【完結】それはダメなやつと笑われましたが、どうやら最高級だったみたいです。

まりぃべる

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話題の事欠かない人

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 話題の事欠かない人がおります。

「ちょっと!今あなた何かしたでしょ!?先生、調子を狂わされましたから、今日は無理ですわ。」

「またなのですか!?コーデルさん。出来ないなら出来ないと正直に言えばいいのですよ。」

「何をおっしゃっているのかしら?先生、私の石は素晴らしいのです。出来ないわけないじゃないですか?今ちょっと調子を狂わされましたと言ったじゃないですか。だから明日は出来ると思います。」

「はー。…そう言ってコーデルさんはまだ一度も課題をこなせていませんよね?水を出すのでも、火を付けるのでも、花を咲かせるのでも何でも良いのですよ?」

「ええ。ですから、調子を狂わされたのです。私を妬む人が、私に向かって、石で操作したのですわ。」

「コーデルさん…。では、どなたがあなたにやったと言うのです?そんな魔力は感じませんでしたよ。」

「先生が感じないようにどなたかがこっそりとやったのですわ!」


 最近、実技の授業では毎回このような調子です。自分が出来ないのは他人が悪さをするせい、だとか毎回先生に言っているのですよね。そんなわけないのに。

「また言っているわよ、あの女。先生も相手にしなければいいのですけれど、お優しいですわねぇ。」

「全くですわ。あの女と言えば…噂をご存じ?あの女、最近婚約関係にある男性を誘惑しているとか…。」

「まぁ!全く…ラリアーもそんな話どこから…。けれど、面白いじゃないの。あの女、相手にされるのかしら?」

「それが、されちゃうのですって。男としたら、学生時代の、みたいなものなんじゃないかしらね?こっちにまで、火の粉が降りかからないといいですけれど。」

 サイメーラとラリアーが話している。相変わらず、どこからか噂を聞きつけるみたいで本当に素早いわ。
でも、それが本当だったら、婚約関係にある人達、大丈夫なのかしら?

「それで、お相手は大丈夫なの?」

「ベタベタと、くっ付いているらしいわ。今はほら、シンラス=ケルゲイン伯爵令息に手を出しているみたいよ。それで、まぁ、あの女胸だけは大きいじゃない?腕を絡ませて胸を押し付けているって目撃情報があるわ。婚約関係にあるソフィア=サーディーン子爵令嬢は、鼻を伸ばしてうまくあしらわないから気にくわないってぼやいてましたわ。」

「まぁ…!」

 シンラス=ケルゲイン伯爵令息は、顔もそれなりに整っており、素敵だと思っている女子も少なくはないみたい。
けれど、探索の儀が終わって少しした頃、ソフィア=サーディーン子爵令嬢との婚約発表があったのよね。

 それにしても…本当に話題に事欠かない人ですわね。男爵家にご迷惑をお掛けする事は、養子にしていただいた恩を仇で返すと思うのですけれど、よろしいのでしょうか…。最も、他人の私がどうこう言う話ではないでしょうけれども。

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