18 / 24
お帰りなさい
しおりを挟む
夕食を食べ終わって紅茶を飲んでいると、屋敷の外が騒がしくなってきた。
もしかしたらカーティス様が帰って来られたのかしら?
私は席を立とうとすると、
「見てきます。こちらでお待ち下さい。」
とチャーリーが言った。
少しして、チャーリーとカーティス様が入ってきた。
「あ!お帰りなさいませ。」
私は立ち上がり、そう言った。
数刻前に会っていたのに、なんだか、顔を見れて嬉しく思ってしまったわ。
だって、暗くなっても帰って来られないのですから。少し不安になってきていたのよね。
「ああ。ただいま。…いいね!マーガレットにお帰りを言われるのはとても素敵だ。私も食事をいただいてもいいかな?さぁ、座って?」
と言って、男爵様は私の向かいに座った。
「急いでって言ったんだけどね。思ったより書類の処理に時間が掛かってしまった。マーガレット。今日はここに泊まってもいいかな?」
男爵様に言われたけれど、多分チャーリーがその辺り準備していたのよね。でも、私に確認を取ってくれる所が誠実さが出ているわよね。…素敵だわ。
「ええ。けれどすみません。不備があるか不安ですが…。」
「ああ、大丈夫だよ。俺も元は一般庶民だったから、床でだって寝られるんだ。」
「え!や、あのお父様のベッドをお使い下さい。シーツなどは変えてありますから!」
「はは!ありがとう。マーガレットは本当に優しいね。ほら、いつも俺にオススメのパンを教えてくれるし。俺が眠そうだと思ったら、コショウの効いたパンとかどうだとかさ。もう、本当マーガレットは最高だよ!」
と、言ってくれた。
確かに、パン屋では男爵様、本当に時間を掛けて選んでいるのだもの。勧めたくもなるわ。
それに、床で寝られたら困るものね。男爵様以外にも、チャーリーやサロメ達も泊まるだろうし。客室もそんなにないから足りるのかしら。そう言ったら、チャーリーに大丈夫ですって言われたけれど…床で寝ないわよね!?
「いきなり大勢で押しかけてしまったわけで、こちらが悪いのだけどね。ちゃんとみんなベッドを使わせてもらうね。」
確か、チャーリーが新しいシーツを持ってきてくれたと言っていたものね。
それにお母様の部屋に行った時に『大きいです!これなら充分二人で寝れますね!』とソーニャがサロメに言っていたので、多分一緒に使うのでしょう。使用人が使うベッドよりははるかに大きいものね。
本当に男爵様は用意周到ね。素晴らしいわ!
「それでね、急いで申し訳ないんだけどね。明日一緒に、俺の屋敷に来てもらってもいいかな?いろいろと考えたら、結婚承諾書も提出したし、夫婦になれるんだ。式は後日やるとしても、男爵家へ行って、一緒に住んでもらえないだろうか?警備の面も心配だし…。」
警備!?最後はちょっと良く分からないけれど、お父様とお母様がいないから手薄になるという意味かしら?
「ええと…はい。未熟者ですがこれからよろしくお願いします。」
と、丁寧にお辞儀をした。
「なんだか嬉しいよ!早急に事を運び過ぎて引いてないよね!?マーガレットと一緒にいられると思ったら、一日でも早く、と気が急いてね。」
と、男爵様は頭を掻いて言った。
「本当です。私だったら引きまくってもう、結婚しても別居しますね。」
と、チャーリーが真顔で言うもんだから、私はクスッと吹き出してしまった。
「え!?チャーリーやめろよ!そんな事ないよね!?どうしよ!」
と男爵様、かなり焦っているわ。
…変なの。
お店でお客様として会っていた時はあんなに紳士的で冷静で大人っぽく見えたのに、今は私よりも年下に見えるほど、表情がとても豊かだわ。
でも、それも私に気を許してくれている証拠かしら?
「男爵様って、なんだか弟みたいですね!」
クスクス笑って、思わず言ってしまった。
「え!マーガレット!ひどいよ!でも笑顔は可愛いけど!…覚えておいてよ。屋敷に帰ったら、そんな事言わせないからね!」
そう言っていきなり、私の近くまでカツカツと靴を鳴らして歩いて来た。
え!?私怒らせちゃったかしら!!
と、咄嗟に目を瞑った。
「チュッ!」
すると、柔らかいものが頬に当たった感触があった。
「!?」
もしかしたらカーティス様が帰って来られたのかしら?
私は席を立とうとすると、
「見てきます。こちらでお待ち下さい。」
とチャーリーが言った。
少しして、チャーリーとカーティス様が入ってきた。
「あ!お帰りなさいませ。」
私は立ち上がり、そう言った。
数刻前に会っていたのに、なんだか、顔を見れて嬉しく思ってしまったわ。
だって、暗くなっても帰って来られないのですから。少し不安になってきていたのよね。
「ああ。ただいま。…いいね!マーガレットにお帰りを言われるのはとても素敵だ。私も食事をいただいてもいいかな?さぁ、座って?」
と言って、男爵様は私の向かいに座った。
「急いでって言ったんだけどね。思ったより書類の処理に時間が掛かってしまった。マーガレット。今日はここに泊まってもいいかな?」
男爵様に言われたけれど、多分チャーリーがその辺り準備していたのよね。でも、私に確認を取ってくれる所が誠実さが出ているわよね。…素敵だわ。
「ええ。けれどすみません。不備があるか不安ですが…。」
「ああ、大丈夫だよ。俺も元は一般庶民だったから、床でだって寝られるんだ。」
「え!や、あのお父様のベッドをお使い下さい。シーツなどは変えてありますから!」
「はは!ありがとう。マーガレットは本当に優しいね。ほら、いつも俺にオススメのパンを教えてくれるし。俺が眠そうだと思ったら、コショウの効いたパンとかどうだとかさ。もう、本当マーガレットは最高だよ!」
と、言ってくれた。
確かに、パン屋では男爵様、本当に時間を掛けて選んでいるのだもの。勧めたくもなるわ。
それに、床で寝られたら困るものね。男爵様以外にも、チャーリーやサロメ達も泊まるだろうし。客室もそんなにないから足りるのかしら。そう言ったら、チャーリーに大丈夫ですって言われたけれど…床で寝ないわよね!?
