【完結】田舎暮らしを都会でしているの?と思ったらここはどうやら異世界みたいです。

まりぃべる

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20. 挨拶

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 私の荷物はマルアさんがもう着れないと言ってくれた服を二着もらったものそれだけだ。

 少ない荷物を手に持って、パン屋を出た所でケルンがいた。

「姉ちゃん、行くの?」

「ケルン。ありがとう。初めて騎士団の建物へ向かう時、あなだが案内人をしてくれて、心強かったよ。」

「へへっ!そうか?姉ちゃん、また来いよ!あ、もうお礼はもらってるからな。母ちゃんが、姉ちゃんのおかげで売れ残り野菜が無くなったって喜んでたからな!傷んでいく野菜を見て、悲しくならなくてすむからな!ありがとな!」

 まぁ!ケルンにまでそんな事を言われるなんて。

「どういたしまして。じゃあね!」



 しばらく歩いて、私は聞いた。

「あの。どうして挨拶して下さったのですか?」

 クスファーさんが二階にまで上ってくるとは思わなかったし、私が出て行きますと言えば済むかと思っていたのに、結婚をするからという理由にして、連れて行きますと言ってくれた事が、驚いたのだ。

「ああ…いきなりで済まない。今から王宮に行って、リンは王宮に泊らせてもらおう。リンは『子どもが産まれたらパン屋を出よう』と言っていたが、俺が一緒にいる時にちょうど産まれていたし。リンを拾ってくれた二人が言わば保護者みたいなものだろ。だから挨拶もちょうどしたかったのだ。いいタイミングで話せたな。急だっただろうが、こうでもしないと自分じゃ言いにくいだろう。」

 確かに、今後の事をしっかりと話さなかったのもよくないけれど、赤ちゃんが産まれた日に私が『お世話になりました!』って出て行くのも感じ悪いわよね。二人はとても気のいい夫婦だったもの。クスファーさんが『結婚を前提に付き合うから連れていきます』って言った方が角が立たないかも?
彼の気遣いがとても嬉しく感じた。

「俺はまだ仕事が少し残っていて多分あと二、三日はこちらにいるんだ。王宮にある騎士団の宿舎に住まいがある。男しかいない場所にリンを連れてはいけないから、君は王宮に泊まらせてもらうのが一番だ。…本当は、リンだけ一足先に侯爵家へ行ってもらう事も出来るが、リンが嫌だと思ってね。でもどちらでも構わないよ。」

 と説明を受けた。
どちらでもいいって言ってくれたけれど、どちらともかなり豪華な選択肢ではないかしら。

「私が侯爵家へ行ったら、すぐ結婚になるの?」

 侯爵家へ行くってそもそもどういう感じか良く分からない。すぐ結婚って事?まだちょっと早い気がするのよね。確かにクスファーさんは所作も素敵で顔も見目麗しいし格好いいんだけど、知り合って数日で結婚なんて電撃過ぎない?
それとも、同棲って感じなのかしら?

「いや…んー。まぁ、俺はすぐしたいくらいだけどね。まだいろと準備が出来てからかな。」

「ええと、じゃあ侯爵家へ行くって、住まわせてくれるの?同棲?」

「どうせい?それは何か分からないが、そうだ。婚約者がその家でしきたりなどを勉強しながら、一つ屋根の下に住む事は一般的ではあるからな。」

 あ、なるほど。よかったー。すぐ結婚ではないのね。てか婚約者…そう言葉に出されると口元が緩んできてしまう。

「そうなのね、いろいろと知らなくてごめんなさい。侯爵家へ行くのは、クスファーさんと一緒に行けるんですか?」

「そうなるといいかなとは思っていたよ。リンはそれでいい?」

「はい。それが良いです!」

 まだ、クスファーさんの事をよく知らないし。
だけれどたくさん知っていきたいと思う。それに少しでも一緒にいたいと思うから、これが恋なのだろうか?
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