26 / 41
26. スティーナとヴァルナルの成人の儀
しおりを挟む
スティーナは十八歳となった。
今日は、午前中に第二王子ヴァルナルの成人の儀と、合わせてスティーナの成人の儀が兼ねて宮廷で行われる。
そして午後からは王太子任命式があるのだ。スティーナも、花祈りとして参加をする。
第二王子であるヴァルナルが成人をした事で、どちらが王太子となるかを正式に発表するのだ。そして、すぐに王太子としての仕事が出来るよう、就任式も合わせて行うのだ。その為、午後は異国の要人も参加をする。
スティーナは、昨日宮廷入りをしている。初めて宮廷に泊まり、終始ソワソワとしていたスティーナは、なかなか眠る事が出来なくて眠い目を擦りながら成人の儀の支度をしていた。
「スティーナ様。昨夜は眠れなかったのですね。でも儀式の最中にあくびをしたり眠ったりしてはいけませんからね。」
「分かっているわ、ヤーナ。
だって、緊張もするわよ、こんな広い豪華な部屋を使っていいと言われて、フッカフカなベッドだったし、今日からの事を考えたら目が冴えてしまったのよ。」
スティーナは、昨日まではイロナの屋敷に滞在していた。その屋敷の部屋も、さすが御三家が所有している事もありスティーナの実家と劣る事もなくフカフカなベッドであり、部屋も調度品は豪勢であったがやはり宮廷は一味も二味も違っていた。
成人の儀式を終えるとスティーナは、国民の皆へとお披露目され、今日からここ宮廷で生活を送る事となる。
「フフフ。そうでございますね、スティーナ様。あまり力を入れ過ぎず、生活していきましょうね。」
イロナとは、昨日屋敷でお別れをしている。スティーナにとって第二の母のような、祖母のような温かい温もりをいつも注いでくれていた。しかし、今日この日をもって独り立ちするという事で、イロナはこれからは本当の意味で余生をゆっくり過ごす事となる。
「何かあったらすぐにおいで。私はここにいるからね。でも、周りをよく見て、頼れる人には頼っていいのよ。
可愛い私の孫よ、スティーナに幸あれ!」
そういってくれ、イロナはミセバヤの祈りをたっぷりと込めた花をくれた。スティーナへと花を贈ってくれたのはこれが初めてであった。大切なあなた、という祈りが込められた花は、イロナのこれまでの優しく温かい気持ちがそのまま形となったようで、スティーナは涙を零した。
「いやだわ、湿っぽくしないの!これで会えなくなるわけではないんだからね、元気でいるのよ。」
「はい…はい!イロナ様もお元気で。」
ーーー
ーー
ー
今までとは違う環境にかなり緊張をしていたが、これも成人したからなのだとスティーナは、自身の成人の儀式をする会場へと向かった。
☆★
会場は、二年前にラーシュが成人の儀を行ったのと同じ大広間である。
前回スティーナは参列席に座っていたが、今回は、廊下で待機する。
すでに、会場には人々が集まっているようで扉は閉まっている。
スティーナがそちらへ向かうと、ヴァルナルが黒色の服に金の縁取りをされた服を着て同じく廊下で傍にいる人と話をしていた。
手紙では、何度も味気ない日々のやりとりを送り合っていた。
けれどもヴァルナルが軍学校へ入学した日から会ってはおらず、とても久し振りに近くで見たヴァルナルは以前とは全く違い、背もスティーナより頭二つ分以上も高くなっていて大人の男だと感じた。
(二年前、ラーシュ様の成人の儀で王族の席で座っているのを見た時は、遠目だったしあまりそんなこと思わなかったのに。なんだか遠い人になってしまったみたいだわ。)
近寄り難いような、全く知らない人のようなそんな雰囲気さえ醸し出していたヴァルナルであったが、スティーナが来た事に気づくと、スティーナへと体を向けて話し掛けた。
「やぁスティーナ。すっかり綺麗になったよね。二年前も見掛けて、思ってはいたけれどさらに見違えたよ。」
「ヴァルナル…様も、素敵です。」
ここは公の場であると思い直し、スティーナはそう無難に返答をした。話した雰囲気は、六年前のあの日から少しも変わっていなかった。だからスティーナは少しホッとしたと同時に、ヴァルナルってこんなに滑らかにお世辞が言えたかしらと、顔を赤くした。
「やだな、スティーナの立場であれば、様なんて付けなくてもいいのに。
今日は合同の成人の儀でごめん。スティーナ、後日俺からお祝いをさせてくれる?」
「え?え、ええ…。」
「よかった!
スティーナ、緊張してる?なんだか余所余所しく感じてしまったからさ。大丈夫だよ、無事に終わるよ。
あ、そろそろか。」
そう言ったヴァルナルは、前を向くと別人のように背筋を伸ばし、扉が開くのを待った。
すぐに扉は開き、まずはヴァルナルが広間へと入って行く。
以前のラーシュと同じように花冠をドグラスから授かり、呆気なく成人の儀が終わる。
続いて花祈りのスティーナの入場、と声が響きわたり、スティーナは前を向いて真っ直ぐドグラスがいる場所へと歩いていく。横には、貴族達の席が左右に広がっていて、スティーナはどう見られているのか押しつぶされるような感覚を覚えたが、前を向く事で視界にはドグラスが映り、そしてその階段の下にはヴァルナルもいた為に少しだけ周りの空気が軽くなったように感じた。
「スティーナ、これからもこのウプサラの為に頑張ってくれたまえ。」
「はい。勿体ないお言葉、傷み入ります。」
ドグラスの前に辿り着くと早速そう言われて花冠を被せてもらったスティーナは、隣に立っていたヴァルナルと共に、後ろにずらりと集まっている貴族席の方へと振り返り視線を向けた。
「今日はお集まり下さり、感謝いたします。これから私達は、成人として皆様と共にウプサラを盛り上げていきたいと思います。若輩者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。」
ヴァルナルが言い、スティーナもゆっくりと頭を下げると盛大な拍手が湧き起こった。
(終わったわ…。でも、ここから私は花祈りとして正式に始まっていくのね。)
スティーナは成人となった為、花祈りはここから世代交代となるのだ。
充分な時間が過ぎ、拍手も疎らになり始めたのでスティーナとヴァルナルが頭を上げたその時。
「これで、王太子が決められるな!」
そう言った声が階段の上にある王族席から聞こえた。ラーシュが声を上げたのだ。そんなに張り上げる程の大きな声ではなかったが、なぜだかよく通って聞こえる。
「オホン!
では、ヴァルナル様、スティーナ様。ご退場願います。今一度、盛大な拍手でお見送り下さい。」
そう進行役であるヨーランが言った為にヴァルナルとスティーナは進み出した。
「あれ?王太子発表は今じゃないのか?」
と、後ろから再び声がして、スティーナは気になったが構わず入り口の扉の方へと向かったのでその後の出来事は知らない。
だが王族席では、隣のイリニヤが慌ててラーシュの足を蹴っていた。
「痛!なんだよ、イリニヤ。お前は本当にお転婆だな。」
「ラーシュ兄さま、まだお口は開かないのですわ!」
ラーシュの声に対し、小さな声で咎めたイリニヤだったが、ラーシュはどこ吹く風で、バカにするような顔さえしてイリニヤに言った。
「はぁ?だってもう終わっただろう?終わったら口を開いていいって言ったじゃないか。」
「もう、お母さまも何とか言って!」
「…ラーシュ、皆が居なくなるまでは口を開かないのですよ。」
「えー?そんな事言われてないんだけど…分かった分かった!」
そう言った声は、前の方にいる人達には丸聞こえであった為に俯き笑いを耐えている人もいた。だが、ドグラスに気づかれると反逆罪にも問われ兼ねない為にすぐに真顔に戻ると、顔を上げ何食わぬ顔で拍手をしている貴族もいた。
こうして、どうにか成人の儀は終わったのだった。
今日は、午前中に第二王子ヴァルナルの成人の儀と、合わせてスティーナの成人の儀が兼ねて宮廷で行われる。
そして午後からは王太子任命式があるのだ。スティーナも、花祈りとして参加をする。
第二王子であるヴァルナルが成人をした事で、どちらが王太子となるかを正式に発表するのだ。そして、すぐに王太子としての仕事が出来るよう、就任式も合わせて行うのだ。その為、午後は異国の要人も参加をする。
