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「ふう…」
ブドウ畑の一角で、横笛を二曲ほど吹いていたルジェナは一息つけようと横笛を口から離した。
今日は天気も良いし、心地よい風が吹いている。ルジェナの黄色い髪をそよそよと撫でている。
横笛は、初めは難しかったが毎日吹いている内にだいぶ思うような音色が奏でられるようになり、今ではたくさんの曲を吹けるまでになった。
地面を歩いてくる音がしてそちらを見ると声を掛けて来たのは黒い髪の弟ダリミルだ。
「相変わらず綺麗な音色ですね。」
「ありがとう。ダリミル、作業していたの?」
ダリミルは十一歳。あと一年で学院に通うのだが、小さな頃から畑や工房に行っては作業をしていた。その為作業をする領民とは距離が近く、次期領主として早くから慕われていた。
「はい。皆と、何か不備がないか見回っていたんです。今年も、とてもいい出来のブドウが出来そうですよ!」
ダリミルの後ろには、ダリミルと同じ年頃の子や、少し年下の子がいた。広い畑であるし、ブドウの樹もそれなりに背丈があるから見晴らしも良くない為、ダリミルは作業を皆で手分けしてやっているのだ。
「そうなのね、お疲れさま!」
ルジェナがダリミルと領民の子供達の顔を順に見つつ言った。
ダリミルもその後ろの子供達も嬉しそうに微笑み、さぁもう一踏ん張りだとまたブドウ樹の向こうへと去って行った。
(ダリミルは次期当主として、領民と共に事業を行っているのね。それに引き換え私は…)
ルジェナは、ダリミルの後ろ姿を見つめながら頼もしいと思う傍ら、姉である自分は領地の為に何もしていないと今さらながら痛感した。
気楽な四女として生まれ、貴族の娘としてしっかりとした自覚を持たないまま十六歳になってしまった。これで学院に通っていたなら、同じ年代の子らと同じものを学び切磋琢磨していただろう。だが、ルジェナはそれをしていない。
いや、怠惰に過ごしている訳では決して無いが、好きな事を好きなだけ学び、飽きたらまたすぐに違うものを書庫から選んで書物などで独学で学んでいた。
幅広い知識はルジェナの頭の中に蓄積されているが、貴族の娘としてそれで良かったのかといえば疑問だ。
カフリーク家にとって更なる繁栄に結びつく、何か貢献する事こそが、貴族の娘としての存在意義なのではないかと三人の姉達がカフリーク家から居なくなり、ガランとしたいつかお茶をしていたテラスを見て感じたのだ。
ルジェナの葛藤ーーーそれは、未来を担う領民達と一緒になって領地の為に働いているダリミルの背中を見た事で心を決める一助となった。
「決めた!交流会、頑張ってみるわ!」
そう決意を表すかのように一言大きな声を張り上げると、横笛をまた口元へ持っていき軽快な音色を奏で始めた。
☆★
「交流会か…ルジェナ行きたいのかい?」
夕食時、父ヘルベルトに交流会の話を尋ねるとちょうど、一週間ほど後に王宮で交流会があると言われたルジェナは、肯定の意を示した。
これには、ヘルベルトは妻のアレンカと顔を見合わせると、その後気遣うような言葉をルジェナへと向ける。
「その…ルジェナよ、どうしたんだ?まぁ年頃となったし、男女の遊び場…いや交流会に興味が出たのかな?」
「あなた!
…でもそうね、ルジェナが他の子たちとの交流に興味が出たのは良い事ね。」
遊び場と言ったヘルベルトを睨み、言葉を選んで優しく告げたのはアレンカだ。
ルジェナは確かに、今まで同年代の子供達と交流を持とうと行動する事は一切無かった。
学院に通う事も、一般的な貴族の考えも、ルジェナには合わず自分一人で学ぶ事で事足りていたから敢えてしていなかった。領地から出る事もほとんどせず引きこもり、接する者といえば家族か使用人のみ。
それがいきなり、男女の出会いの場とも言われる交流会に出席したいと発言した為に両親は驚いたのだ。
「私も、そろそろ結婚を考える年齢ですので。それに何も、この領地に貢献していませんし。」
「なんと…!まだいいのだぞ?別に急いで結婚の事を考えずとも、好きなだけうちにいればいい。」
「そうねぇ、無理する必要は無いのよルジェナ。
でも、確かに興味はあるわよねぇ交流会…!」
「なに!?
ア、アレンカ!い、行った事あるのか!?」
「あらぁ、無いわよ。
だから興味があるんじゃない!素敵な殿方と出会う場が煌びやかな王宮だなんて夢物語だわ!」
アレンカはウフフと妖艶に微笑み、ヘルベルトにそう告げる。
告げられたヘルベルトは、目を見開き、口をパクパクとさせた。愛する妻が、健全なる出会いだけでなく遊び相手と出会いたいと思う輩も参加すると噂の交流会に興味があると言った為だ。
「だから、年頃のルジェナが行きたい気持ちも分かるわ。
でもルジェナ、勘違いしてはダメよ?あなたは充分、この領地で貢献しているのだから。」
「ええ!?どこがでしょう?私、ダリミルに比べて何もしておりません…」
慰められたと思ったルジェナは、口を尖らせてダリミルを引き合いに出した。
それを見たヘルベルトは、呆けていた顔を引き締めて咳払いを一つすると、諭すような口振りでルジェナへと声を掛ける。
「ルジェナよ、畑で楽器を奏でるのは何故だったかな?」
「え?何故って…」
ヘルベルトの問いに、ルジェナは口ごもる。
「初めは、バーラに言われたからだったわよね?でもその内、書庫で読んだ本に書かれてあったと言っていたじゃない?作物に音楽を聴かせると、作物の状態が変化するって。」
アレンカも、ルジェナに柔らかな笑みを浮かべてその時の事を思い出すかのように口を開く。
「だって……」
そう。
ルジェナがバイオリンを畑で弾けとバーラに言われてからは、ずっと外で弾いている。ブドウの樹がつらなる広い畑で。
あの爪研ぎのような音を聴いたブドウは渋くて深みのある味わいとなってしまった。それまで、サラッとして飲みやすいと言えばそうだが何の特徴もない味であったカフリーク領のブドウは、図らずも一気にそのような味を好む人達の人気商品となった。
しかし、横笛をもらってからはバイオリンは気が向いた時にしているが、横笛を毎日練習し聴き惚れるような音色で吹けるようになってからのブドウは蕩けるように甘く、あらゆる世代から人気の作物となった。ブドウだけではなく、保存が効く加工品としてブドウ酒、ブドウジャム、ブドウジュースなども今までよりも売れ行きが格段と良くなったのだ。
「ルジェナ姉さん。姉さんが教えてくれたそうですよね、樹の下に敷物を置く事を。実が下に落ちても傷物になりにくくする為に。」
「そうだな、ルジェナの知識はかなり有難い。ルジェナのおかげで、収入はものすごく増えたんだよ。」
「いい機械もたくさん買えたものね!」
「そ、そうだったのですか?でも…」
日々生活している上で、ルジェナは昔に比べてかなり収入が増えたと言われても実感が湧かなかった。
「ルジェナ姉さん、収入はより良い機械を買ったり、領民に還元したりしてるのですよ。それに日照りが続いたり災害など万が一の為の蓄えに回してもいます。何か有事の際でも領民達がしばらくの間生活出来るようにです。
僕達の生活が変わらないのは、別に使う所も特に無いからですよ。」
そう言われると、ルジェナは納得するより他なかった。両親は貴族の集まりに積極的に出向く方ではなく、ドレスや宝飾品を買い漁る事もしない。だから、生活水準は変化しているように見えないのだ。
「だからね、ルジェナ。あなたは居てくれるだけで貢献してくれているのよ?
でも、そうね。せっかくだもの、楽しんで行ってらっしゃい。ねぇあなた?」
「うん?まぁ、そうだな…少し心配ではあるがルジェナにとって、いい経験になるかもしれないな。
…楽しんでくるといい。」
「いいなぁ、ルジェナ姉さん。でも、どんな輩がいるか分かりませんから、気をつけて下さいね!」
ルジェナはそう家族から声を掛けられると、本当に自分は領地に貢献していたのかと疑問に思うところはあったが、確かに改めて言われ、少しだけ嬉しい気持ちを抱く事が出来、そうかもしれないと皆の言葉に頷いたのだった。
ブドウ畑の一角で、横笛を二曲ほど吹いていたルジェナは一息つけようと横笛を口から離した。
今日は天気も良いし、心地よい風が吹いている。ルジェナの黄色い髪をそよそよと撫でている。
横笛は、初めは難しかったが毎日吹いている内にだいぶ思うような音色が奏でられるようになり、今ではたくさんの曲を吹けるまでになった。
地面を歩いてくる音がしてそちらを見ると声を掛けて来たのは黒い髪の弟ダリミルだ。
「相変わらず綺麗な音色ですね。」
「ありがとう。ダリミル、作業していたの?」
ダリミルは十一歳。あと一年で学院に通うのだが、小さな頃から畑や工房に行っては作業をしていた。その為作業をする領民とは距離が近く、次期領主として早くから慕われていた。
「はい。皆と、何か不備がないか見回っていたんです。今年も、とてもいい出来のブドウが出来そうですよ!」
ダリミルの後ろには、ダリミルと同じ年頃の子や、少し年下の子がいた。広い畑であるし、ブドウの樹もそれなりに背丈があるから見晴らしも良くない為、ダリミルは作業を皆で手分けしてやっているのだ。
「そうなのね、お疲れさま!」
ルジェナがダリミルと領民の子供達の顔を順に見つつ言った。
ダリミルもその後ろの子供達も嬉しそうに微笑み、さぁもう一踏ん張りだとまたブドウ樹の向こうへと去って行った。
(ダリミルは次期当主として、領民と共に事業を行っているのね。それに引き換え私は…)
ルジェナは、ダリミルの後ろ姿を見つめながら頼もしいと思う傍ら、姉である自分は領地の為に何もしていないと今さらながら痛感した。
気楽な四女として生まれ、貴族の娘としてしっかりとした自覚を持たないまま十六歳になってしまった。これで学院に通っていたなら、同じ年代の子らと同じものを学び切磋琢磨していただろう。だが、ルジェナはそれをしていない。
いや、怠惰に過ごしている訳では決して無いが、好きな事を好きなだけ学び、飽きたらまたすぐに違うものを書庫から選んで書物などで独学で学んでいた。
幅広い知識はルジェナの頭の中に蓄積されているが、貴族の娘としてそれで良かったのかといえば疑問だ。
カフリーク家にとって更なる繁栄に結びつく、何か貢献する事こそが、貴族の娘としての存在意義なのではないかと三人の姉達がカフリーク家から居なくなり、ガランとしたいつかお茶をしていたテラスを見て感じたのだ。
ルジェナの葛藤ーーーそれは、未来を担う領民達と一緒になって領地の為に働いているダリミルの背中を見た事で心を決める一助となった。
「決めた!交流会、頑張ってみるわ!」
そう決意を表すかのように一言大きな声を張り上げると、横笛をまた口元へ持っていき軽快な音色を奏で始めた。
☆★
「交流会か…ルジェナ行きたいのかい?」
夕食時、父ヘルベルトに交流会の話を尋ねるとちょうど、一週間ほど後に王宮で交流会があると言われたルジェナは、肯定の意を示した。
これには、ヘルベルトは妻のアレンカと顔を見合わせると、その後気遣うような言葉をルジェナへと向ける。
「その…ルジェナよ、どうしたんだ?まぁ年頃となったし、男女の遊び場…いや交流会に興味が出たのかな?」
「あなた!
…でもそうね、ルジェナが他の子たちとの交流に興味が出たのは良い事ね。」
遊び場と言ったヘルベルトを睨み、言葉を選んで優しく告げたのはアレンカだ。
ルジェナは確かに、今まで同年代の子供達と交流を持とうと行動する事は一切無かった。
学院に通う事も、一般的な貴族の考えも、ルジェナには合わず自分一人で学ぶ事で事足りていたから敢えてしていなかった。領地から出る事もほとんどせず引きこもり、接する者といえば家族か使用人のみ。
それがいきなり、男女の出会いの場とも言われる交流会に出席したいと発言した為に両親は驚いたのだ。
「私も、そろそろ結婚を考える年齢ですので。それに何も、この領地に貢献していませんし。」
「なんと…!まだいいのだぞ?別に急いで結婚の事を考えずとも、好きなだけうちにいればいい。」
「そうねぇ、無理する必要は無いのよルジェナ。
でも、確かに興味はあるわよねぇ交流会…!」
「なに!?
ア、アレンカ!い、行った事あるのか!?」
「あらぁ、無いわよ。
だから興味があるんじゃない!素敵な殿方と出会う場が煌びやかな王宮だなんて夢物語だわ!」
アレンカはウフフと妖艶に微笑み、ヘルベルトにそう告げる。
告げられたヘルベルトは、目を見開き、口をパクパクとさせた。愛する妻が、健全なる出会いだけでなく遊び相手と出会いたいと思う輩も参加すると噂の交流会に興味があると言った為だ。
「だから、年頃のルジェナが行きたい気持ちも分かるわ。
でもルジェナ、勘違いしてはダメよ?あなたは充分、この領地で貢献しているのだから。」
「ええ!?どこがでしょう?私、ダリミルに比べて何もしておりません…」
慰められたと思ったルジェナは、口を尖らせてダリミルを引き合いに出した。
それを見たヘルベルトは、呆けていた顔を引き締めて咳払いを一つすると、諭すような口振りでルジェナへと声を掛ける。
「ルジェナよ、畑で楽器を奏でるのは何故だったかな?」
「え?何故って…」
ヘルベルトの問いに、ルジェナは口ごもる。
「初めは、バーラに言われたからだったわよね?でもその内、書庫で読んだ本に書かれてあったと言っていたじゃない?作物に音楽を聴かせると、作物の状態が変化するって。」
アレンカも、ルジェナに柔らかな笑みを浮かべてその時の事を思い出すかのように口を開く。
「だって……」
そう。
ルジェナがバイオリンを畑で弾けとバーラに言われてからは、ずっと外で弾いている。ブドウの樹がつらなる広い畑で。
あの爪研ぎのような音を聴いたブドウは渋くて深みのある味わいとなってしまった。それまで、サラッとして飲みやすいと言えばそうだが何の特徴もない味であったカフリーク領のブドウは、図らずも一気にそのような味を好む人達の人気商品となった。
しかし、横笛をもらってからはバイオリンは気が向いた時にしているが、横笛を毎日練習し聴き惚れるような音色で吹けるようになってからのブドウは蕩けるように甘く、あらゆる世代から人気の作物となった。ブドウだけではなく、保存が効く加工品としてブドウ酒、ブドウジャム、ブドウジュースなども今までよりも売れ行きが格段と良くなったのだ。
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「そうだな、ルジェナの知識はかなり有難い。ルジェナのおかげで、収入はものすごく増えたんだよ。」
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日々生活している上で、ルジェナは昔に比べてかなり収入が増えたと言われても実感が湧かなかった。
「ルジェナ姉さん、収入はより良い機械を買ったり、領民に還元したりしてるのですよ。それに日照りが続いたり災害など万が一の為の蓄えに回してもいます。何か有事の際でも領民達がしばらくの間生活出来るようにです。
僕達の生活が変わらないのは、別に使う所も特に無いからですよ。」
そう言われると、ルジェナは納得するより他なかった。両親は貴族の集まりに積極的に出向く方ではなく、ドレスや宝飾品を買い漁る事もしない。だから、生活水準は変化しているように見えないのだ。
「だからね、ルジェナ。あなたは居てくれるだけで貢献してくれているのよ?
でも、そうね。せっかくだもの、楽しんで行ってらっしゃい。ねぇあなた?」
「うん?まぁ、そうだな…少し心配ではあるがルジェナにとって、いい経験になるかもしれないな。
…楽しんでくるといい。」
「いいなぁ、ルジェナ姉さん。でも、どんな輩がいるか分かりませんから、気をつけて下さいね!」
ルジェナはそう家族から声を掛けられると、本当に自分は領地に貢献していたのかと疑問に思うところはあったが、確かに改めて言われ、少しだけ嬉しい気持ちを抱く事が出来、そうかもしれないと皆の言葉に頷いたのだった。
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