「いきなり大勢で押しかけてしまったわけで、こちらが悪いのだけどね。ちゃんとみんなベッドを使わせてもらうね。」
確か、チャーリーが新しいシーツを持ってきてくれたと言っていたものね。
それにお母様の部屋に行った時に『大きいです!これなら充分二人で寝れますね!』とソーニャがサロメに言っていたので、多分一緒に使うのでしょう。使用人が使うベッドよりははるかに大きいものね。
本当に男爵様は用意周到ね。素晴らしいわ!
「それでね、急いで申し訳ないんだけどね。明日一緒に、俺の屋敷に来てもらってもいいかな?いろいろと考えたら、結婚承諾書も提出したし、夫婦になれるんだ。式は後日やるとしても、男爵家へ行って、一緒に住んでもらえないだろうか?警備の面も心配だし…。」
警備!?最後はちょっと良く分からないけれど、お父様とお母様がいないから手薄になるという意味かしら?
「ええと…はい。未熟者ですがこれからよろしくお願いします。」
と、丁寧にお辞儀をした。
「なんだか嬉しいよ!早急に事を運び過ぎて引いてないよね!?マーガレットと一緒にいられると思ったら、一日でも早く、と気が急いてね。」
と、男爵様は頭を掻いて言った。
「本当です。私だったら引きまくってもう、結婚しても別居しますね。」
と、チャーリーが真顔で言うもんだから、私はクスッと吹き出してしまった。
「え!?チャーリーやめろよ!そんな事ないよね!?どうしよ!」
と男爵様、かなり焦っているわ。
…変なの。
お店でお客様として会っていた時はあんなに紳士的で冷静で大人っぽく見えたのに、今は私よりも年下に見えるほど、表情がとても豊かだわ。
でも、それも私に気を許してくれている証拠かしら?
「男爵様って、なんだか弟みたいですね!」
クスクス笑って、思わず言ってしまった。
「え!マーガレット!ひどいよ!でも笑顔は可愛いけど!…覚えておいてよ。屋敷に帰ったら、そんな事言わせないからね!」
そう言っていきなり、私の近くまでカツカツと靴を鳴らして歩いて来た。
え!?私怒らせちゃったかしら!!
と、咄嗟に目を瞑った。
「チュッ!」
すると、柔らかいものが頬に当たった感触があった。
「!?」
92
あなたにおすすめの小説
【第2部開始】ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜
月森かれん
ファンタジー
中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。
戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。
暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。
疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。
なんと、ぬいぐるみが喋っていた。
しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。
天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。
※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。
転生したので好きに生きよう!
ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。
不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。
奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。
※見切り発車感が凄い。
※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。
今、私は幸せなの。ほっといて
青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。
卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。
そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。
「今、私は幸せなの。ほっといて」
小説家になろうにも投稿しています。
【完結】婚約者と仕事を失いましたが、すべて隣国でバージョンアップするようです。
鋼雅 暁
ファンタジー
聖女として働いていたアリサ。ある日突然、王子から婚約破棄を告げられる。
さらに、偽聖女と決めつけられる始末。
しかし、これ幸いと王都を出たアリサは辺境の地でのんびり暮らすことに。しかしアリサは自覚のない「魔力の塊」であったらしく、それに気付かずアリサを放り出した王国は傾き、アリサの魔力に気付いた隣国は皇太子を派遣し……捨てる国あれば拾う国あり!?
他サイトにも重複掲載中です。
ドアマット扱いを黙って受け入れろ?絶対嫌ですけど。
よもぎ
ファンタジー
モニカは思い出した。わたし、ネットで読んだドアマットヒロインが登場する作品のヒロインになってる。このままいくと壮絶な経験することになる…?絶対嫌だ。というわけで、回避するためにも行動することにしたのである。
ある、義妹にすべてを奪われて魔獣の生贄になった令嬢のその後
オレンジ方解石
ファンタジー
異母妹セリアに虐げられた挙げ句、婚約者のルイ王太子まで奪われて世を儚み、魔獣の生贄となったはずの侯爵令嬢レナエル。
ある夜、王宮にレナエルと魔獣が現れて…………。
教養が足りない、ですって
たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリーゼは、公爵家の長男アレクシスとの婚約披露宴で突然婚約破棄される。理由は「教養が足りず、公爵夫人として恥ずかしい」。社交界の人々の嘲笑の中、エリーゼは静かに会場を去る。
持参金が用意できない貧乏士族令嬢は、幼馴染に婚約解消を申し込み、家族のために冒険者になる。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
セントフェアファクス皇国徒士家、レイ家の長女ラナはどうしても持参金を用意できなかった。だから幼馴染のニコラに自分から婚約破棄を申し出た。しかし自分はともかく妹たちは幸せにしたたい。だから得意の槍術を生かして冒険者として生きていく決断をした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる