【完結】兄様が果てしなくアレなのですけど、伯爵家の将来は大丈夫でしょうか?

まりぃべる

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私、レフィア

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 私は今日も学院へ通います。兄様の着替えを、持って。

 最近は、執事のセージルは言わなくても、着替えの入った袋を準備しておいてくれます。

 つまり、最近は屋敷に、帰って来ないのです。

 学院に着けば、兄様の教室に持って行ってから自分の教室に行くのが日課となっております。

 兄様の教室に着くと、いつも女生徒が『私が渡すからちょうだい!』『いいえ、私よ!』と、人だかりが出来るのですけれど、最近は公爵令息のケイフィス様が階段で待っていて下さって、受け取ってくれます。

 自分で取りに来なさいよと思うのですけれど。

 兄様は始業ギリギリに登院されるので仕方ありませんわ。
私と登院されてた時はもう少し余裕を持った時間に学院に着いていたのですけれど。


「おはようレフィア嬢。今日はこれかな?」

 ケイフィス様は爽やかな笑顔で待っていてくれた。

 煌めく金髪、紫色の瞳のお姿のケイフィス様に、ファンクラブがないのが不思議です。

「いつも申し訳ありません、ケイフィス様。ご迷惑をお掛けしまして。」

「そんな事もないさ。ブルフェスは頼りにしているんだよ。それに、レフィア嬢に毎朝会えるのは役得だよ。」

 と、素敵な笑顔で返してくれる。

「まぁ!ご冗談を。でもそう言っていただけて、少し救われますわ。」

 と、私も少しはにかんで言った。

「やだなぁ。本心なんだけどね。じゃあ渡しておくよ。あ、そうだ!今日の帰り、良かったら一緒に帰らないかい?最近出来た店に行きたいんだけど、一人じゃあちょっとね。」

 え、まさかこれってデートみたいですわ!

 いいえ、いいえ。
一人じゃちょっと行けないから誰でもいいから誘って下さっているかもしれないわ。たまたま会ったのが私なだけかもしれないから、あまり喜びすぎるのはよくないわね。

「どうかな?」

 けれどやっぱり、期待しちゃうわ。

「…はい。よろしくお願いします。」

 少し顔が赤くなってしまってないかしら。

「良かった!じゃあ、授業後は教室で待っててくれるかい?迎えに行くよ。」

「分かりました。お待ちしております。」



 ケイフィス様は、肩幅もがっしりとしていて背も私より頭二つほど高いし、目鼻立ちがくっきりとしているので密かにお慕いはしていたの。学年は違うけれど、公爵令息というのもあってか目立つもの。
学友と一緒におられる時もそんなにはしゃいだりはされないからクールな感じなのかと思ったのよね。

 だけれど、私が女生徒にもみくちゃにされているのを見かねて話し掛けて下さって、あんな風に気さくに話して下さるから人は見かけに寄らないんだと思ったわ。

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