5 / 28
5. 異世界人登録
しおりを挟む
暫くして、先程の人が二人を連れて降りて来た。
そして、私達の元まで来て話し掛けてきた。
「初めまして。僕はダグラスと言うよ。本来であれば話が分かる奴がいる王宮の騎士団で受付なんだけど、運がいいね。今ちょうど僕らが来ていてね。上に来てもらっていいかな?」
と、受付の人とは違う、二人の内の一人が言った。
金髪でアンバーの瞳の、私より頭一つ分背の高い人だ。
「へーすっげ!オレ二階へ行った事ないよ!」
「ん?君は?」
「オレはこの姉ちゃんの案内人のケルン!」
ケルンは、腰に手を当てて威張ったように言った。
「そうなんだ。じゃあついておいで。」
ダグラスさんは、特段気にもしない様子で言い、人懐っこそうな笑みを浮かべてこちらを見ていた。
もう一人はダグラスさんよりもう頭一つ分ほど大きな背で、金髪でグリーンの瞳だった。
とても綺麗な、吸い込まれるような瞳だったから思わず魅入ってしまった。
だけれど、その人は私を見ても一言も発せず、くるりと踵を返してまた来た廊下を登って行った。
この世界は割と、顔が整っている人が多いわね。それとも、ヨーロッパ系の顔つきだから格好良く見えるのかしら?
階段を登ってすぐの部屋に通された。
そこは、六畳ほどで簡易的なテーブルとイスが向かい合わせにあるだけだった。
「さぁ、座って。」
ダグラスさんがそう言って、イスを指し示してくれた。
「まずは、簡単な質問をするよ。君の名前は?」
ダグラスさんが、質問しながらごわごわした紙に羽根の付いたペンでサラサラと何か書いている。
もう一人の男性は、何も言わず隣のイスに腕を組んで座っている。
「はい。春日・凛です。こっちでは、リン・カスガと言うのでしょうか?」
「え?そうなの?おばちゃん、カスガリンって呼んでたから、女なのに男みたいな名前だと思ったけど、違うんだー。」
「そうね…名前だけなら、リンです。」
「ふむ。リン。リン・カスガね。次に、目覚めた時はどこにいたの?」
「パン屋です。ディヴィスさんとマルアさんが営んでいる、ここから見えるパン屋の前、って言ってました。」
「なるほど。で、これからはどうするの?」
「これから?マルアさんが、しばらくは居て良いって言ってくれたので。あとは、こちらに来て全くわからないので…。」
「まぁ、そうだろうな。いつ来たんだ?」
今まで黙っていたダグラスさんの隣に座っていた人が口を挟んだ。
「目覚めたのはついさっきです。だからこの国の事、何も分かってはいなくて…。」
「国で、保護する事も出来るんだよ。というか、本当はそうした方がリンちゃん、君の為でもあるんだけどね。」
「え?私の?」
私はダグラスさんが言った言葉に疑問を持った。
「異世界人は、ここよりも持っている知識量が多いと聞く。だから、その知識が欲しい奴に狙われるとも限らん。」
なるほど…。
てか、先程からもう一人の人は腕を組んで足も組んで深く腰掛けているけれど、名前は教えてくれないのね、この偉そうな人。まぁ、格好良くて様になってはいるけれど。
「まぁ、じゃあそのパン屋にしばらくはいて、この国の事知って行ったら?発行手続きは済ませておくからさ。何かあったら、王宮で保護するよ。あ、もしくは、こいつが保護するから。」
「は?な、だ、ダグラス。何を言っている?」
あら、何だか良く分からないけれど話を振られて結構慌てているわね。
仏頂面だったのに顔が赤くなっていて意外と可愛いかも…。
私はクスクスと笑ってしまった。
そして、私達の元まで来て話し掛けてきた。
「初めまして。僕はダグラスと言うよ。本来であれば話が分かる奴がいる王宮の騎士団で受付なんだけど、運がいいね。今ちょうど僕らが来ていてね。上に来てもらっていいかな?」
と、受付の人とは違う、二人の内の一人が言った。
金髪でアンバーの瞳の、私より頭一つ分背の高い人だ。
「へーすっげ!オレ二階へ行った事ないよ!」
「ん?君は?」
「オレはこの姉ちゃんの案内人のケルン!」
ケルンは、腰に手を当てて威張ったように言った。
「そうなんだ。じゃあついておいで。」
ダグラスさんは、特段気にもしない様子で言い、人懐っこそうな笑みを浮かべてこちらを見ていた。
もう一人はダグラスさんよりもう頭一つ分ほど大きな背で、金髪でグリーンの瞳だった。
とても綺麗な、吸い込まれるような瞳だったから思わず魅入ってしまった。
だけれど、その人は私を見ても一言も発せず、くるりと踵を返してまた来た廊下を登って行った。
この世界は割と、顔が整っている人が多いわね。それとも、ヨーロッパ系の顔つきだから格好良く見えるのかしら?
階段を登ってすぐの部屋に通された。
そこは、六畳ほどで簡易的なテーブルとイスが向かい合わせにあるだけだった。
「さぁ、座って。」
ダグラスさんがそう言って、イスを指し示してくれた。
「まずは、簡単な質問をするよ。君の名前は?」
ダグラスさんが、質問しながらごわごわした紙に羽根の付いたペンでサラサラと何か書いている。
もう一人の男性は、何も言わず隣のイスに腕を組んで座っている。
「はい。春日・凛です。こっちでは、リン・カスガと言うのでしょうか?」
「え?そうなの?おばちゃん、カスガリンって呼んでたから、女なのに男みたいな名前だと思ったけど、違うんだー。」
「そうね…名前だけなら、リンです。」
「ふむ。リン。リン・カスガね。次に、目覚めた時はどこにいたの?」
「パン屋です。ディヴィスさんとマルアさんが営んでいる、ここから見えるパン屋の前、って言ってました。」
「なるほど。で、これからはどうするの?」
「これから?マルアさんが、しばらくは居て良いって言ってくれたので。あとは、こちらに来て全くわからないので…。」
「まぁ、そうだろうな。いつ来たんだ?」
今まで黙っていたダグラスさんの隣に座っていた人が口を挟んだ。
「目覚めたのはついさっきです。だからこの国の事、何も分かってはいなくて…。」
「国で、保護する事も出来るんだよ。というか、本当はそうした方がリンちゃん、君の為でもあるんだけどね。」
「え?私の?」
私はダグラスさんが言った言葉に疑問を持った。
「異世界人は、ここよりも持っている知識量が多いと聞く。だから、その知識が欲しい奴に狙われるとも限らん。」
なるほど…。
てか、先程からもう一人の人は腕を組んで足も組んで深く腰掛けているけれど、名前は教えてくれないのね、この偉そうな人。まぁ、格好良くて様になってはいるけれど。
「まぁ、じゃあそのパン屋にしばらくはいて、この国の事知って行ったら?発行手続きは済ませておくからさ。何かあったら、王宮で保護するよ。あ、もしくは、こいつが保護するから。」
「は?な、だ、ダグラス。何を言っている?」
あら、何だか良く分からないけれど話を振られて結構慌てているわね。
仏頂面だったのに顔が赤くなっていて意外と可愛いかも…。
私はクスクスと笑ってしまった。
61
あなたにおすすめの小説
魔力ゼロと捨てられた私を、王子がなぜか離してくれません ――無自覚聖女の王宮生活――
ムラサメ
恋愛
伯爵家で使用人同然に扱われてきた少女、エリナ。
魔力も才能もないとされ、義妹アリシアの影で静かに生きていた。
ある日、王国第一王子カイルの視察で運命が動き出す。
誰も気づかなかった“違和感”に、彼だけが目を留めて――。
「不吉な黒」と捨てられた令嬢、漆黒の竜を「痛いの飛んでいけー!」で完治させてしまう
ムラサメ
恋愛
漆黒の髪と瞳。ただそれだけの理由で「不吉なゴミ」と虐げられてきた公爵令嬢ミア。
死の森に捨てられた彼女が出会ったのは、呪いに侵され、最期を待つ最強の黒竜と、その相棒である隣国の竜騎士ゼノだった。
しかし、ミアが無邪気に放った「おまじない」は、伝説の浄化魔法となって世界を塗り替える。
向こう見ずな天才騎士に拾われたミアは、隣国で「女神」として崇められ、徹底的に甘やかされることに。
一方、浄化の源を失った王国は、みるみるうちに泥沼へと沈んでいき……?
神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!
転生したら地味ダサ令嬢でしたが王子様に助けられて何故か執着されました
古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
恋愛
皆様の応援のおかげでHOT女性向けランキング第7位獲得しました。
前世病弱だったニーナは転生したら周りから地味でダサいとバカにされる令嬢(もっとも平民)になっていた。「王女様とか公爵令嬢に転生したかった」と祖母に愚痴ったら叱られた。そんなニーナが祖母が死んで冒険者崩れに襲われた時に助けてくれたのが、ウィルと呼ばれる貴公子だった。
恋に落ちたニーナだが、平民の自分が二度と会うことはないだろうと思ったのも、束の間。魔法が使えることがバレて、晴れて貴族がいっぱいいる王立学園に入ることに!
しかし、そこにはウィルはいなかったけれど、何故か生徒会長ら高位貴族に絡まれて学園生活を送ることに……
見た目は地味ダサ、でも、行動力はピカ一の地味ダサ令嬢の巻き起こす波乱万丈学園恋愛物語の始まりです!?
小説家になろうでも公開しています。
第9回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作品
氷の騎士と陽だまりの薬師令嬢 ~呪われた最強騎士様を、没落貴族の私がこっそり全力で癒します!~
放浪人
恋愛
薬師として細々と暮らす没落貴族の令嬢リリア。ある夜、彼女は森で深手を負い倒れていた騎士団副団長アレクシスを偶然助ける。彼は「氷の騎士」と噂されるほど冷徹で近寄りがたい男だったが、リリアの作る薬とささやかな治癒魔法だけが、彼を蝕む古傷の痛みを和らげることができた。
「……お前の薬だけが、頼りだ」
秘密の治療を続けるうち、リリアはアレクシスの不器用な優しさや孤独に触れ、次第に惹かれていく。しかし、彼の立場を狙う政敵や、リリアの才能を妬む者の妨害が二人を襲う。身分違いの恋、迫りくる危機。リリアは愛する人を守るため、薬師としての知識と勇気を武器に立ち向かうことを決意する。
辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~
香木陽灯
恋愛
「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」
実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。
「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」
「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」
二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。
※ふんわり設定です。
※他サイトにも掲載中です。
【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
朝日みらい
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる