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家族の石
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そう言って、お父様がまず見せて下さいました。お父様に見せてもらった覚えはあったでしょうか。物心ついてからはお父様と過ごす時間は、あったけれどわざわざ見せてもらった記憶は無かったように思います。
「私のは、橙色だよ。ほら。」
お父様はそう言って、ネクタイピンを外して見せて下さった。表に、小指の先ほどの大きさの石が嵌まっていた。
「お父様の石も、私のものと同じ位の大きさなのですね。」
私は、そう呟いておりました。きっと不安げな顔をしていたのかもしれません。
「そうだね。稀に、大きさで何か言ってくる頭のネジが抜けた輩もいたが、魔力は大きさや色に全く関係ない。見た目に騙されてはいかんよ。自信を持ちなさい。」
と、優しい言葉を掛けて下さいました。
「はい!ありがとうございます!」
私はそう言ってもらった事で少し自信が付いて、満面の笑みで返した。
「ガヴェインは、心を穏やかにする癒しの魔力もお持ちなのよ。だから、一緒にいると優しい気持ちになれるの。それは、政治という荒んだ世界でとても役に立っているらしいわよ。だから、ガヴェインは官僚の要人なのよ。」
と、お母様は半ばのろけるように言った。
「ははは。まぁ、多少操っている感は否めないけどね。ピリピリした会議をしている時なんかは、魔力を発動させて出席者の心を穏やかにさせて、雄弁に語れば、それはもう思い通りさ!…なーんてそこまではいかないけどね。」
お父様は、本当かどうか分からないような事を言った。もし本当だったら末恐ろしい魔力が宿った石ね。ものは使いようってこの事かしら…。
でも、確かにお父様といると温かい気持ちになれるのよね。そういう魔力があったからかしら?
「次は、私ね。本当はね、指輪にしようと思ったのだけれど、指輪にするには普段使いが難しくて。だから、割って小さくしようとしたのだけれど、周りから止められてしまったのよ。だから、チェーンに付けてネックレスにしたの。私のは、情熱の赤い色ね。」
そう言って、首元からチェーンに吊された石を取り出した。
割って小さくって…!本当にお母様はある意味豪快というか、あまり深く物事を考えないというか…。
でも、コロコロと笑っているお母様を見ると、大したことないと思えるのが不思議だわ。
そして見せてもらったのはなるほど、これは小さくしたいわと思うくらい、大人の握り拳ほどの大きさの石だった。よくこれを付けていて首が凝らないなと思うほど、大きかった。
「こんなに大きくて、華やかでしょう?学生時代は皆が私の石を見て驚いたものよ。だけれどね、こんなに大きくても、魔力が詰まっているわけではないのよ。私はどちらかというと、課題はギリギリこなせていたけれど、主席ではなかったの。」
そう言ってまた、フフフ。と笑っている。
「エレナール。だからね、恥じる事はないわ。むしろ、羨ましいくらいよ。」
「じゃあ次は僕だね。これだよ。」
そう言ってお兄様は、左耳に付けているピアスを、耳を引っ張って見せてくれる。
「僕もサイズは小さい方かな。色は薄い水色だね。だけれど僕の石はそれなりに魔力もあり、種類も扱えるからね。エレナールに負けないようにしないとな。今以上に精進するよ。」
と、私を見てお兄様はウインクをしてくれた。
「わぁ。どれも個性的で、いいですね-!」
「本当に。私も自分の時が楽しみだわ!」
弟と妹も目を輝かせて言っているわ。
私の家族は皆、とても温かく自分で言うのも変だけどとても仲が良い。
こうして、私の休日は楽しくお互いの話をしながら過ぎていった。
「私のは、橙色だよ。ほら。」
お父様はそう言って、ネクタイピンを外して見せて下さった。表に、小指の先ほどの大きさの石が嵌まっていた。
「お父様の石も、私のものと同じ位の大きさなのですね。」
私は、そう呟いておりました。きっと不安げな顔をしていたのかもしれません。
「そうだね。稀に、大きさで何か言ってくる頭のネジが抜けた輩もいたが、魔力は大きさや色に全く関係ない。見た目に騙されてはいかんよ。自信を持ちなさい。」
と、優しい言葉を掛けて下さいました。
「はい!ありがとうございます!」
私はそう言ってもらった事で少し自信が付いて、満面の笑みで返した。
「ガヴェインは、心を穏やかにする癒しの魔力もお持ちなのよ。だから、一緒にいると優しい気持ちになれるの。それは、政治という荒んだ世界でとても役に立っているらしいわよ。だから、ガヴェインは官僚の要人なのよ。」
と、お母様は半ばのろけるように言った。
「ははは。まぁ、多少操っている感は否めないけどね。ピリピリした会議をしている時なんかは、魔力を発動させて出席者の心を穏やかにさせて、雄弁に語れば、それはもう思い通りさ!…なーんてそこまではいかないけどね。」
お父様は、本当かどうか分からないような事を言った。もし本当だったら末恐ろしい魔力が宿った石ね。ものは使いようってこの事かしら…。
でも、確かにお父様といると温かい気持ちになれるのよね。そういう魔力があったからかしら?
「次は、私ね。本当はね、指輪にしようと思ったのだけれど、指輪にするには普段使いが難しくて。だから、割って小さくしようとしたのだけれど、周りから止められてしまったのよ。だから、チェーンに付けてネックレスにしたの。私のは、情熱の赤い色ね。」
そう言って、首元からチェーンに吊された石を取り出した。
割って小さくって…!本当にお母様はある意味豪快というか、あまり深く物事を考えないというか…。
でも、コロコロと笑っているお母様を見ると、大したことないと思えるのが不思議だわ。
そして見せてもらったのはなるほど、これは小さくしたいわと思うくらい、大人の握り拳ほどの大きさの石だった。よくこれを付けていて首が凝らないなと思うほど、大きかった。
「こんなに大きくて、華やかでしょう?学生時代は皆が私の石を見て驚いたものよ。だけれどね、こんなに大きくても、魔力が詰まっているわけではないのよ。私はどちらかというと、課題はギリギリこなせていたけれど、主席ではなかったの。」
そう言ってまた、フフフ。と笑っている。
「エレナール。だからね、恥じる事はないわ。むしろ、羨ましいくらいよ。」
「じゃあ次は僕だね。これだよ。」
そう言ってお兄様は、左耳に付けているピアスを、耳を引っ張って見せてくれる。
「僕もサイズは小さい方かな。色は薄い水色だね。だけれど僕の石はそれなりに魔力もあり、種類も扱えるからね。エレナールに負けないようにしないとな。今以上に精進するよ。」
と、私を見てお兄様はウインクをしてくれた。
「わぁ。どれも個性的で、いいですね-!」
「本当に。私も自分の時が楽しみだわ!」
弟と妹も目を輝かせて言っているわ。
私の家族は皆、とても温かく自分で言うのも変だけどとても仲が良い。
こうして、私の休日は楽しくお互いの話をしながら過ぎていった。
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