1 / 25
1 着いた先
しおりを挟む
「ルクレツィア様、着きましたよ。」
「ん……ここ…?」
馬車に乗り、いつの間にか侍女のロミーナの膝の上で眠っていた七歳のルクレツィア=コラユータは、眠い目を擦りながらそう尋ねた。
「そろそろ降りますよ。」
ロミーナがそう言うや、外から馬車の扉が開けられた。
ここまで馬車を操ってきた御者席に座っていた侍従のアデルモが、降りる準備ができたようで開けたのだ。
「ルクレツィア様、ゆっくり降りて下さい。
ロミーナも、気をつけて。」
七歳のルクレツィアには、馬車の踏み台を使って降りるのは少し気を遣う。ましてや今まで馬車の中でぐっすりと寝ていたので体が覚束ない。それでも、アデルモに手を貸してもらいながらゆっくりと降りた。
顔を上げたルクレツィア。外は真っ暗闇ではないがまだほの暗く、空には星が瞬いていた。だんだんと夜が明けるのか、地平線の辺りが明るさを取り戻し始めている。
寒さにぶるりと身を縮めた時、後から降りたローミナから肩掛けを掛けられた。
それに礼を述べたルクレツィアは、はて、馬車に乗った時は太陽が出ていたのにどんなにか遠くまで来たのだろうと思った。
ーーー出掛ける予定は聞いていなかったのに朝食が終わってしばらくすると突然、伯爵夫人である母のテレーザが部屋に入って来て『この封筒を渡してきてちょうだい。お使いを頼まれてくれる?』と言われたルクレツィア。
普段であれば家族で食べる朝食の時や、前日などに前もって予定を教えてくれる両親。それが、その時のテレーザはいつものような笑顔も無く、緊張した面持ちで要件だけを告げるとルクレツィアに付いている侍女ロミーナに素早く指示を出し、ルクレツィアには傍に来るように手招きをすると壊れものを扱うように優しく抱き締めた。
「あぁ…可愛いルクレツィア、愛しているわ。
………気をつけてね。」
ルクレツィアを腕に閉じ込めて十秒ほど経つと、ルクレツィアの背をポンと叩き、支度をするように言ってテレーザは部屋を出て行く。
どこに行くとも教えられず、封筒を着いた先で手渡して欲しいというお使いを頼まれ、侍女のロミーナとともに馬車に乗り込んだルクレツィア。
けれども。両親から贈られた、普段はベッドサイドに並んだ木彫りの動物たちの中から選ばれた片手に乗るほどの大きさの鳥と栗鼠が、ロミーナの隣に置かれた大きな手荷物の中にあると聞いた時は手を叩いて喜んだ。
初めはその木彫りの動物を手荷物から出してもらい人形遊びのように遊んだり、ロミーナと話をしたり、流れる外の景色を馬車の小窓から見ていた。
途中、景色の良い所で早めの昼休憩をし、それから二度ほど小休憩を入れた所までは覚えている。
馬車のゆったりとした心地よい揺れにいつの間にか重たくなった瞼を閉じ、隣に座っているロミーナへと倒れ込むようにして眠ってしまっていたーーー。
(ここ…教会?)
まだ辺りは薄暗い為はっきりと見えるわけではなかったが、母が慰問に向かう領地内にある教会に建物の形が似ていた為そう思ったルクレツィア。
上にいくにつれて細くとんがり帽子のように伸びる建物。そこへ、ルクレツィアも母について行っていた事がある。
最も、領地内にある教会はルクレツィアの父ベルトランドが管理している為、傷んだ箇所は丁寧に補修されている。ベルトランドは、伯爵の身分を国より賜っており、そのような細かなところまで目を配れる優れた領主なのだ。
この教会もまた、傷んだ箇所は補修されているけれど、それがはっきりと分かるくらい継ぎ接ぎのように板が打ち込まれていた。だが、暗い為ルクレツィアにはそこまで目に入れる事は無かった。
ロミーナに連れられ、ルクレツィアは教会の建物の入り口扉の前に立った。
「朝早くすみません…お邪魔いたします。」
ロミーナはそう言って扉を体を押し付けるように開け入ると、ルクレツィアの背中を優しく押して進む。
そこは礼拝堂となっており、長いベンチが正面の通路を挟んで並んでいて、奥には十字架が高い位置に掲げてあった。
そこへ向かう途中のベンチに人が四人座って話していた。中は薄暗く、明かりはステンドグラスから漏れるのみで、どんな人物がいるのか顔までは見えない。
「…こんな時間に誰なの?珍しいねぇ。」
その中の一人が立ち上がり、声を上げ近づいてきた。
そのため、ルクレツィアも相手へと近づくように数歩進む。
「朝早くすみません…こちらをお読みいただけますか。」
ロミーナよりも前に立っていたルクレツィアは、拙いながらも謝罪とお願いの言葉を告げると、母テレーザに託された手紙を差し出す。
「なんだい?」
そう言って、その人物は手紙を受け取り広げる。けれども明かりが足りず読めなかったのか、ステンドグラスから漏れ出る光が届くところまで移動した人物ーー女性は、母テレーザよりも年上のようだとルクレツィアは思った。
その間に、座っている三人をルクレツィアは見遣る。暗いからはっきりとは見辛いが、自分より年齢が少しだけ上に見える若い男女だと思った。髪の長さからして女性は二人、男性は一人なのではないかと。
「ちょっと!…これに書いてあるのは本当なの!?」
読み終えたのだろう、手紙を読んでいた女性が大きな声を出しまたルクレツィア達の方へと近づいてきた。
「は、はい…嘘を書く方ではありません。」
大きな声を上げられ、ルクレツィアは若干怯んだ。その後ろにいたロミーナはルクレツィアに変わって、安心させるように肩に手を置いて後ろから支えるようにして答える。
「そうかい…そうなんだねぇ。
えーっと、ルクレツィア。どうしてここに来たのか分かってるのかな?」
ルクレツィアの傍まで来たその女性は、先ほどよりも優しい声色で、膝を曲げて目線を少し下げて話し掛ける。その手紙の中に、名前も書かれていたために早速呼んだ。
それをされ、大きい声を出された時は驚いたが意外と優しい人なのかもしれないと思い直し、その人物の目を見てルクレツィアは堂々と答える。
「はい、知っています!
母から、そのお手紙を届けて欲しいとお使いを頼まれたからです。」
ロミーナが一緒だったとはいえ両親が居ない中で馬車に乗り、遠くまで来た事は初めてで、お使いが出来たのだと少し誇らしくもあったルクレツィアは胸を張るようにして答える。
「ふーん…まぁ、その点は偉かったね。だけどね、それだけじゃあないよ。
あんた達はこれから、しばらくここで暮らすらしいよ。」
「え!?」
ルクレツィアは意味がわからず、声を上げた。
「…その顔は、知らなかったんだね。
心が折れそうになる事ってのは生きていれば何度だってあるよ。だけどね、それを乗り越えるのは誰でも無い、自分さ。それが出来るかどうかで、その後の生き方が変わるからね。だから…人生楽しんだもん勝ちだよ!」
そう言って、ルクレツィアの頭をポンと叩くと、後ろにいるロミーナへと視線を送り口を開く。
「あんたは知ってたんだね?まぁ、これからよろしく頼むよ。
とりあえず自己紹介といこうか。私はアンネッタ。ここの教会に住んでいるよ。
で?あんたがロミーナ、こっちがルクレツィアで合ってるね?外にいるのがアデルモ…と。」
「は、はい。えっと、アンネッタ様…」
「あぁ、止めとくれ!
ここでは、俗世間とはかけ離れてるんだ。ここの教会に居る間は、一人の人間同士。貴族だとかそんなもの無いものとして過ごしな。
あっちの三人もそうしてるんだからね。」
そう言って、今まで黙って成り行きを見ていた三人に話を振った。
「オリーヴィアとエルヴェツィオとリッカルダ。はい、立って!」
そう言われた三人は顔を見合わせるとすぐに立ち上がる。
それに合わせて、アンネッタは手と視線を向けて紹介をする。
「あの一番背の高いのがオリーヴィア。気の強い娘だが良い子だよ。
あの生意気そうな少年がエルヴェツィオ。根は優しい子さ。
背が低くて気の弱そうなのがリッカルダ。でも見た目に騙されちゃいけないよ?意外に押しは強いのさ。良い子には違いないけれどね。」
「「「よ、よろしく…?」」」
「「…よろしくお願いします。」」
お互いがそのように声を掛け合ったところでアンネッタは手を一つ叩き、声を上げる。
「はい、良く出来ました!
