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正論
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「色々尋問させてもらおうかと思ったが手間が省けて助かった。要するに今回の件については完全に妹への私情が動機であるということで間違いないな?」
殿下の言葉にオリバーの顔が一気に青ざめていく。ようやくオリバーは自分の動機が周囲の理解を得られるものではないということに気づいたようであった。
「くそ、よくもこんなことをしやがって! 絶対に許さない!」
オリバーは私の方を見るとそう言って何度も罵る。
が、それを見てクルス殿下は冷酷に告げた。
「妻から預かった財産を本人の承諾もなしに売り払うなど言語道断だ。しかもそれらの財産は今は僕の土地になっている。要するに君は王族の土地を勝手に売り払ったということになる訳だ」
が、そこでオリバーはクルス殿下の言葉に何かに気づいたらしく、それまでとは違った内容で反論してくる。
「そ、そんなのおかしい! 財産の管理は僕に任せられていたはずだ。ということは僕の承諾なしに他人に寄付をすることなど本来出来ないはずだ!」
「その管理についてはどこまでをオリバーに任せるとかどこまではやってはいけないとか、そういう契約書のようなものはあるのか?」
「そ、それは……」
その時は嫁いだばかりということもあって私はオリバーのことを信じていた。オリバーの方もまさかこんなことになるとは思わなかったのだろう、口約束と「管理を任せる」という大ざっぱな書類ぐらいしかなかったと思う。
「だ、だが、僕は管理を任せられているんだ! その僕の許可もなく寄付するなんて無効だ!」
オリバーが叫ぶ。恐らく苦し紛れに叫んでいるのだろうが、先ほどのエミリーがどうこうという話に比べれば、まだ理解出来る反論だった。
が、殿下は無情にも首を横に振った。
「その理屈は資産の管理についてきちんとした書類を残していれば成立したかもしれない。第一、自分が勝手に財産を売り払っておいて、勝手に寄付されて怒るのは頭がおかしいのではないか?」
「く、くそ……」
即座に論破されてしまい、再びオリバーは黙り込む。
「まあ君の処分がどうなるのかはローザン公爵との相談によって決まることになるが……少なくとも君の家は多額の罰金を支払うことになるだろう。そしてこんなことが公になれば恐らく廃嫡されるだろうな」
「そ、そこまでされなくても……妻の財産なんて自分の財産も同じじゃないか! それを少し売っただけで廃嫡だなんて!」
オリバーはなおも往生際が悪い反論を繰り返す。
が、クルス殿下は怒ることも呆れることもなく淡々と話し続けた。
「そう思うのは勝手だが、こんなことをしておきながら今後誰かと結婚出来ると思っているのか? 真っ当な貴族なら娘をそんな相手に嫁がせるのは嫌がるだろうね」
「そ、それは……」
「そんな結婚相手すら決められない人物が家督を告げる訳がないだろう? もっとも、君の代で家を終わらせるというのであれば話は別だが」
「……」
オリバーが何を言っても即座に殿下の圧倒的な正論により論破されてしまうので、今度こそ彼は完全に沈黙してしまった。
もっとも、今回はオリバーが完全に悪い以上こうなるのも当然の成り行きであったが。
「連れていけ」
「はい」
そして殿下の命令により、兵士たちは彼をどこかへ連れていくのであった。
去り際、オリバーが憎々し気な目でこちらを睨みつけてきたがもはやどうでもいいことである。
オリバーが去っていくと、殿下は私の方を見る。
「と言う訳だ。完全な後始末はローザン公と話し合って決めるが、恐らく君の目的に沿うことは出来たのではないかと思うよ」
「ありがとうございます!」
私はそう言って深々と頭を下げる。
「おかしなことを言うものだな。財産の寄付を受けたのは僕だ。そして自分の領地の不正を正しただけ。お礼を言うことはあっても言われる筋合いはない」
「そ、そうですか」
こうしてこの件は電光石火の解決を見たのだった。
殿下の言葉にオリバーの顔が一気に青ざめていく。ようやくオリバーは自分の動機が周囲の理解を得られるものではないということに気づいたようであった。
「くそ、よくもこんなことをしやがって! 絶対に許さない!」
オリバーは私の方を見るとそう言って何度も罵る。
が、それを見てクルス殿下は冷酷に告げた。
「妻から預かった財産を本人の承諾もなしに売り払うなど言語道断だ。しかもそれらの財産は今は僕の土地になっている。要するに君は王族の土地を勝手に売り払ったということになる訳だ」
が、そこでオリバーはクルス殿下の言葉に何かに気づいたらしく、それまでとは違った内容で反論してくる。
「そ、そんなのおかしい! 財産の管理は僕に任せられていたはずだ。ということは僕の承諾なしに他人に寄付をすることなど本来出来ないはずだ!」
「その管理についてはどこまでをオリバーに任せるとかどこまではやってはいけないとか、そういう契約書のようなものはあるのか?」
「そ、それは……」
その時は嫁いだばかりということもあって私はオリバーのことを信じていた。オリバーの方もまさかこんなことになるとは思わなかったのだろう、口約束と「管理を任せる」という大ざっぱな書類ぐらいしかなかったと思う。
「だ、だが、僕は管理を任せられているんだ! その僕の許可もなく寄付するなんて無効だ!」
オリバーが叫ぶ。恐らく苦し紛れに叫んでいるのだろうが、先ほどのエミリーがどうこうという話に比べれば、まだ理解出来る反論だった。
が、殿下は無情にも首を横に振った。
「その理屈は資産の管理についてきちんとした書類を残していれば成立したかもしれない。第一、自分が勝手に財産を売り払っておいて、勝手に寄付されて怒るのは頭がおかしいのではないか?」
「く、くそ……」
即座に論破されてしまい、再びオリバーは黙り込む。
「まあ君の処分がどうなるのかはローザン公爵との相談によって決まることになるが……少なくとも君の家は多額の罰金を支払うことになるだろう。そしてこんなことが公になれば恐らく廃嫡されるだろうな」
「そ、そこまでされなくても……妻の財産なんて自分の財産も同じじゃないか! それを少し売っただけで廃嫡だなんて!」
オリバーはなおも往生際が悪い反論を繰り返す。
が、クルス殿下は怒ることも呆れることもなく淡々と話し続けた。
「そう思うのは勝手だが、こんなことをしておきながら今後誰かと結婚出来ると思っているのか? 真っ当な貴族なら娘をそんな相手に嫁がせるのは嫌がるだろうね」
「そ、それは……」
「そんな結婚相手すら決められない人物が家督を告げる訳がないだろう? もっとも、君の代で家を終わらせるというのであれば話は別だが」
「……」
オリバーが何を言っても即座に殿下の圧倒的な正論により論破されてしまうので、今度こそ彼は完全に沈黙してしまった。
もっとも、今回はオリバーが完全に悪い以上こうなるのも当然の成り行きであったが。
「連れていけ」
「はい」
そして殿下の命令により、兵士たちは彼をどこかへ連れていくのであった。
去り際、オリバーが憎々し気な目でこちらを睨みつけてきたがもはやどうでもいいことである。
オリバーが去っていくと、殿下は私の方を見る。
「と言う訳だ。完全な後始末はローザン公と話し合って決めるが、恐らく君の目的に沿うことは出来たのではないかと思うよ」
「ありがとうございます!」
私はそう言って深々と頭を下げる。
「おかしなことを言うものだな。財産の寄付を受けたのは僕だ。そして自分の領地の不正を正しただけ。お礼を言うことはあっても言われる筋合いはない」
「そ、そうですか」
こうしてこの件は電光石火の解決を見たのだった。
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