スティーナは、昨日宮廷入りをしている。初めて宮廷に泊まり、終始ソワソワとしていたスティーナは、なかなか眠る事が出来なくて眠い目を擦りながら成人の儀の支度をしていた。
「スティーナ様。昨夜は眠れなかったのですね。でも儀式の最中にあくびをしたり眠ったりしてはいけませんからね。」
「分かっているわ、ヤーナ。
だって、緊張もするわよ、こんな広い豪華な部屋を使っていいと言われて、フッカフカなベッドだったし、今日からの事を考えたら目が冴えてしまったのよ。」
スティーナは、昨日まではイロナの屋敷に滞在していた。その屋敷の部屋も、さすが御三家が所有している事もありスティーナの実家と劣る事もなくフカフカなベッドであり、部屋も調度品は豪勢であったがやはり宮廷は一味も二味も違っていた。
成人の儀式を終えるとスティーナは、国民の皆へとお披露目され、今日からここ宮廷で生活を送る事となる。
「フフフ。そうでございますね、スティーナ様。あまり力を入れ過ぎず、生活していきましょうね。」
イロナとは、昨日屋敷でお別れをしている。スティーナにとって第二の母のような、祖母のような温かい温もりをいつも注いでくれていた。しかし、今日この日をもって独り立ちするという事で、イロナはこれからは本当の意味で余生をゆっくり過ごす事となる。
「何かあったらすぐにおいで。私はここにいるからね。でも、周りをよく見て、頼れる人には頼っていいのよ。
可愛い私の孫よ、スティーナに幸あれ!」
そういってくれ、イロナはミセバヤの祈りをたっぷりと込めた花をくれた。スティーナへと花を贈ってくれたのはこれが初めてであった。大切なあなた、という祈りが込められた花は、イロナのこれまでの優しく温かい気持ちがそのまま形となったようで、スティーナは涙を零した。
「いやだわ、湿っぽくしないの!これで会えなくなるわけではないんだからね、元気でいるのよ。」
「はい…はい!イロナ様もお元気で。」
ーーー
ーー
ー
今までとは違う環境にかなり緊張をしていたが、これも成人したからなのだとスティーナは、自身の成人の儀式をする会場へと向かった。
☆★
会場は、二年前にラーシュが成人の儀を行ったのと同じ大広間である。
前回スティーナは参列席に座っていたが、今回は、廊下で待機する。
すでに、会場には人々が集まっているようで扉は閉まっている。
スティーナがそちらへ向かうと、ヴァルナルが黒色の服に金の縁取りをされた服を着て同じく廊下で傍にいる人と話をしていた。
手紙では、何度も味気ない日々のやりとりを送り合っていた。
けれどもヴァルナルが軍学校へ入学した日から会ってはおらず、とても久し振りに近くで見たヴァルナルは以前とは全く違い、背もスティーナより頭二つ分以上も高くなっていて大人の男だと感じた。
(二年前、ラーシュ様の成人の儀で王族の席で座っているのを見た時は、遠目だったしあまりそんなこと思わなかったのに。なんだか遠い人になってしまったみたいだわ。)
近寄り難いような、全く知らない人のようなそんな雰囲気さえ醸し出していたヴァルナルであったが、スティーナが来た事に気づくと、スティーナへと体を向けて話し掛けた。
「やぁスティーナ。すっかり綺麗になったよね。二年前も見掛けて、思ってはいたけれどさらに見違えたよ。」
「ヴァルナル…様も、素敵です。」
ここは公の場であると思い直し、スティーナはそう無難に返答をした。話した雰囲気は、六年前のあの日から少しも変わっていなかった。だからスティーナは少しホッとしたと同時に、ヴァルナルってこんなに滑らかにお世辞が言えたかしらと、顔を赤くした。
「やだな、スティーナの立場であれば、様なんて付けなくてもいいのに。
今日は合同の成人の儀でごめん。スティーナ、後日俺からお祝いをさせてくれる?」
「え?え、ええ…。」
「よかった!
スティーナ、緊張してる?なんだか余所余所しく感じてしまったからさ。大丈夫だよ、無事に終わるよ。
あ、そろそろか。」
そう言ったヴァルナルは、前を向くと別人のように背筋を伸ばし、扉が開くのを待った。
すぐに扉は開き、まずはヴァルナルが広間へと入って行く。
以前のラーシュと同じように花冠をドグラスから授かり、呆気なく成人の儀が終わる。
続いて花祈りのスティーナの入場、と声が響きわたり、スティーナは前を向いて真っ直ぐドグラスがいる場所へと歩いていく。横には、貴族達の席が左右に広がっていて、スティーナはどう見られているのか押しつぶされるような感覚を覚えたが、前を向く事で視界にはドグラスが映り、そしてその階段の下にはヴァルナルもいた為に少しだけ周りの空気が軽くなったように感じた。
「スティーナ、これからもこのウプサラの為に頑張ってくれたまえ。」
「はい。勿体ないお言葉、傷み入ります。」
ドグラスの前に辿り着くと早速そう言われて花冠を被せてもらったスティーナは、隣に立っていたヴァルナルと共に、後ろにずらりと集まっている貴族席の方へと振り返り視線を向けた。
「今日はお集まり下さり、感謝いたします。これから私達は、成人として皆様と共にウプサラを盛り上げていきたいと思います。若輩者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。」
ヴァルナルが言い、スティーナもゆっくりと頭を下げると盛大な拍手が湧き起こった。
(終わったわ…。でも、ここから私は花祈りとして正式に始まっていくのね。)
スティーナは成人となった為、花祈りはここから世代交代となるのだ。
充分な時間が過ぎ、拍手も疎らになり始めたのでスティーナとヴァルナルが頭を上げたその時。
「これで、王太子が決められるな!」
そう言った声が階段の上にある王族席から聞こえた。ラーシュが声を上げたのだ。そんなに張り上げる程の大きな声ではなかったが、なぜだかよく通って聞こえる。
「オホン!
では、ヴァルナル様、スティーナ様。ご退場願います。今一度、盛大な拍手でお見送り下さい。」
そう進行役であるヨーランが言った為にヴァルナルとスティーナは進み出した。
「あれ?王太子発表は今じゃないのか?」
と、後ろから再び声がして、スティーナは気になったが構わず入り口の扉の方へと向かったのでその後の出来事は知らない。
だが王族席では、隣のイリニヤが慌ててラーシュの足を蹴っていた。
「痛!なんだよ、イリニヤ。お前は本当にお転婆だな。」
「ラーシュ兄さま、まだお口は開かないのですわ!」
ラーシュの声に対し、小さな声で咎めたイリニヤだったが、ラーシュはどこ吹く風で、バカにするような顔さえしてイリニヤに言った。
「はぁ?だってもう終わっただろう?終わったら口を開いていいって言ったじゃないか。」
「もう、お母さまも何とか言って!」
「…ラーシュ、皆が居なくなるまでは口を開かないのですよ。」
「えー?そんな事言われてないんだけど…分かった分かった!」
そう言った声は、前の方にいる人達には丸聞こえであった為に俯き笑いを耐えている人もいた。だが、ドグラスに気づかれると反逆罪にも問われ兼ねない為にすぐに真顔に戻ると、顔を上げ何食わぬ顔で拍手をしている貴族もいた。
こうして、どうにか成人の儀は終わったのだった。
2
あなたにおすすめの小説
【完結】田舎育ちの令嬢は王子様を魅了する
五色ひわ
恋愛
エミリーが多勢の男子生徒を従えて歩いている。王子であるディランは、この異様な光景について兄のチャーリーと話し合っていた。それなのに……
数日後、チャーリーがエミリーの取り巻きに加わってしまう。何が起こっているのだろう?
