【完結】田舎暮らしを都会でしているの?と思ったらここはどうやら異世界みたいです。

まりぃべる

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7. パン屋の生活

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 あれから、洗い物を素早く終えたディヴィスさんが紅茶を入れてくれ、マルアさんが話してくれた。

 まず、明日から私は店に立ち、お客さんの相手をする。
パンはカウンターのショーケースに置いてあって、お客さんから言われたパンを私が取る方式だ。
パンの金額をもらったりお釣りを返したりする。
家で食べる人はたいてい籠や入れ物を持って来るらしいからそれに入れる。
そうでない人には、新聞に包んで渡す。包み方は適当でいいらしい。

 パンは、朝早くからディヴィスさんが一人で焼く。
これは今までもそうだったみたいで、その時は人が変わったように怖い人になるから邪魔をしてはいけないと笑いながら教えてくれた。
職人さんって事かな。

 それくらいだったら出来そう、と思った所でお金の価値が分からないから聞いてみた。

 単位は、ダリ。
ここのパンは三ダリ。
見せてもらうと、硬貨だった。
でもダリという言葉は、硬貨に書いてあったみたいだけど全く読めなかったので、言葉は通じて本当に良かったと思った。

 ちなみに、一ダリは銅貨。
五ダリは少し大きな銅貨。
十ダリは銀貨。
五十ダリは少し大きな銀貨。
百ダリは金貨。
五百ダリは少し大きな金貨。
千ダリは紙幣だそうだ。

 しっかり覚えないと!
でも、買いに来るお客さんは気の良い人ばかりだから教えてもらいなとこれまた笑いながら話してくれた。

 そんなのアリ?と思ったけれど、店番するのは子供の店も少なくないみたいで、そんなものらしい。なるほど…。
私は子供と同じね。まぁ、この世界の事を知らないから子供の方が賢いかもしれないな。

 店が開く時間は、一の鐘が鳴って日が出始めたら。
ちなみに、ディヴィスさんはもっと早くから起きて仕込みをして、販売に間に合うように焼くらしい。

 鐘は、一日に五回鳴り、一の鐘はだいたい日の出くらいに鐘が鳴る。
五の鐘が日の入りくらいらしいから、それで人々は時間を確認しているみたいだ。

 ディヴィスさんはどうやって起きているんだろう?そう思ったら、早く寝ると自然と出来るってどや顔で言われた。そういうものなのかしら?

 私は、とりあえずダイニングの部屋で寝る事になった。布団は、赤ちゃん用に買ってあるのを使っていいと言われたけれど、さすがに気が引けたので遠慮した。まぁ、無しでも雨風しのげるだけいっか、と思っていた。

 少ししてケルンがやって来て、掛け布団を持って来てくれた。ケルンの嫁いだ姉の物だとか。帰ってきたら返してもらうけど、と言われたけれどとてもありがたい!
イスを並べて寝るって、職場か?と思ったけれど、無いよりは全然まし!
お金…早く稼げるようになりたいな-
………。
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