15 / 18
そして
しおりを挟む
「では兄様は悪い遊びはしていなかったのでしょうか。」
「ははは。何度も確認してそんなに心配か!していなかっただろうな。そんな暇もないと言った所か。煙も、吸い込まないようにしていたぞ。あいつはそういう所で鼻が利く。風向きを選んで傍に立ったり、奴らに接近していた。あいつはそんな奴じゃないだろう?」
兄様に視線をやりながら、私を見て話して下さった。
「そうでしたか。ありがとうございました。本当にホッとしました。」
と、私は座りながら頭を下げた。
「まぁ、女遊びを派手にしているように見せたのは悪かったな。…さぁ!私の話はここまでだ。済まないが時間だな。やる事があるから私は下がるが、あとは好きにしろ。」
と言って、マーフィス様は部屋から出て行った。きっと、事後処理をしに行くのかもしれない。
そう言われ、この部屋にいる必要も無くなったのでアリールルと出て行こうとすると、ケイフィス様に呼び止められた。
「レフィア嬢!少しだけ話しをしてもいいかい?」
そう言われると、アリールルはすぐさま、
「姉様。私はホールへ行きますわ。ではまた後ほど。ケイフィス様。姉様をよろしくお願いいたします。」
と、そう言って私が返事をする間もなく素早く部屋を出て行ってしまった。
「妹君に気を遣わせてしまったかな。」
手で自身の頭を掻きながら私のソファへ近づいて来ながら言った。
「済まないね。今日はせっかく会えたからね。学院を卒業してからは、レフィア嬢となかなか会えなくなってしまって淋しかったよ。」
そう言いながら、私の隣へ座ってきたので思わずときめいてしまったわ。一応、未婚の男女であるからか、少し間を開けて座ってくれたのはまた好感が持てるわね。
私も、また会えたのはとても嬉しかったから、もう少し近くに座って下さっても良かったのですけれど。
「ブルフェス達もいるから本当は出て行った方がいいのだろうけどね。君の父上に二度ほど申し出をしているのだけど、なかなか、返事をしてくれないから本人に直接聞いてみようかと思ってね。」
え?お父様に何かを言われているの?ケイフィス様は一体どんな?
「あの…何を…。」
そう言うと、ケイフィス様は口に手を当てて、顔を逸らし何か逡巡している様子だわ。どうしたのかしら。そんなに言いにくい事?
そして、こちらに再び顔を向けた時には、私の目をしっかりと見て、言葉を繋ぎだした。
「レフィア嬢…いや、レフィア。俺と結婚してくれないか?」
「ははは。何度も確認してそんなに心配か!していなかっただろうな。そんな暇もないと言った所か。煙も、吸い込まないようにしていたぞ。あいつはそういう所で鼻が利く。風向きを選んで傍に立ったり、奴らに接近していた。あいつはそんな奴じゃないだろう?」
兄様に視線をやりながら、私を見て話して下さった。
「そうでしたか。ありがとうございました。本当にホッとしました。」
と、私は座りながら頭を下げた。
「まぁ、女遊びを派手にしているように見せたのは悪かったな。…さぁ!私の話はここまでだ。済まないが時間だな。やる事があるから私は下がるが、あとは好きにしろ。」
と言って、マーフィス様は部屋から出て行った。きっと、事後処理をしに行くのかもしれない。
そう言われ、この部屋にいる必要も無くなったのでアリールルと出て行こうとすると、ケイフィス様に呼び止められた。
「レフィア嬢!少しだけ話しをしてもいいかい?」
そう言われると、アリールルはすぐさま、
「姉様。私はホールへ行きますわ。ではまた後ほど。ケイフィス様。姉様をよろしくお願いいたします。」
と、そう言って私が返事をする間もなく素早く部屋を出て行ってしまった。
「妹君に気を遣わせてしまったかな。」
手で自身の頭を掻きながら私のソファへ近づいて来ながら言った。
「済まないね。今日はせっかく会えたからね。学院を卒業してからは、レフィア嬢となかなか会えなくなってしまって淋しかったよ。」
そう言いながら、私の隣へ座ってきたので思わずときめいてしまったわ。一応、未婚の男女であるからか、少し間を開けて座ってくれたのはまた好感が持てるわね。
私も、また会えたのはとても嬉しかったから、もう少し近くに座って下さっても良かったのですけれど。
「ブルフェス達もいるから本当は出て行った方がいいのだろうけどね。君の父上に二度ほど申し出をしているのだけど、なかなか、返事をしてくれないから本人に直接聞いてみようかと思ってね。」
え?お父様に何かを言われているの?ケイフィス様は一体どんな?