ディランは訳も分からず戸惑ったまま、騒動の中心へと引きづりこまれていくのだった。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
実在しないのかもしれない
真朱
恋愛
実家の小さい商会を仕切っているロゼリエに、お見合いの話が舞い込んだ。相手は大きな商会を営む伯爵家のご嫡男。が、お見合いの席に相手はいなかった。「極度の人見知りのため、直接顔を見せることが難しい」なんて無茶な理由でいつまでも逃げ回る伯爵家。お見合い相手とやら、もしかして実在しない・・・?
※異世界か不明ですが、中世ヨーロッパ風の架空の国のお話です。
※細かく設定しておりませんので、何でもあり・ご都合主義をご容赦ください。
※内輪でドタバタしてるだけの、高い山も深い谷もない平和なお話です。何かすみません。
わたしの方が好きでした
帆々
恋愛
リゼは王都で工房を経営する若き経営者だ。日々忙しく過ごしている。
売り上げ以上に気にかかるのは、夫キッドの健康だった。病弱な彼には主夫業を頼むが、無理はさせられない。その分リゼが頑張って生活をカバーしてきた。二人の暮らしでそれが彼女の幸せだった。
「ご主人を甘やかせ過ぎでは?」
周囲の声もある。でも何がいけないのか? キッドのことはもちろん自分が一番わかっている。彼の家蔵の問題もあるが、大丈夫。それが結婚というものだから。リゼは信じている。
彼が体調を崩したことがきっかけで、キッドの世話を頼む看護人を雇い入れことにした。フランという女性で、キッドとは話も合い和気藹々とした様子だ。気の利く彼女にリゼも負担が減りほっと安堵していた。
しかし、自宅の上の階に住む老婦人が忠告する。キッドとフランの仲が普通ではないようだ、と。更に疑いのない真実を突きつけられてしまう。衝撃を受けてうろたえるリゼに老婦人が親切に諭す。
「お別れなさい。あなたのお父様も結婚に反対だった。あなたに相応しくない人よ」
そこへ偶然、老婦人の甥という紳士が現れた。
「エル、リゼを助けてあげて頂戴」
リゼはエルと共にキッドとフランに対峙することになる。そこでは夫の信じられない企みが発覚して———————。
『夫が不良債権のようです〜愛して尽して失った。わたしの末路〜』から改題しました。
※小説家になろう様にも投稿させていただいております。
【完結】見えてますよ!
ユユ
恋愛
“何故”
私の婚約者が彼だと分かると、第一声はソレだった。
美少女でもなければ醜くもなく。
優秀でもなければ出来損ないでもなく。
高貴でも無ければ下位貴族でもない。
富豪でなければ貧乏でもない。
中の中。
自己主張も存在感もない私は貴族達の中では透明人間のようだった。
唯一認識されるのは婚約者と社交に出る時。
そしてあの言葉が聞こえてくる。
見目麗しく優秀な彼の横に並ぶ私を蔑む令嬢達。
私はずっと願っていた。彼に婚約を解消して欲しいと。
ある日いき過ぎた嫌がらせがきっかけで、見えるようになる。
★注意★
・閑話にはR18要素を含みます。
読まなくても大丈夫です。
・作り話です。
・合わない方はご退出願います。
・完結しています。
二度目の初恋は、穏やかな伯爵と
柴田はつみ
恋愛
交通事故に遭い、気がつけば18歳のアランと出会う前の自分に戻っていた伯爵令嬢リーシャン。
冷酷で傲慢な伯爵アランとの不和な結婚生活を経験した彼女は、今度こそ彼とは関わらないと固く誓う。しかし運命のいたずらか、リーシャンは再びアランと出会ってしまう。
婚約破棄したら食べられました(物理)
かぜかおる
恋愛
人族のリサは竜種のアレンに出会った時からいい匂いがするから食べたいと言われ続けている。
婚約者もいるから無理と言い続けるも、アレンもしつこく食べたいと言ってくる。
そんな日々が日常と化していたある日
リサは婚約者から婚約破棄を突きつけられる
グロは無し
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる