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24. これからは一緒に
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ユリウス様に気持ちを伝えると、破顔し私に両手を回して、きついほどにぎゅうぎゅうと抱きしめて下さった。
少し力が強くて苦しいのですけれど…でも、ユリウス様がとても嬉しそうだから私も嬉しいですわ。
「ありがとう。アイネル。大好きだよ、一生大切にするからね。あぁ、でもどこに生活の基盤を置こうね。アイネルは、ツェルテッティン領地がいいかな?それとも、国有地を承継して新しい場所で生活する事も考えているんだけどどうだろう?」
「新しい場所?」
「あぁ。国境近くで、ここより寒い地域だからアイネルが嫌だったら違う奴に行かせようと思っているけれどね。ここクレンヴィス国の北東部、ノイティスという地域だよ。川向こうの隣国が新たに貿易をしたいと申し出て来てね。いろいろと進めようと思うんだ。」
そうなのですね…寒い地域。あ!もしかして。
「雪が降ります?」
「お、未開の土地なのによく知っているね。そうだよ降る地域だよ。まぁ、女性には辛い地域かもしれないから、そこは違う奴にお願いしようか。違う地域がないか父上に相談してみるよ。」
「いいえ!ユリウス様はそこを賜る話がお出になられていると言う事ですよね?ではそちらについて行きます!ユリウス様、そんな他人行儀ですわよ。あなたが行かれる場所には私もご一緒したいです。それに、雪、大変とはいいますけれど、楽しそうですもの!」
「そうか。そう言ってくれて嬉しいよ、アイネル!じゃあ、結婚後はそちらに移り住むという言う事でいいかな?…あぁ!アイネル、大変かもしれないが不自由はさせないつもりだ。何か不便があればいつでも言って欲しい。愛しているよ、アイネル!」
そう言って、ユリウス様はいつまでも抱きしめて下さっていた。
私は、それからなんと王宮に泊まり込んで作法などを勉強させてもらうことになった。
もちろん、まだ婚約者の域を越えてはいないので王族のプライベートスペースに部屋を頂いたわけではないのだけれど、客室とはいえ王宮なので素晴らしく煌びやか。なので、少し…いえかなり萎縮してしまっていた。
「もう少し狭い部屋で良いのだけれど。」
「なりません。しかしこの部屋が不服とあれば、陛下にご報告しまして違う趣向の部屋に変えてもらいますけれど。いかがいたしましょう?」
私付きの侍女まであてがってくれていた。
別に不服というわけではないし、むしろ恐縮している。趣味が悪いわけでもない。むしろ落ち着いた雰囲気で私はとても素敵だと思う。
が、いかんせん広いのだ。普段は国賓まで泊まれる客室だからだろうか。部屋は、主寝室に、侍女が待機する小部屋、応接室、ダイニングルーム、バスルーム、トイレルームが揃っている。しかもそれぞれがおしゃれでうちの屋敷よりも倍以上広いのだ。
うちの屋敷も、それなりの格式ではあるので立派だとは思っていたけれど、やはりさすがは王宮。スケールが違うわ。
それに陛下に報告って。とんだ我が儘娘みたいじゃない?だから、遠慮せず使わせてもらう事にしたわ。
そして、一年後私達は結婚式を挙げました。
ロイル様とウェンディ様の結婚式には劣るけれどもそれでも、さすがは王族という感じだったの。
王宮で開かれたのだけれど、結婚式は国王陛下に二人で挨拶をすると言うもの。
国王陛下の後ろには、王妃様と、第一王女のイザベラ様。それからロイル様、ウェンディ様もいらして。横の壁沿いには国の重役と思われる名だたる面々が並んでいた。
国王陛下へ、ユリウス様と私が結婚すると言う報告をするだけなのだけれど、その人数と、王族の立ち振る舞いがどうにも緊張を誘ったの!……私も、その王族の仲間入りをすると思うと気が引けるのですけれど。
その後に国中の貴族達が集まって広間で披露パーティーを行ったわ。
そこでまた、ダンスをユリウス様と踊ったの。
ずっと緊張しっぱなしだったけれど、ダンスを踊っている時は、ユリウス様しか感じられなくて、とても素敵な時間だったわ!
