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23 彼らの新生活2 ーお出かけという名の追放ー
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乗ってきた馬車が小さくなっていってしまい途方に暮れるビリエルとディーサだったが、いつまでそうしていても仕方ないと、右側に立っている木で作られた今にも倒れそうな小屋に入る事にした。
「おい、誰かいるか?」
「ああ?誰だぁ!?」
ビリエルがそう言って木製の入り口扉を押して開けると、すぐ目の前で作業をしていたのだろう、体つきが大きく背の高い男が低いドスの聞いた声で反応した。ビリエルはそれに一瞬たじろぐが、負けじと口を開く。
「せ…説明しろ!なぜここに僕たちは来たんだ!?」
「ああ?…ハハハハ!何をいきなり…ハハハハハ!お前らこそ誰だよ?」
いきなり来た奴がそんな風に言うものだから、意表を突かれたと腹を抱えて笑い出し、言葉を返した。
「ム!笑うとは失礼な!!
僕はビリエル=ショールバリ!侯爵家の嫡男だ!!そして彼女は、ディーサ=トルンロース侯爵家のご令嬢だぞ!?」
「侯爵家…??笑わせるぜ!全く面白い奴が来た!
オレは、ここの炭鉱村を任されてるイェスタだ。
確かに、隣国から男女二人が来るって聞いてはいたけど、まさか元お貴族様とはな!ハハハハ!!」
「なにぃ?」
「おっと!オレに逆らうなよ?
ビリエルとディーサ、お前らはここに連れて来られたって事は、すでに貴族では無いって事!そして、オレの監視下にあるって事だ。」
「はぁ!?」
「ええ!?」
「見たところビリエルはピッケルや一輪車なんて扱った事なさそうなヒョロヒョロな体つきだが、二三日も扱ってりゃ、慣れるからよ。
まぁここで一生暮らすんだ、そんな突っかかる言葉使ってっと、オレが直々に指導する羽目になるから、態度を改めた方がいいぞ。
ディーサも、包丁なんて持った事無いだろうが、料理係は大切な仕事だ。心してやれよ?
あぁ、お前ら新婚夫婦なんだって?そんなのここでは全く関係ないんだが、せめてもの慈悲だそうだ、同じ部屋にしてやれってお偉いさんから通達が来てる。良かったなぁ!ガハハハハ!!」
「…」
「…」
もう、どこから聞けばいいか分からないビリエルとディーサだったが、イェスタはそれに構わずついてこい、と外に出て行く。
「ほれ、ここが一般宿舎だ。だけどお前らの部屋はその隣。一軒家だぞ?特別待遇だ!」
そう言って指差した先には、働く者達が寝泊まりするだろう割としっかりした木造の建物と、その隣にある崩れそうな小さな倉庫のような小屋。
「ここは元は物置小屋だったんだがな、お前らは二人で過ごしたいだろうし、新婚だったら飢えた男がたくさんいる宿舎より、別棟だった方がいいと思ってなぁ。好きに改造していいからな?ほれ、資材ならこの周辺に幾らでもある。」
そう言って辺りを見渡すイェスタ。
「こ、こんなボロい小屋…」
「ん?何か言ったか?聞こえんなぁ。もっとデカい声出せや!」
と、手首をボキボキと鳴らしながらいきなり先ほどのようにドスの聞いた声を出されたビリエルは震え上がり、首を縦に何度も振る。
ディーサも恐ろしいとは思いながらも、猫撫で声をどうにか絞り出して聞いてみた。
「あ、あのねイェスタさん。私達、このようなところに初めて来たの。こんな家じゃなくても、皆さんと一緒の宿舎でよろしくてよ?」
「ん?ハハハハ!
そんな言葉遣い、ここじゃやっていけんぜ?
ま、せっかく用意してやったんだし、これは残念ながら命令だ。お前ら勘違いしちゃいけねぇよ。てめえらに拒否権なんてすでにこれっぽっちもねぇんだよ!!
…ま、あとで食事やなんかの説明をしにモーナがやってくるから、それまでここ、整頓しておけや。」
そう言って、イェスタは踵を返しさっさと戻って行った。
ビリエルとディーサは、その姿を見送るしかなかったがふと我に返り、その掘っ立て小屋のような今から住処となる建物を見てまたも途方にくれるのだった。
「なんだい。湿気た面して。まだ何にも片付けてないのかい?」
どのくらいたったのか、身動きもせず立ち尽くしていた二人に、声を掛けて来たのは腰にエプロンを付けた五、六十代の年齢の女性だった。
「グズでのろまはここではやっていけないよ!ほら、さっさとやんないと夜ここで寝らんないよ、いいのかい?」
「あ…」
「でも…」
「ふん!
いいかい?ここに来たってこたぁ、今までの生活とはおさらばって事!ここで心機一転やっていくって気合い入れなくてどうすんのさ!」
そう言って二人の背中をバシッと思いっ切り叩いた。
「いっ…」
「痛…」
「痛い?気合い入れてやったのに何なのさ!?
ほれ、掃除道具はそこにあるだろ?自分の家くらい自分で掃除をしな!
食事は、隣の宿舎で三食出るからね。でも時間厳守!遅れたら無しだよ。時間は、鐘が教えてくれるさ。」
鐘が規則的に鳴ると、起床や食事、仕事終始や合間の休憩を知らせるのだと教えてくれる。
口は悪いがいろいろと教えてくれ世話を焼いてくれる女性に未だ口も開かないビリエルに変わってディーサは今さらながら聞いてみた。
「あの、あなたがモーナさん?」
「そうだよ、あんたがディーサ、そっちがビリエルだったね?
あぁディーサ、そんなワンピース着てきちまったのかい?すでにちょっと汚れてるけど、すぐに真っ黒になっちまうよ。」
「ええ?だって…」
「ま、皆一緒の支給品だけど着替えはあるし、あとで教えるから。
ほらほら!早くこの生活に慣れないと大変だよ?明日から仕事するんだからね!」
「んな事言われても慣れるわけないじゃん!」
「おや、初めて口聞いたと思ったら弱音かい?
全く…いいかい?誰だって初めから出来る人なんか居やしないよ。手探りながらもやってみようとする思いが大事なんだ、そうだろ?いつまでもグチグチ言ってたら、外で寝る事になっちまうよ!獣とか出てきても知らないからね!」
「け、獣!?」
「見たら分かるだろ!ここは自然豊かな場所だよ?いるに決まってんだろ。
ほら!どうせ道具の使い方も知らないんだろ?ここを持って、こうやって使うんだよ!」
モーナは、掃除の仕方まで教えてくれるのだった。
☆★☆★
☆★
この炭鉱村に二人がやって来て一週間。
ビリエルとディーサの今の仕事は、草刈りや木の剪定であった。
ここへ来てビリエルもディーサも少しずつではあるが自分の事は自分でするようになった。モーナは二人の指導係なのか、朝から晩まで傍でいろいろ教えてくれている。
仕事第一日目、ビリエルはピッケルを持って山の岩を砕くという作業をしたがすぐに断念。細身の体で、全く砕く事も出来なかったのだ。であればと一輪車で先輩が砕いた岩や鉱石を運び出そうとすれば、すぐに倒してしまい一向に進めない。午前中いっぱい教えてもらったのだがどうにも運ぶ事が出来ないため、さすがのイェスタも困り果て、『外の草でも抜いて片付けとけ!』と言われたのだった。
一方ディーサも、調理場に連れて行かれ皮剥きをしろと包丁を持たされたが指を何カ所も切ってしまい一緒に働いている料理係の者が血が食材につくのはいやだと包丁は取り上げられてしまう。
次は火の番をしてと言われればなぜか服に火が付いてしまいボヤ騒ぎ。調理器具や皿などの洗い物をしてと言われやっていたが全く汚れが落ちていないため料理係の皆から出ていけと言われてしまい、外に出たところでちょうどビリエルが草むしりをモーナに教わっているのに出くわした。
「草はすぐ生えるからね。さぁ綺麗にしてちょうだい!サボるとすぐ草に覆われちまうよ!
あー違う違う!!いいかい、こうやるんだよ!」
モーナは、二人共この村で即戦力にならないのかと呆れつつ、それでも周囲を綺麗にする事なら出来るだろうと、少しずつビリエルに木を切らせたりディーサに草刈りのコツを伝授したのだった。
「ディーサ、見て!僕、ここに生えてた木、全部切ったんだ!どうかな?」
「あら本当!スッキリしたわね。ビリエル凄いわ!」
「へへっ!
あれ?ディーサもその辺、背丈くらいあった草が無くなってる?見違えたね!」
「あら、そう見える?うふふふ。」
「どうだ?モーナ、あの二人は。」
どうにか口を出さなくてもやれるようになったと見守っていたモーナに、声をかけたのはイェスタ。
「そうだねぇ…まぁ、この辺り鬱蒼とした雑木林みたいになってたからね。どうにかサッパリ片づけてくれるだろうよ。草も木も、放っておいたらすぐ成長するんだから、仕事なんて棄てるほどあるからね。長い人生を掛けて、やってもらえばいいんだろう?」
「まぁ、上からはこの村で奉仕させろとのお達しだったからな。力仕事でもしてくれりゃ金になったのに、あんな根性無しじゃあなぁ…」
「いいじゃないか。周囲の見栄えが良くなるんだからね!それだって立派な仕事だよ。」
「まぁそれもそうか。奴らの仕事が出来て助かったよ。
何をやらせたらいいか、お手上げだったからなぁ」
「そうかい?管理者のイェスタが褒めてくれるなんて、嬉しい限りだね!
毎日、仕事が草取りって大変だろうけど、やってもらうしかないね。」
手際が良いかは別にして、自然相手の作業は幾らでもあるとモーナとイェスタは頷き合ったのだった。
「おい、誰かいるか?」
「ああ?誰だぁ!?」
ビリエルがそう言って木製の入り口扉を押して開けると、すぐ目の前で作業をしていたのだろう、体つきが大きく背の高い男が低いドスの聞いた声で反応した。ビリエルはそれに一瞬たじろぐが、負けじと口を開く。
「せ…説明しろ!なぜここに僕たちは来たんだ!?」
「ああ?…ハハハハ!何をいきなり…ハハハハハ!お前らこそ誰だよ?」
いきなり来た奴がそんな風に言うものだから、意表を突かれたと腹を抱えて笑い出し、言葉を返した。
「ム!笑うとは失礼な!!
僕はビリエル=ショールバリ!侯爵家の嫡男だ!!そして彼女は、ディーサ=トルンロース侯爵家のご令嬢だぞ!?」
「侯爵家…??笑わせるぜ!全く面白い奴が来た!
オレは、ここの炭鉱村を任されてるイェスタだ。
確かに、隣国から男女二人が来るって聞いてはいたけど、まさか元お貴族様とはな!ハハハハ!!」
「なにぃ?」
「おっと!オレに逆らうなよ?
ビリエルとディーサ、お前らはここに連れて来られたって事は、すでに貴族では無いって事!そして、オレの監視下にあるって事だ。」
「はぁ!?」
「ええ!?」
「見たところビリエルはピッケルや一輪車なんて扱った事なさそうなヒョロヒョロな体つきだが、二三日も扱ってりゃ、慣れるからよ。
まぁここで一生暮らすんだ、そんな突っかかる言葉使ってっと、オレが直々に指導する羽目になるから、態度を改めた方がいいぞ。
ディーサも、包丁なんて持った事無いだろうが、料理係は大切な仕事だ。心してやれよ?
あぁ、お前ら新婚夫婦なんだって?そんなのここでは全く関係ないんだが、せめてもの慈悲だそうだ、同じ部屋にしてやれってお偉いさんから通達が来てる。良かったなぁ!ガハハハハ!!」
「…」
「…」
もう、どこから聞けばいいか分からないビリエルとディーサだったが、イェスタはそれに構わずついてこい、と外に出て行く。
「ほれ、ここが一般宿舎だ。だけどお前らの部屋はその隣。一軒家だぞ?特別待遇だ!」
そう言って指差した先には、働く者達が寝泊まりするだろう割としっかりした木造の建物と、その隣にある崩れそうな小さな倉庫のような小屋。
「ここは元は物置小屋だったんだがな、お前らは二人で過ごしたいだろうし、新婚だったら飢えた男がたくさんいる宿舎より、別棟だった方がいいと思ってなぁ。好きに改造していいからな?ほれ、資材ならこの周辺に幾らでもある。」
そう言って辺りを見渡すイェスタ。
「こ、こんなボロい小屋…」
「ん?何か言ったか?聞こえんなぁ。もっとデカい声出せや!」
と、手首をボキボキと鳴らしながらいきなり先ほどのようにドスの聞いた声を出されたビリエルは震え上がり、首を縦に何度も振る。
ディーサも恐ろしいとは思いながらも、猫撫で声をどうにか絞り出して聞いてみた。
「あ、あのねイェスタさん。私達、このようなところに初めて来たの。こんな家じゃなくても、皆さんと一緒の宿舎でよろしくてよ?」
「ん?ハハハハ!
そんな言葉遣い、ここじゃやっていけんぜ?
ま、せっかく用意してやったんだし、これは残念ながら命令だ。お前ら勘違いしちゃいけねぇよ。てめえらに拒否権なんてすでにこれっぽっちもねぇんだよ!!
…ま、あとで食事やなんかの説明をしにモーナがやってくるから、それまでここ、整頓しておけや。」
そう言って、イェスタは踵を返しさっさと戻って行った。
ビリエルとディーサは、その姿を見送るしかなかったがふと我に返り、その掘っ立て小屋のような今から住処となる建物を見てまたも途方にくれるのだった。
「なんだい。湿気た面して。まだ何にも片付けてないのかい?」
どのくらいたったのか、身動きもせず立ち尽くしていた二人に、声を掛けて来たのは腰にエプロンを付けた五、六十代の年齢の女性だった。
「グズでのろまはここではやっていけないよ!ほら、さっさとやんないと夜ここで寝らんないよ、いいのかい?」
「あ…」
「でも…」
「ふん!
