5 / 18
ボヤ騒ぎ
しおりを挟む
「ねぇレフィア。最近ボヤ騒ぎが続いているって知ってる?」
そのように、クラスのお友達が教えてくれました。
どうやら、授業後、使われない教室などの学院内で煙が出ているという目撃が最近増えているらしいのです。
でも、先生を連れてその教室を見に行くといつの間にか、煙は出ていないそう。
「えーなんか恐ろしいですわ…。」
「でも、火事じゃなくて良かったですね。」
「そうですわね。火事でしたら大変ですものね。」
「でもなんで消えてしまうのでしょう?そもそも煙、本当は無いのかしら?」
「いやー!」
「こわいわ-!」
あ、兄様ですわ。
私は今クラスのお友達と別れ、一人で歩いておりました。
「兄様。」
「やぁレフィア。どうしたの?浮かない顔をして。」
いやだわ。飄々としているのに、こういう所は敏いのね。
「ええ兄様。先ほど、お友達が話していたのです。最近ボヤ騒ぎが続いているとか。お友達が、煙を見つけて先生と一緒に教室に行ったら無かったのですって。」
「そうなのか…それは我が目を疑うね。でも、火事ではなくて良かったね。その、先生と一緒に見に行ったお友達も見事だね。感服するよ。素晴らしいお友達だね。」
と兄様はそう言ってくれ、頭をひと撫でしてくれた。
「驚いたかもしれないけれど、何事もなくて良かったじゃないか。さぁ、元気を出して。レフィアがしょんぼりしていると僕も悲しくなってきちゃうな。そうそう。レフィアは笑っていた方がより、可愛いよ。」
そう言ってまた、頭を撫でてくれた。もう!兄様は私をすぐ子供扱いするのだから!
「兄様。私はもう小さな子供ではございませんわ!…けれど、お話を聞いて下さりありがとうございました。」
「ははは。ダメだったかい?レフィアはいつでも僕の可愛い妹だよ。もちろん、
アリールルも可愛いんだよ。最近は会っていないなぁ…。元気にしているかい?」
「ええ兄様。…あまり屋敷に帰って来ないのもどうかと思いますわよ。アリールルも淋しがっておりますわ。」
「そうかい?僕は会うといつも怒られるんだけどね。またアリールルにも会いに行かないとね。」
「そうではなくて、お屋敷なのですから、帰って来ればよろしいのですよ。」
「ハハハ。分かった分かった!また、そのうちに帰るよ。母上にもよろしく言っておいてくれ。」
そう、兄様と話していると、遠くから兄様を呼ぶ女性の声が聞こえてきた。
「ん?呼ばれているな。ごめんね、レフィア。じゃあ行くね。」
「はい兄様。また。」
そう言うと、手をヒラヒラと振って、呼ばれた方へ向かって行った。
そのように、クラスのお友達が教えてくれました。
どうやら、授業後、使われない教室などの学院内で煙が出ているという目撃が最近増えているらしいのです。
でも、先生を連れてその教室を見に行くといつの間にか、煙は出ていないそう。
「えーなんか恐ろしいですわ…。」
「でも、火事じゃなくて良かったですね。」
「そうですわね。火事でしたら大変ですものね。」
「でもなんで消えてしまうのでしょう?そもそも煙、本当は無いのかしら?」
「いやー!」
「こわいわ-!」
あ、兄様ですわ。
私は今クラスのお友達と別れ、一人で歩いておりました。
「兄様。」
「やぁレフィア。どうしたの?浮かない顔をして。」
いやだわ。飄々としているのに、こういう所は敏いのね。
「ええ兄様。先ほど、お友達が話していたのです。最近ボヤ騒ぎが続いているとか。お友達が、煙を見つけて先生と一緒に教室に行ったら無かったのですって。」
「そうなのか…それは我が目を疑うね。でも、火事ではなくて良かったね。その、先生と一緒に見に行ったお友達も見事だね。感服するよ。素晴らしいお友達だね。」
と兄様はそう言ってくれ、頭をひと撫でしてくれた。
「驚いたかもしれないけれど、何事もなくて良かったじゃないか。さぁ、元気を出して。レフィアがしょんぼりしていると僕も悲しくなってきちゃうな。そうそう。レフィアは笑っていた方がより、可愛いよ。」
そう言ってまた、頭を撫でてくれた。もう!兄様は私をすぐ子供扱いするのだから!
「兄様。私はもう小さな子供ではございませんわ!…けれど、お話を聞いて下さりありがとうございました。」
「ははは。ダメだったかい?レフィアはいつでも僕の可愛い妹だよ。もちろん、
アリールルも可愛いんだよ。最近は会っていないなぁ…。元気にしているかい?」
「ええ兄様。…あまり屋敷に帰って来ないのもどうかと思いますわよ。アリールルも淋しがっておりますわ。」
「そうかい?僕は会うといつも怒られるんだけどね。またアリールルにも会いに行かないとね。」
「そうではなくて、お屋敷なのですから、帰って来ればよろしいのですよ。」
「ハハハ。分かった分かった!また、そのうちに帰るよ。母上にもよろしく言っておいてくれ。」
そう、兄様と話していると、遠くから兄様を呼ぶ女性の声が聞こえてきた。
「ん?呼ばれているな。ごめんね、レフィア。じゃあ行くね。」
「はい兄様。また。」
そう言うと、手をヒラヒラと振って、呼ばれた方へ向かって行った。
26
あなたにおすすめの小説
守護神の加護がもらえなかったので追放されたけど、実は寵愛持ちでした。神様が付いて来たけど、私にはどうにも出来ません。どうか皆様お幸せに!
蒼衣翼
恋愛
千璃(センリ)は、古い巫女の家系の娘で、国の守護神と共に生きる運命を言い聞かされて育った。
しかし、本来なら加護を授かるはずの十四の誕生日に、千璃には加護の兆候が現れず、一族から追放されてしまう。
だがそれは、千璃が幼い頃、そうとは知らぬまま、神の寵愛を約束されていたからだった。
国から追放された千璃に、守護神フォスフォラスは求愛し、へスペラスと改名した後に、人化して共に旅立つことに。
一方、守護神の消えた故国は、全ての加護を失い。衰退の一途を辿ることになるのだった。
※カクヨムさまにも投稿しています
【完結】溺愛される意味が分かりません!?
もわゆぬ
恋愛
正義感強め、口調も強め、見た目はクールな侯爵令嬢
ルルーシュア=メライーブス
王太子の婚約者でありながら、何故か何年も王太子には会えていない。
学園に通い、それが終われば王妃教育という淡々とした毎日。
趣味はといえば可愛らしい淑女を観察する事位だ。
有るきっかけと共に王太子が再び私の前に現れ、彼は私を「愛しいルルーシュア」と言う。
正直、意味が分からない。
さっぱり系令嬢と腹黒王太子は無事に結ばれる事が出来るのか?
☆カダール王国シリーズ 短編☆
攻略対象の王子様は放置されました
蛇娥リコ
恋愛
……前回と違う。
お茶会で公爵令嬢の不在に、前回と前世を思い出した王子様。
今回の公爵令嬢は、どうも婚約を避けたい様子だ。
小説家になろうにも投稿してます。
【完結】氷の王太子に嫁いだら、毎晩甘やかされすぎて困っています
22時完結
恋愛
王国一の冷血漢と噂される王太子レオナード殿下。
誰に対しても冷たく、感情を見せることがないことから、「氷の王太子」と恐れられている。
そんな彼との政略結婚が決まったのは、公爵家の地味な令嬢リリア。
(殿下は私に興味なんてないはず……)
結婚前はそう思っていたのに――
「リリア、寒くないか?」
「……え?」
「もっとこっちに寄れ。俺の腕の中なら、温かいだろう?」
冷酷なはずの殿下が、新婚初夜から優しすぎる!?
それどころか、毎晩のように甘やかされ、気づけば離してもらえなくなっていた。
「お前の笑顔は俺だけのものだ。他の男に見せるな」
「こんなに可愛いお前を、冷たく扱うわけがないだろう?」
(ちょ、待ってください! 殿下、本当に氷のように冷たい人なんですよね!?)
結婚してみたら、噂とは真逆で、私にだけ甘すぎる旦那様だったようです――!?
妹が「この世界って乙女ゲーじゃん!」とかわけのわからないことを言い出した
無色
恋愛
「この世界って乙女ゲーじゃん!」と言い出した、転生者を名乗る妹フェノンは、ゲーム知識を駆使してハーレムを作ろうとするが……彼女が狙った王子アクシオは、姉メイティアの婚約者だった。
静かな姉の中に眠る“狂気”に気付いたとき、フェノンは……
ヒロインが私の婚約者を攻略しようと狙ってきますが、彼は私を溺愛しているためフラグをことごとく叩き破ります
奏音 美都
恋愛
ナルノニア公爵の爵士であるライアン様は、幼い頃に契りを交わした私のご婚約者です。整った容姿で、利発で、勇ましくありながらもお優しいライアン様を、私はご婚約者として紹介されたその日から好きになり、ずっとお慕いし、彼の妻として恥ずかしくないよう精進してまいりました。
そんなライアン様に大切にされ、お隣を歩き、会話を交わす幸せに満ちた日々。
それが、転入生の登場により、嵐の予感がしたのでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる