【完結】私の結婚支度金で借金を支払うそうですけど…?

まりぃべる

文字の大きさ
12 / 24

これからの伯爵家

しおりを挟む
「はいよ。これでいいかね。」
と、男爵様が出された書類をお父様が記入してくれた。

「ありがとうございました。では、確認いたします。まず、こちら。爵位譲渡証明書です。伯爵家が所有されているものすべてこれからは、私が所有させてもらいます。それから…」
「な、なんだって!?」
お父様がソファから立ち上がって、叫んだ。素早く書類にサインをしてくれていたけれど、中身は目を通していなかったのね。

「おや、聞こえなかったですか?ですからこれは爵位譲渡…」
「聞こえとるわ!書類、よこせ!だましおって!!」

「伯爵!いえ…今は、義父様と呼ばせてもらいます。私が話しているのに、遮らないで頂きたい。」
と、先ほど私と話をしていた時とは全く違う、鋭い眼差しでお父様を見ている。
お父様も、畏怖を感じたのかそれともマナーとしてはさすがに悪いと思ったのか、

「す、済まない…。では取りあえず話を聞こう。」
と言った。圧倒されたのかもしれないわ。

「あなた…!どういう事!?ねぇ、何の書類にサインをしていたの?あなたが伯爵じゃないって、私は?私はどうなるの?生活は?」

「…ええと義母様。あなたも私が話しているのに、話を遮らないで頂けますか。話が前に進みません。」
男爵様は、呆れながらそう言った。

…もう!私の背中、先ほどから本当に冷や汗が滴り落ちているんじゃないかしら。何か薄ら寒くなってきた。なんだか申し訳なさでいっぱいになってきたわ。


「では話を続けます。まず、義父様。あなたは、先代伯爵が亡くなってからあとを継がれましたね?そして、引き継いだものがあまりうまくいってない。加えて、賭博もやられてかなりの負債を抱えていますね?あと、数年このままなら確実に伯爵家は潰れてしまいますよね。それは理解されてますか?」
と、男爵様は穏やかに言われた。

そうだったの!?
私、お父様がいつ仕事をなさっているのか分からなくて、よく生活できるわと思ってはいたのよね。
伯爵領ではバートンがよくやってくれているとは思っていたけれど。
そうなのね、あと数年で…。

「いや!私が賭博やっているのも、家計の足しにしようとしたんだ!実際、儲かって返済できてきた!マーガレットが、市井に商売の手伝いをしに行っているのと同じだ!!」
と、お父様は声を荒げて言っている。そんなに大きな声を出さなくても…。
それに私は、賭博をしていたと聞いて益々眉を顰めてしまった。

「義父様。マーガレット嬢は真っ当な方法で家計を助けているんですよ。賭博は我が国では違法ですよね?」

「う…。」

「ですから、私がこれからこの伯爵家の代理当主となり、私とマーガレット嬢の子供が大きく成長したら当主を継がせようと思います。潔く、隠居してもらいましょうか。どうです?異論はありませんね?」
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【第2部開始】ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜

月森かれん
ファンタジー
 中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。 戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。 暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。  疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。 なんと、ぬいぐるみが喋っていた。 しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。     天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。  ※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。

転生したので好きに生きよう!

ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。 不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。 奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。 ※見切り発車感が凄い。 ※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。

今、私は幸せなの。ほっといて

青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。 卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。 そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。 「今、私は幸せなの。ほっといて」 小説家になろうにも投稿しています。

【完結】婚約者と仕事を失いましたが、すべて隣国でバージョンアップするようです。

鋼雅 暁
ファンタジー
聖女として働いていたアリサ。ある日突然、王子から婚約破棄を告げられる。 さらに、偽聖女と決めつけられる始末。 しかし、これ幸いと王都を出たアリサは辺境の地でのんびり暮らすことに。しかしアリサは自覚のない「魔力の塊」であったらしく、それに気付かずアリサを放り出した王国は傾き、アリサの魔力に気付いた隣国は皇太子を派遣し……捨てる国あれば拾う国あり!? 他サイトにも重複掲載中です。

ドアマット扱いを黙って受け入れろ?絶対嫌ですけど。

よもぎ
ファンタジー
モニカは思い出した。わたし、ネットで読んだドアマットヒロインが登場する作品のヒロインになってる。このままいくと壮絶な経験することになる…?絶対嫌だ。というわけで、回避するためにも行動することにしたのである。

ある、義妹にすべてを奪われて魔獣の生贄になった令嬢のその後

オレンジ方解石
ファンタジー
 異母妹セリアに虐げられた挙げ句、婚約者のルイ王太子まで奪われて世を儚み、魔獣の生贄となったはずの侯爵令嬢レナエル。  ある夜、王宮にレナエルと魔獣が現れて…………。  

教養が足りない、ですって

たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリーゼは、公爵家の長男アレクシスとの婚約披露宴で突然婚約破棄される。理由は「教養が足りず、公爵夫人として恥ずかしい」。社交界の人々の嘲笑の中、エリーゼは静かに会場を去る。

(完結)嘘つき聖女と呼ばれて

青空一夏
ファンタジー
私、アータムは夢のなかで女神様から祝福を受けたが妹のアスペンも受けたと言う。 両親はアスペンを聖女様だと決めつけて、私を無視した。 妹は私を引き立て役に使うと言い出し両親も賛成して…… ゆるふわ設定ご都合主義です。

処理中です...