いいかい?ここに来たってこたぁ、今までの生活とはおさらばって事!ここで心機一転やっていくって気合い入れなくてどうすんのさ!」
そう言って二人の背中をバシッと思いっ切り叩いた。
「いっ…」
「痛…」
「痛い?気合い入れてやったのに何なのさ!?
ほれ、掃除道具はそこにあるだろ?自分の家くらい自分で掃除をしな!
食事は、隣の宿舎で三食出るからね。でも時間厳守!遅れたら無しだよ。時間は、鐘が教えてくれるさ。」
鐘が規則的に鳴ると、起床や食事、仕事終始や合間の休憩を知らせるのだと教えてくれる。
口は悪いがいろいろと教えてくれ世話を焼いてくれる女性に未だ口も開かないビリエルに変わってディーサは今さらながら聞いてみた。
「あの、あなたがモーナさん?」
「そうだよ、あんたがディーサ、そっちがビリエルだったね?
あぁディーサ、そんなワンピース着てきちまったのかい?すでにちょっと汚れてるけど、すぐに真っ黒になっちまうよ。」
「ええ?だって…」
「ま、皆一緒の支給品だけど着替えはあるし、あとで教えるから。
ほらほら!早くこの生活に慣れないと大変だよ?明日から仕事するんだからね!」
「んな事言われても慣れるわけないじゃん!」
「おや、初めて口聞いたと思ったら弱音かい?
全く…いいかい?誰だって初めから出来る人なんか居やしないよ。手探りながらもやってみようとする思いが大事なんだ、そうだろ?いつまでもグチグチ言ってたら、外で寝る事になっちまうよ!獣とか出てきても知らないからね!」
「け、獣!?」
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ほら!どうせ道具の使い方も知らないんだろ?ここを持って、こうやって使うんだよ!」
モーナは、掃除の仕方まで教えてくれるのだった。
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この炭鉱村に二人がやって来て一週間。
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ここへ来てビリエルもディーサも少しずつではあるが自分の事は自分でするようになった。モーナは二人の指導係なのか、朝から晩まで傍でいろいろ教えてくれている。
仕事第一日目、ビリエルはピッケルを持って山の岩を砕くという作業をしたがすぐに断念。細身の体で、全く砕く事も出来なかったのだ。であればと一輪車で先輩が砕いた岩や鉱石を運び出そうとすれば、すぐに倒してしまい一向に進めない。午前中いっぱい教えてもらったのだがどうにも運ぶ事が出来ないため、さすがのイェスタも困り果て、『外の草でも抜いて片付けとけ!』と言われたのだった。
一方ディーサも、調理場に連れて行かれ皮剥きをしろと包丁を持たされたが指を何カ所も切ってしまい一緒に働いている料理係の者が血が食材につくのはいやだと包丁は取り上げられてしまう。
次は火の番をしてと言われればなぜか服に火が付いてしまいボヤ騒ぎ。調理器具や皿などの洗い物をしてと言われやっていたが全く汚れが落ちていないため料理係の皆から出ていけと言われてしまい、外に出たところでちょうどビリエルが草むしりをモーナに教わっているのに出くわした。
「草はすぐ生えるからね。さぁ綺麗にしてちょうだい!サボるとすぐ草に覆われちまうよ!
あー違う違う!!いいかい、こうやるんだよ!」
モーナは、二人共この村で即戦力にならないのかと呆れつつ、それでも周囲を綺麗にする事なら出来るだろうと、少しずつビリエルに木を切らせたりディーサに草刈りのコツを伝授したのだった。
「ディーサ、見て!僕、ここに生えてた木、全部切ったんだ!どうかな?」
「あら本当!スッキリしたわね。ビリエル凄いわ!」
「へへっ!
あれ?ディーサもその辺、背丈くらいあった草が無くなってる?見違えたね!」
「あら、そう見える?うふふふ。」
「どうだ?モーナ、あの二人は。」
どうにか口を出さなくてもやれるようになったと見守っていたモーナに、声をかけたのはイェスタ。
「そうだねぇ…まぁ、この辺り鬱蒼とした雑木林みたいになってたからね。どうにかサッパリ片づけてくれるだろうよ。草も木も、放っておいたらすぐ成長するんだから、仕事なんて棄てるほどあるからね。長い人生を掛けて、やってもらえばいいんだろう?」
「まぁ、上からはこの村で奉仕させろとのお達しだったからな。力仕事でもしてくれりゃ金になったのに、あんな根性無しじゃあなぁ…」
「いいじゃないか。周囲の見栄えが良くなるんだからね!それだって立派な仕事だよ。」
「まぁそれもそうか。奴らの仕事が出来て助かったよ。
何をやらせたらいいか、お手上げだったからなぁ」
「そうかい?管理者のイェスタが褒めてくれるなんて、嬉しい限りだね!
毎日、仕事が草取りって大変だろうけど、やってもらうしかないね。」
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