎えするのだ!」
本来高潔なはずの神官たちがそんな俗な理由でうろたえている。そんな中、大司教は一人無言で唇をかみしめている。
そんな大司教に一人の若い神官が詰め寄った。
「大司教様! なぜ強引な手を使ってでもレイシャを聖女から引きずり降ろさなかったのですか!?」
「仕方なかったのだ、神殿にも金が必要だったのだ……」
「まさかレイシャから金を受け取って黙っていたのですか!?」
なおも若者が詰め寄ると、大司教は途端に眉を吊り上げた。
「うるさい! そのようなことを大声で叫ぶな! こいつをどこかに閉じ込めておけ!」
完全な逆ギレではあるが、大司教はその神官を連行させる。それを聞いてボルグは暗澹たる気持ちになった。
自分の知らないところでレイシャは金を詰んで大司教を黙らせていたのか。彼らがボルグに従っていたのはボルグを恐れたからではなく、ただ金欲しさだったということになる。結局自分はただ蚊帳の外にいたということだけではないか。
嫌な気持ちになったボルグは再び王族の装束を身に着けて国王の部屋へ向かう。国王ならもしかすると自分を助けてくれるかもしれない。さすがに兵士の姿では国王に会うことは出来ない。
が、ボルグが向かっても部屋の前には武器を持った兵士たちが立ちふさがる。
「父上に会わせてくれ!」
「陛下は今病中でございます!」
「僕は王子だぞ!? それでも入れないというのか!?」
ボルグの言葉に兵士たちは少しひるむ。さすがに王子を追い返すことはなかなか出来ないらしい。その隙にボルグは兵士を突き飛ばすとドアを蹴破り、部屋に侵入する。
「誰だ……ボルグか」
中にいたのは蒼い顔をしている老いた父親であった。お互い相手がここまで情けない表情をしているのを見たことがないため、しばしの間戸惑ってしまう。
が、先に口を開いたのは国王であった。彼はそれまでのしおれた表情を一変させ、ボルグを怒鳴りつける。
「おい、あの女はお前が連れてきたんだろう! 最後までお前が責任をとって事態を収拾しろ!」
「父上こそ最近は王位にありながら最近は何もしていなかったがなぜだ!」
「お前が好き放題していたからではないか! 大体、レイシャはどこに行ったんだ」
「逃げられた」
ボルグが少し消沈して言うと、国王の表情が変わる。それは怒りというよりは寂しさのようなものを感じさせた。
それを聞いてボルグはもしや、と思い至る。
「父上はレイシャと親しかったのか!?」
「そ、そんなことはない!」
必死に否定するがその言葉にはまるで勢いがない。
「……そう言えば父上は他の者と違ってレイシャのことを一度も悪く言わなかったな」
「そ、それはお前がやることだからと温かく見守っていただけだ」
「これまで父上が俺のことをそんな風にしてくれたことなんてなかったではないか!」
話せば話すほどボルグの中で国王への疑念が増していく。となればこの父親も事態を収拾する頼りにはならない。
すると外からどたどたと兵士が走る音が聞こえてくる。
「殿下! 殿下はどちらにいらっしゃる!?」
「くそ!」
兵士たちに捕まればオーウェンらの元へ連れていかれ、これまでの自分の悪行を咎められるかもしれない。そんなことはごめんだった。
ボルグは再び王族の装束を脱ぎ捨て、そして窓から飛び出した。
王宮を出たボルグは途方に暮れた。
大司教や国王はレイシャに金と体で釣られていた者たちであり、オーウェンらが入ってこれば気まずそうにしているだけで事態の収拾は手伝ってくれないだろう。大臣や他の者たちはボルグを煙たく思っている。こうなればもはや王宮にボルグの居場所はない。
「ほとぼりが冷めるまでどこかに隠れているか……」
どうせオーウェンもしばらくすれば王宮からいなくなるだろう。イレーネは聖女として居座るかもしれないが、無視すればいいだけだ。
問題はしばらくの間どこにいるかだが、仲の良い貴族の領地にでも身を隠すか。そう考えたボルグが王都を歩いていると、レイシャの姿を見かける。しばしの間ボルグはどう声をかけていいか分からなかったが、やがてレイシャの方からあゆみよってくる。
「殿下じゃないですか。こんなところでどうしました?」
「どうしたもこうしたもない! お前のせいで全てが滅茶苦茶だ!」
「それはすみません。とはいえ勝敗は時の運という言葉もありますし、負けることもあります」
意外なことに負けたはずのレイシャの口調は意外なほどにさばさばしていた。
「お前は何でそんなに他人事なんだ。大体お前、父上と寝ていたのか!?」
この期に及んでそんなことを言ってくるボルグにレイシャは少し嫌気が差すが、今後のためと考えてどうにか苛立ちを収め、しおらしい声色を作る。
「それは陛下に無理やり言い寄られて拒めなかっただけです。断れば聖女を降ろすと言われまして」
「そ、そうか」
それを聞いてボルグはどうにか落ち着きを取り戻す。
「ところで殿下、もし行く当てがないのでしたらこれからともに帝国に向かいませんか?」
「帝国?」
レイシャの言葉にボルグは眉をひそめる。今は平和を保っているとはいえ敵国ではないか。そんなボルグにレイシャは妖艶にささやきかける。
「帝国は辺境伯家とたいそう仲が悪いです。きっとオーウェンを倒すのに協力してくれると思いますよ」
「そ、そう言えばそうだったな。だがこの僕が行っても大丈夫だろうか?」
「そこは殿下の交渉力次第です。例えば、共同でウィラード伯爵家を倒す代わりに帝国が殿下が王位につくのを支援する、というような条約であれば結べる可能性があるでしょう」
「なるほど。やはりレイシャは頭がいいな」
すでに彼は自分がレイシャの手の平の上で転がされていたのではないかという疑念は忘れ去っていた。
そんなボルグの返事を聞いてレイシャはほくそ笑む。
聖女として居座るという夢は破れたが、敵国の王子を連れ帰れば十分な手柄と言えるだろう。そうすれば祖国で栄達することは出来る。
隣にいたレイシャがイレーネに呆気なく敗北したオルクは頭を抱える。レイシャがどこからか魔力を上げる杖を手に入れたのを見たボルグは彼女の勝利を確信し、戦いの映像を記録することにした。
しかしレイシャの敗北によりそれが完全に裏目にでてしまった。イレーネをレイシャに交代させたことが完全に判断ミスだったということが白日の元に晒されてしまった以上、各方面からつるし上げに合うだろう。これまでなぜか強く言ってこなかった国王や大司教もここぞとばかり何か言ってくるかもしれない。
ボルグはとっさに王族の装束を脱ぎ、兵士に変装して王都に入ると、こっそり王宮に向かう。
王宮の者たちはボルグの、というよりはレイシャの敗北に大混乱していた。
特に騒ぎが酷かったのは神殿だった。兵士に紛れたボルグにも気づかず、神官たちは右往左往している。
「何ということだ、まさかレイシャが負けるとは!」
「このままでは我らがレイシャを聖女に認めてしまったことを責められるぞ!?」
「イレーネ様が戻ってこられたら全力でお迎えするのだ!」
本来高潔なはずの神官たちがそんな俗な理由でうろたえている。そんな中、大司教は一人無言で唇をかみしめている。
そんな大司教に一人の若い神官が詰め寄った。
「大司教様! なぜ強引な手を使ってでもレイシャを聖女から引きずり降ろさなかったのですか!?」
「仕方なかったのだ、神殿にも金が必要だったのだ……」
「まさかレイシャから金を受け取って黙っていたのですか!?」
なおも若者が詰め寄ると、大司教は途端に眉を吊り上げた。
「うるさい! そのようなことを大声で叫ぶな! こいつをどこかに閉じ込めておけ!」
完全な逆ギレではあるが、大司教はその神官を連行させる。それを聞いてボルグは暗澹たる気持ちになった。
自分の知らないところでレイシャは金を詰んで大司教を黙らせていたのか。彼らがボルグに従っていたのはボルグを恐れたからではなく、ただ金欲しさだったということになる。結局自分はただ蚊帳の外にいたということだけではないか。
嫌な気持ちになったボルグは再び王族の装束を身に着けて国王の部屋へ向かう。国王ならもしかすると自分を助けてくれるかもしれない。さすがに兵士の姿では国王に会うことは出来ない。
が、ボルグが向かっても部屋の前には武器を持った兵士たちが立ちふさがる。
「父上に会わせてくれ!」
「陛下は今病中でございます!」
「僕は王子だぞ!? それでも入れないというのか!?」
ボルグの言葉に兵士たちは少しひるむ。さすがに王子を追い返すことはなかなか出来ないらしい。その隙にボルグは兵士を突き飛ばすとドアを蹴破り、部屋に侵入する。
