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誰が直したの?
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次の日、私は先生に呼び出しを受けました。初めての事なのでとてもドキドキして職員室を訪れました。
「失礼します。」
「ああ、来たのね!エレナールちゃん!もう、あれはもしかしなくてもあなたの仕業よね?」
入り口の扉を開けるなり、先生が飛び出す勢いで私の元へ駆け寄ってきて、隣の相談室に連れて行かれ、対面で座らされました。
「ええと…なんの事でしょう…」
先生がぐいぐいと顔を近づけ、食い気味に話しかけてくるから腰が引ける感じで、体を若干仰け反りつつ問いかけました。
「あーん!もう!とぼけなくていいのよぉ!怒っているわけではないのよ!旧演習ホールの事よ!」
ああ…その事ですか。良かった、怒っているわけではないって言われて。でも、私はそれより先生の話し方が授業の時とはかけ離れているなぁと全く関係のない事を考えておりました。
「ええ、それなら私が練習ついでに直しました。なんか、ボロボロになっていて今にも朽ち果てそうで。兄が壊したと聞いて余計申し訳ない気持ちになりまして…。出来るか分からなかったのですが、石に聞いてみたらああなりました。」
「いやーん!もう!素晴らしいわね!!ねぇ、どうやったの?あれは、高等技術よ!!時間経過を巻き戻しさせる応用も入っていると思うわ。もしかして、今までの授業の中断は、あなたの仕業ね!?」
先生は、両手を顔と胸の間で組み、話す度に右へ左へと動かすので、それが今度は気になり始めました。まるで、恋する乙女のように目もキラキラと輝いているような…。
「ええと、仕業といわれましても…。私にはまだまだ難しくて調節が出来ず、雨を振らせたり爆発したりしたかもしれません…。授業を中断させて申し訳ありませんでした。」
と、説明が出来ないながらも私のせいだと言われて、謝る事しか出来なかった。
「あーん!いいのよぉ、謝らないで!!むしろ誇らしいわよ!あなたのお兄さんのオーヴィル君も、初めはそうだったのよね。制御が難しいといって、演習ホールで練習をしたいと言って。そうよね。他の子を巻き込んでもいけないものね。エレナールちゃん、あなたはどう?だいぶ制御出来るようになった?」
「んー、どうなのでしょう。石に、授業だから、弱めでやってとは付け加えるようにしました。」
「あら!偉いじゃないの!そうよ。イメージが大事ですからね。あなたのイメージ一つで石は魔力を使ってしまうのよ。気をつけてね。もしどうしても難しいなら、魔力制御装置を付けることも出来るけれど、石が拗ねたりしても困るものね。」
「魔力制御装置?そんなのあるんですか?しかも、石が拗ねるのですか?」
「あら!拗ねるわよ-。拗ねられたりしたら厄介よ。今まで使えていた魔力も、途端に放出しなくなるんだから。」
「先生は、拗ねさせた事…」
「あるわ。だから今は、私は石を敬っているわ。驕っては絶対にだめよ。石が、魔力を使ってくれるのだから。自分が偉いんじゃないのよ。」
なるほど…だから先生は、対話をして、とかよく言うのね。石をただの石としてでなく、意思のあるモノとして見ているんだわ。
「魔力制御装置なのだけど、付けない方が、石の力がどのくらいあるかわかるから、学生の内は付けなくて慣れていったほうがいいわよ。頑張って制御する事ね。あ、そうそう。二年生や三年生が出場する魔術大会、あなたは今年はまだ出場させないから。実力はありそうだけどもっと使いこなせるようにならないと、危ないものね。見に行くのも禁止よ。稀に石が共鳴して、暴走する場合もあるからね。」
暴走…それは怖いですわ。魔術大会は石の魔力を持つ者同士を戦わせる大会で、お兄様も出るでしょうから見たかったのですけれど、残念ですが見に行かない方がいいですわね。
「はーすっきりした!誰が直したのか気になって気になって…。あ、もう面倒だろうし、旧演習ホールは書類出さなくても使いたい時に使いなさい。許可するわ。でも、卒業するまでに制御出来るように頑張るのよ。」
わーやった!いつでも使っていいなんて。ありがとうございます!
「失礼します。」
「ああ、来たのね!エレナールちゃん!もう、あれはもしかしなくてもあなたの仕業よね?」
入り口の扉を開けるなり、先生が飛び出す勢いで私の元へ駆け寄ってきて、隣の相談室に連れて行かれ、対面で座らされました。
「ええと…なんの事でしょう…」
先生がぐいぐいと顔を近づけ、食い気味に話しかけてくるから腰が引ける感じで、体を若干仰け反りつつ問いかけました。
「あーん!もう!とぼけなくていいのよぉ!怒っているわけではないのよ!旧演習ホールの事よ!」
ああ…その事ですか。良かった、怒っているわけではないって言われて。でも、私はそれより先生の話し方が授業の時とはかけ離れているなぁと全く関係のない事を考えておりました。
「ええ、それなら私が練習ついでに直しました。なんか、ボロボロになっていて今にも朽ち果てそうで。兄が壊したと聞いて余計申し訳ない気持ちになりまして…。出来るか分からなかったのですが、石に聞いてみたらああなりました。」
「いやーん!もう!素晴らしいわね!!ねぇ、どうやったの?あれは、高等技術よ!!時間経過を巻き戻しさせる応用も入っていると思うわ。もしかして、今までの授業の中断は、あなたの仕業ね!?」
先生は、両手を顔と胸の間で組み、話す度に右へ左へと動かすので、それが今度は気になり始めました。まるで、恋する乙女のように目もキラキラと輝いているような…。
「ええと、仕業といわれましても…。私にはまだまだ難しくて調節が出来ず、雨を振らせたり爆発したりしたかもしれません…。授業を中断させて申し訳ありませんでした。」
と、説明が出来ないながらも私のせいだと言われて、謝る事しか出来なかった。
「あーん!いいのよぉ、謝らないで!!むしろ誇らしいわよ!あなたのお兄さんのオーヴィル君も、初めはそうだったのよね。制御が難しいといって、演習ホールで練習をしたいと言って。そうよね。他の子を巻き込んでもいけないものね。エレナールちゃん、あなたはどう?だいぶ制御出来るようになった?」
「んー、どうなのでしょう。石に、授業だから、弱めでやってとは付け加えるようにしました。」
「あら!偉いじゃないの!そうよ。イメージが大事ですからね。あなたのイメージ一つで石は魔力を使ってしまうのよ。気をつけてね。もしどうしても難しいなら、魔力制御装置を付けることも出来るけれど、石が拗ねたりしても困るものね。」
「魔力制御装置?そんなのあるんですか?しかも、石が拗ねるのですか?」
「あら!拗ねるわよ-。拗ねられたりしたら厄介よ。今まで使えていた魔力も、途端に放出しなくなるんだから。」
「先生は、拗ねさせた事…」
「あるわ。だから今は、私は石を敬っているわ。驕っては絶対にだめよ。石が、魔力を使ってくれるのだから。自分が偉いんじゃないのよ。」
なるほど…だから先生は、対話をして、とかよく言うのね。石をただの石としてでなく、意思のあるモノとして見ているんだわ。
「魔力制御装置なのだけど、付けない方が、石の力がどのくらいあるかわかるから、学生の内は付けなくて慣れていったほうがいいわよ。頑張って制御する事ね。あ、そうそう。二年生や三年生が出場する魔術大会、あなたは今年はまだ出場させないから。実力はありそうだけどもっと使いこなせるようにならないと、危ないものね。見に行くのも禁止よ。稀に石が共鳴して、暴走する場合もあるからね。」
暴走…それは怖いですわ。魔術大会は石の魔力を持つ者同士を戦わせる大会で、お兄様も出るでしょうから見たかったのですけれど、残念ですが見に行かない方がいいですわね。
「はーすっきりした!誰が直したのか気になって気になって…。あ、もう面倒だろうし、旧演習ホールは書類出さなくても使いたい時に使いなさい。許可するわ。でも、卒業するまでに制御出来るように頑張るのよ。」
わーやった!いつでも使っていいなんて。ありがとうございます!
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