「あの…何を…。」
そう言うと、ケイフィス様は口に手を当てて、顔を逸らし何か逡巡している様子だわ。どうしたのかしら。そんなに言いにくい事?
そして、こちらに再び顔を向けた時には、私の目をしっかりと見て、言葉を繋ぎだした。
「レフィア嬢…いや、レフィア。俺と結婚してくれないか?」
30
あなたにおすすめの小説
守護神の加護がもらえなかったので追放されたけど、実は寵愛持ちでした。神様が付いて来たけど、私にはどうにも出来ません。どうか皆様お幸せに!
蒼衣翼
恋愛
千璃(センリ)は、古い巫女の家系の娘で、国の守護神と共に生きる運命を言い聞かされて育った。
しかし、本来なら加護を授かるはずの十四の誕生日に、千璃には加護の兆候が現れず、一族から追放されてしまう。
だがそれは、千璃が幼い頃、そうとは知らぬまま、神の寵愛を約束されていたからだった。
国から追放された千璃に、守護神フォスフォラスは求愛し、へスペラスと改名した後に、人化して共に旅立つことに。
一方、守護神の消えた故国は、全ての加護を失い。衰退の一途を辿ることになるのだった。
※カクヨムさまにも投稿しています
【完結】溺愛される意味が分かりません!?
もわゆぬ
恋愛
正義感強め、口調も強め、見た目はクールな侯爵令嬢
ルルーシュア=メライーブス
王太子の婚約者でありながら、何故か何年も王太子には会えていない。
学園に通い、それが終われば王妃教育という淡々とした毎日。
趣味はといえば可愛らしい淑女を観察する事位だ。
有るきっかけと共に王太子が再び私の前に現れ、彼は私を「愛しいルルーシュア」と言う。
正直、意味が分からない。
さっぱり系令嬢と腹黒王太子は無事に結ばれる事が出来るのか?
☆カダール王国シリーズ 短編☆
攻略対象の王子様は放置されました
蛇娥リコ
恋愛
……前回と違う。
お茶会で公爵令嬢の不在に、前回と前世を思い出した王子様。
今回の公爵令嬢は、どうも婚約を避けたい様子だ。
小説家になろうにも投稿してます。
【完結】氷の王太子に嫁いだら、毎晩甘やかされすぎて困っています
22時完結
恋愛
王国一の冷血漢と噂される王太子レオナード殿下。
誰に対しても冷たく、感情を見せることがないことから、「氷の王太子」と恐れられている。
そんな彼との政略結婚が決まったのは、公爵家の地味な令嬢リリア。
(殿下は私に興味なんてないはず……)
結婚前はそう思っていたのに――
「リリア、寒くないか?」
「……え?」
「もっとこっちに寄れ。俺の腕の中なら、温かいだろう?」
冷酷なはずの殿下が、新婚初夜から優しすぎる!?
それどころか、毎晩のように甘やかされ、気づけば離してもらえなくなっていた。
「お前の笑顔は俺だけのものだ。他の男に見せるな」
「こんなに可愛いお前を、冷たく扱うわけがないだろう?」
(ちょ、待ってください! 殿下、本当に氷のように冷たい人なんですよね!?)
結婚してみたら、噂とは真逆で、私にだけ甘すぎる旦那様だったようです――!?
妹が「この世界って乙女ゲーじゃん!」とかわけのわからないことを言い出した
無色
恋愛
「この世界って乙女ゲーじゃん!」と言い出した、転生者を名乗る妹フェノンは、ゲーム知識を駆使してハーレムを作ろうとするが……彼女が狙った王子アクシオは、姉メイティアの婚約者だった。
静かな姉の中に眠る“狂気”に気付いたとき、フェノンは……
ヒロインが私の婚約者を攻略しようと狙ってきますが、彼は私を溺愛しているためフラグをことごとく叩き破ります
奏音 美都
恋愛
ナルノニア公爵の爵士であるライアン様は、幼い頃に契りを交わした私のご婚約者です。整った容姿で、利発で、勇ましくありながらもお優しいライアン様を、私はご婚約者として紹介されたその日から好きになり、ずっとお慕いし、彼の妻として恥ずかしくないよう精進してまいりました。
そんなライアン様に大切にされ、お隣を歩き、会話を交わす幸せに満ちた日々。
それが、転入生の登場により、嵐の予感がしたのでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる