【完結】それはダメなやつと笑われましたが、どうやら最高級だったみたいです。

まりぃべる

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卒業披露会

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 場所は、演習ホールに移って卒業披露会となりました。

 帰った人もいるので、少し少ない人数ですね。
そこで、披露する者は真ん中へ行き、観客となる他の生徒達はぐるりと周りを囲って自由に観覧するのですわ。

「さぁ、次は私の番ですわね。」

 ラリアーが颯爽と出て行って、お辞儀をした。

「私は、ラリアー=ハルスリン。皆様、欲しいものがあればどうぞ、私にご相談下さい!ハルスリン商会がこの地の果てまで探しに行って、皆様を満足させますわ!そして、私達の相棒である石!これを装飾品に仕立てる際は是非、私にご要望を!あなただけの逸品にして差し上げますわ!」

 そう言ったラリアーは、自分の手にあった物を空に投げた。するとそれは紙だったみたいで、見ていた生徒達へと一枚一枚がフワフワと漂って行った。

「今お渡しした紙は、私の家の会社の連絡先ですわ。いつでも連絡お待ちしておりますわね!」

 そう言ったラリアーは、お辞儀をして私達の傍に戻って来た。

「素晴らしかったわね!あれは、風の魔力?」

「ええ。何人いるか分からなかったけれど、たくさん用意してきて良かった。一人一人の手元へ落ちて行くの、結構意識をもっていかれて大変だったけど上手くいって良かったわ!」

「本当素敵だったわ!紙が生きているように降りてきたみたいだったわ。」

「ありがとう!あら?なんだかサイメーラ呼ばれているわよ。」

「え?私?」

 見ると、披露する真ん中にキャスパー王子がいてサイメーラを呼んでいた。サイメーラは素早く近寄った。

「皆の者!よく聞け!俺は、キャスパー=レインヴォー。サイメーラ=ヒスリスティンと婚約している!俺は第二王子だからそのうち公爵家に婿入りとなる。だが、この国を皆で支えて行こうではないか!皆の力無くしてこの国は動かない!庶民も、貴族もだ!学校生活は良い物となった。それは、皆の助力あっての物だった。ありがとう。そして、皆でこの国をより良い方向へ向かって行こうではないか!!」

「「「オー!」」」

 キャスパー王子がそう演説をすると、男子生徒達が拳を天へと伸ばし声と共に掲げた。それは、忠誠を誓うしぐさ。

 そして、同時に空の真上に虹が掛かった。
花びらもどこからか飛んできて幾度となく舞い上がって、結婚式のフラワーシャワーのようだった。

「綺麗…!」

「素敵…!」

 私とラリアーは思わず呟いた。サイメーラなんて涙を流しているわ。
そして、それを慰めるようにキャスパー王子は頭を撫でながらこちらへサイメーラと共に来た。

「どうだ。良かっただろう?俺にだって、やれば出来るんだぞ。」

 いつぞやの、王族は見られないようにこっそり練習、の事を言っているのかしら。

「はい!とっても素晴らしかったです!一足早く、結婚式を見せてもらって感動しました。」

 そう言って、私はサイメーラを見た。いつの間にかサイメーラの頭に花冠があるわ。これも魔力で?

「サイメーラ。良かったわね。私、仕事で遠くに行っていたら結婚式見られないから、今見られて本当良かったわ。素敵だったわよ。サイメーラが虹を掛けたの?」

「…ええ。そうよ。上手く色が見えるか不安だったけれど、出来て良かったわ。」

 ラリアーが言った言葉に、涙を拭きながらそう答えてくれた。

「花びらは俺だぞ。花冠もいいだろう?サイメーラが好きな雰囲気をやったんだぜ。まぁ、国中の花が手折れていると思うがな。花屋が花が無いと嘆いていたら、金でも配ってやる。」

 まぁ!キャスパー王子ったら、照れちゃって。
おどけつつ顔を赤くしながら言っているわ。

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