「誰だ……ボルグか」
中にいたのは蒼い顔をしている老いた父親であった。お互い相手がここまで情けない表情をしているのを見たことがないため、しばしの間戸惑ってしまう。
が、先に口を開いたのは国王であった。彼はそれまでのしおれた表情を一変させ、ボルグを怒鳴りつける。
「おい、あの女はお前が連れてきたんだろう! 最後までお前が責任をとって事態を収拾しろ!」
「父上こそ最近は王位にありながら最近は何もしていなかったがなぜだ!」
「お前が好き放題していたからではないか! 大体、レイシャはどこに行ったんだ」
「逃げられた」
ボルグが少し消沈して言うと、国王の表情が変わる。それは怒りというよりは寂しさのようなものを感じさせた。
それを聞いてボルグはもしや、と思い至る。
「父上はレイシャと親しかったのか!?」
「そ、そんなことはない!」
必死に否定するがその言葉にはまるで勢いがない。
「……そう言えば父上は他の者と違ってレイシャのことを一度も悪く言わなかったな」
「そ、それはお前がやることだからと温かく見守っていただけだ」
「これまで父上が俺のことをそんな風にしてくれたことなんてなかったではないか!」
話せば話すほどボルグの中で国王への疑念が増していく。となればこの父親も事態を収拾する頼りにはならない。
すると外からどたどたと兵士が走る音が聞こえてくる。
「殿下! 殿下はどちらにいらっしゃる!?」
「くそ!」
兵士たちに捕まればオーウェンらの元へ連れていかれ、これまでの自分の悪行を咎められるかもしれない。そんなことはごめんだった。
ボルグは再び王族の装束を脱ぎ捨て、そして窓から飛び出した。
王宮を出たボルグは途方に暮れた。
大司教や国王はレイシャに金と体で釣られていた者たちであり、オーウェンらが入ってこれば気まずそうにしているだけで事態の収拾は手伝ってくれないだろう。大臣や他の者たちはボルグを煙たく思っている。こうなればもはや王宮にボルグの居場所はない。
「ほとぼりが冷めるまでどこかに隠れているか……」
どうせオーウェンもしばらくすれば王宮からいなくなるだろう。イレーネは聖女として居座るかもしれないが、無視すればいいだけだ。
問題はしばらくの間どこにいるかだが、仲の良い貴族の領地にでも身を隠すか。そう考えたボルグが王都を歩いていると、レイシャの姿を見かける。しばしの間ボルグはどう声をかけていいか分からなかったが、やがてレイシャの方からあゆみよってくる。
「殿下じゃないですか。こんなところでどうしました?」
「どうしたもこうしたもない! お前のせいで全てが滅茶苦茶だ!」
「それはすみません。とはいえ勝敗は時の運という言葉もありますし、負けることもあります」
意外なことに負けたはずのレイシャの口調は意外なほどにさばさばしていた。
「お前は何でそんなに他人事なんだ。大体お前、父上と寝ていたのか!?」
この期に及んでそんなことを言ってくるボルグにレイシャは少し嫌気が差すが、今後のためと考えてどうにか苛立ちを収め、しおらしい声色を作る。
「それは陛下に無理やり言い寄られて拒めなかっただけです。断れば聖女を降ろすと言われまして」
「そ、そうか」
それを聞いてボルグはどうにか落ち着きを取り戻す。
「ところで殿下、もし行く当てがないのでしたらこれからともに帝国に向かいませんか?」
「帝国?」
レイシャの言葉にボルグは眉をひそめる。今は平和を保っているとはいえ敵国ではないか。そんなボルグにレイシャは妖艶にささやきかける。
「帝国は辺境伯家とたいそう仲が悪いです。きっとオーウェンを倒すのに協力してくれると思いますよ」
「そ、そう言えばそうだったな。だがこの僕が行っても大丈夫だろうか?」
「そこは殿下の交渉力次第です。例えば、共同でウィラード伯爵家を倒す代わりに帝国が殿下が王位につくのを支援する、というような条約であれば結べる可能性があるでしょう」
「なるほど。やはりレイシャは頭がいいな」
すでに彼は自分がレイシャの手の平の上で転がされていたのではないかという疑念は忘れ去っていた。
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