その時に、ユリウス様はこう囁いて下さったの。
「アイネル。異世界から帰ってきてくれてありがとう。本当にあの時はなかなか意識が戻らないって心配したんだ。これからも、そのアイネルの可愛い笑顔が見られるように、俺は傍にいて精一杯努力するよ。愛しているよ、アイネル!」
少し力が強くて苦しいのですけれど…でも、ユリウス様がとても嬉しそうだから私も嬉しいですわ。
「ありがとう。アイネル。大好きだよ、一生大切にするからね。あぁ、でもどこに生活の基盤を置こうね。アイネルは、ツェルテッティン領地がいいかな?それとも、国有地を承継して新しい場所で生活する事も考えているんだけどどうだろう?」
「新しい場所?」
「あぁ。国境近くで、ここより寒い地域だからアイネルが嫌だったら違う奴に行かせようと思っているけれどね。ここクレンヴィス国の北東部、ノイティスという地域だよ。川向こうの隣国が新たに貿易をしたいと申し出て来てね。いろいろと進めようと思うんだ。」
そうなのですね…寒い地域。あ!もしかして。
「雪が降ります?」
「お、未開の土地なのによく知っているね。そうだよ降る地域だよ。まぁ、女性には辛い地域かもしれないから、そこは違う奴にお願いしようか。違う地域がないか父上に相談してみるよ。」
「いいえ!ユリウス様はそこを賜る話がお出になられていると言う事ですよね?ではそちらについて行きます!ユリウス様、そんな他人行儀ですわよ。あなたが行かれる場所には私もご一緒したいです。それに、雪、大変とはいいますけれど、楽しそうですもの!」
「そうか。そう言ってくれて嬉しいよ、アイネル!じゃあ、結婚後はそちらに移り住むという言う事でいいかな?…あぁ!アイネル、大変かもしれないが不自由はさせないつもりだ。何か不便があればいつでも言って欲しい。愛しているよ、アイネル!」
そう言って、ユリウス様はいつまでも抱きしめて下さっていた。
私は、それからなんと王宮に泊まり込んで作法などを勉強させてもらうことになった。
もちろん、まだ婚約者の域を越えてはいないので王族のプライベートスペースに部屋を頂いたわけではないのだけれど、客室とはいえ王宮なので素晴らしく煌びやか。なので、少し…いえかなり萎縮してしまっていた。
「もう少し狭い部屋で良いのだけれど。」
「なりません。しかしこの部屋が不服とあれば、陛下にご報告しまして違う趣向の部屋に変えてもらいますけれど。いかがいたしましょう?」
私付きの侍女まであてがってくれていた。
別に不服というわけではないし、むしろ恐縮している。趣味が悪いわけでもない。むしろ落ち着いた雰囲気で私はとても素敵だと思う。
が、いかんせん広いのだ。普段は国賓まで泊まれる客室だからだろうか。部屋は、主寝室に、侍女が待機する小部屋、応接室、ダイニングルーム、バスルーム、トイレルームが揃っている。しかもそれぞれがおしゃれでうちの屋敷よりも倍以上広いのだ。
うちの屋敷も、それなりの格式ではあるので立派だとは思っていたけれど、やはりさすがは王宮。スケールが違うわ。
それに陛下に報告って。とんだ我が儘娘みたいじゃない?だから、遠慮せず使わせてもらう事にしたわ。
そして、一年後私達は結婚式を挙げました。
ロイル様とウェンディ様の結婚式には劣るけれどもそれでも、さすがは王族という感じだったの。
王宮で開かれたのだけれど、結婚式は国王陛下に二人で挨拶をすると言うもの。
国王陛下の後ろには、王妃様と、第一王女のイザベラ様。それからロイル様、ウェンディ様もいらして。横の壁沿いには国の重役と思われる名だたる面々が並んでいた。
国王陛下へ、ユリウス様と私が結婚すると言う報告をするだけなのだけれど、その人数と、王族の立ち振る舞いがどうにも緊張を誘ったの!……私も、その王族の仲間入りをすると思うと気が引けるのですけれど。
その後に国中の貴族達が集まって広間で披露パーティーを行ったわ。
そこでまた、ダンスをユリウス様と踊ったの。
ずっと緊張しっぱなしだったけれど、ダンスを踊っている時は、ユリウス様しか感じられなくて、とても素敵な時間だったわ!
その時に、ユリウス様はこう囁いて下さったの。
「アイネル。異世界から帰ってきてくれてありがとう。本当にあの時はなかなか意識が戻らないって心配したんだ。これからも、そのアイネルの可愛い笑顔が見られるように、俺は傍にいて精一杯努力するよ。愛しているよ、アイネル!」
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