【完結】兄様が果てしなくアレなのですけど、伯爵家の将来は大丈夫でしょうか？

伯爵領の未来

　次の日。
　仕事が休みだったお父様に、執務室に呼ばれた。

｢レフィア。済まないね。掛けなさい。｣

　私は、何の話かと疑問に思った。
　私もせっかくだしお父様に、ケイフィス様の事をお伝えしようかと思ったわ。

｢レフィア。ケイフィス公爵令息をどう思っておる？知り合いだったそうだな。｣

　え？いきなりケイフィス様の話だったわ。でもチャンスね。

｢はい。えっと…あの、お慕い申し上げておりました。｣

　と、そう言った。お父様に自分の気持ちを伝えるのって、とても恥ずかしいわね……。

｢そうだったか…。お前が学院に入学する前と、入学してしばらくしてから。結婚の申し込みがあったんだよ。そうだったのだったら、早めにその申し込みを受けておけばよかったな。｣

　と、そう言った。

　そんなに早くから！？そうだったのですね…。

｢でも、その話を知らなかったから、楽しい学院生活が送れましたわ。ありがとうございます。｣

　と、私は伝えた。
　お互いに婚約者だとしたら、あんなにどきどきしたり、ウキウキした気持ちを持てなかったかもしれないわ。

｢そうか…。それならよかったがな。どうだ。レフィアの気持ちは。申し込みを受けるか？｣

　と、お父様は私の目を見て言ってくれた。お父様は、私の意思を尊重して下さるのね。それがとても嬉しかった。

　貴族ですから、お父様の利益になるような人と結婚するのかと思っていたから。

｢はい。お受けしてよろしければ、お願いしたいと存じます。｣

｢わかった。…レフィア。幸せになれよ。｣

｢お父様…！はい！｣

｢では、そのように返答する。そして、また顔合わせなどの日にちが決まったら、話を進めていこう。ところで。この前レフィアが心配していた事だがな。｣

　と、お父様が言って、一呼吸置いた。

｢ブルフェスの婚約者というかな。ブルフェスは、辺境伯令嬢のサーリン嬢の元へ嫁ぐ事になったよ。それで、アリールルが私の跡を継いでくれるそうだ。少しずつ教えておるぞ。｣

　まぁ…！兄様の件はそうなるかもと思っておりましたが、アリールルももう仕事を少しずつ覚えていっているとは知りませんでした。

｢そうなのですね！よかったです。｣

｢アリールルも好いた奴と結婚したいそうでな。たまに遊びに来ては学んでいくそうだ。｣

｢え！｣

　そうなのですね！楽しみですわね。でもお相手はどちらの次男なのでしょう。

｢辺境伯領とは逆の、うちの隣の子爵領の次男坊だ。そいつも、アリールルに似て聡明だ。きっとお互いに議論し合いながら領地を治めていってくれるだろうな。｣

　そうでしたか…。そうですね。ずいぶん小さい頃にお会いした頃は、いつもアリールルと言い合いをしていた気がしましたが、気があっていたのですね。

｢これで、この伯爵領の未来も明るいぞ！｣