さてと、事情があるんなら外のアデルモも早く家にいれてやらないとね。馬車なんて、どうすんのよ全く…。」
ブツブツとアンネッタはそう言って、馬車の御者台から降りて馬の手入れをしているアデルモの元へ向かうために扉を開けて出て行った。
「ん……ここ…?」
馬車に乗り、いつの間にか侍女のロミーナの膝の上で眠っていた七歳のルクレツィア=コラユータは、眠い目を擦りながらそう尋ねた。
「そろそろ降りますよ。」
ロミーナがそう言うや、外から馬車の扉が開けられた。
ここまで馬車を操ってきた御者席に座っていた侍従のアデルモが、降りる準備ができたようで開けたのだ。
「ルクレツィア様、ゆっくり降りて下さい。
ロミーナも、気をつけて。」
七歳のルクレツィアには、馬車の踏み台を使って降りるのは少し気を遣う。ましてや今まで馬車の中でぐっすりと寝ていたので体が覚束ない。それでも、アデルモに手を貸してもらいながらゆっくりと降りた。
顔を上げたルクレツィア。外は真っ暗闇ではないがまだほの暗く、空には星が瞬いていた。だんだんと夜が明けるのか、地平線の辺りが明るさを取り戻し始めている。
寒さにぶるりと身を縮めた時、後から降りたローミナから肩掛けを掛けられた。
それに礼を述べたルクレツィアは、はて、馬車に乗った時は太陽が出ていたのにどんなにか遠くまで来たのだろうと思った。
ーーー出掛ける予定は聞いていなかったのに朝食が終わってしばらくすると突然、伯爵夫人である母のテレーザが部屋に入って来て『この封筒を渡してきてちょうだい。お使いを頼まれてくれる?』と言われたルクレツィア。
普段であれば家族で食べる朝食の時や、前日などに前もって予定を教えてくれる両親。それが、その時のテレーザはいつものような笑顔も無く、緊張した面持ちで要件だけを告げるとルクレツィアに付いている侍女ロミーナに素早く指示を出し、ルクレツィアには傍に来るように手招きをすると壊れものを扱うように優しく抱き締めた。
「あぁ…可愛いルクレツィア、愛しているわ。
………気をつけてね。」
ルクレツィアを腕に閉じ込めて十秒ほど経つと、ルクレツィアの背をポンと叩き、支度をするように言ってテレーザは部屋を出て行く。
どこに行くとも教えられず、封筒を着いた先で手渡して欲しいというお使いを頼まれ、侍女のロミーナとともに馬車に乗り込んだルクレツィア。
けれども。両親から贈られた、普段はベッドサイドに並んだ木彫りの動物たちの中から選ばれた片手に乗るほどの大きさの鳥と栗鼠が、ロミーナの隣に置かれた大きな手荷物の中にあると聞いた時は手を叩いて喜んだ。
初めはその木彫りの動物を手荷物から出してもらい人形遊びのように遊んだり、ロミーナと話をしたり、流れる外の景色を馬車の小窓から見ていた。
途中、景色の良い所で早めの昼休憩をし、それから二度ほど小休憩を入れた所までは覚えている。
馬車のゆったりとした心地よい揺れにいつの間にか重たくなった瞼を閉じ、隣に座っているロミーナへと倒れ込むようにして眠ってしまっていたーーー。
(ここ…教会?)
まだ辺りは薄暗い為はっきりと見えるわけではなかったが、母が慰問に向かう領地内にある教会に建物の形が似ていた為そう思ったルクレツィア。
上にいくにつれて細くとんがり帽子のように伸びる建物。そこへ、ルクレツィアも母について行っていた事がある。
最も、領地内にある教会はルクレツィアの父ベルトランドが管理している為、傷んだ箇所は丁寧に補修されている。ベルトランドは、伯爵の身分を国より賜っており、そのような細かなところまで目を配れる優れた領主なのだ。
この教会もまた、傷んだ箇所は補修されているけれど、それがはっきりと分かるくらい継ぎ接ぎのように板が打ち込まれていた。だが、暗い為ルクレツィアにはそこまで目に入れる事は無かった。
ロミーナに連れられ、ルクレツィアは教会の建物の入り口扉の前に立った。
「朝早くすみません…お邪魔いたします。」
ロミーナはそう言って扉を体を押し付けるように開け入ると、ルクレツィアの背中を優しく押して進む。
そこは礼拝堂となっており、長いベンチが正面の通路を挟んで並んでいて、奥には十字架が高い位置に掲げてあった。
そこへ向かう途中のベンチに人が四人座って話していた。中は薄暗く、明かりはステンドグラスから漏れるのみで、どんな人物がいるのか顔までは見えない。
「…こんな時間に誰なの?珍しいねぇ。」
その中の一人が立ち上がり、声を上げ近づいてきた。
そのため、ルクレツィアも相手へと近づくように数歩進む。
「朝早くすみません…こちらをお読みいただけますか。」
ロミーナよりも前に立っていたルクレツィアは、拙いながらも謝罪とお願いの言葉を告げると、母テレーザに託された手紙を差し出す。
「なんだい?」
そう言って、その人物は手紙を受け取り広げる。けれども明かりが足りず読めなかったのか、ステンドグラスから漏れ出る光が届くところまで移動した人物ーー女性は、母テレーザよりも年上のようだとルクレツィアは思った。
その間に、座っている三人をルクレツィアは見遣る。暗いからはっきりとは見辛いが、自分より年齢が少しだけ上に見える若い男女だと思った。髪の長さからして女性は二人、男性は一人なのではないかと。
「ちょっと!…これに書いてあるのは本当なの!?」
読み終えたのだろう、手紙を読んでいた女性が大きな声を出しまたルクレツィア達の方へと近づいてきた。
「は、はい…嘘を書く方ではありません。」
大きな声を上げられ、ルクレツィアは若干怯んだ。その後ろにいたロミーナはルクレツィアに変わって、安心させるように肩に手を置いて後ろから支えるようにして答える。
「そうかい…そうなんだねぇ。
えーっと、ルクレツィア。どうしてここに来たのか分かってるのかな?」
ルクレツィアの傍まで来たその女性は、先ほどよりも優しい声色で、膝を曲げて目線を少し下げて話し掛ける。その手紙の中に、名前も書かれていたために早速呼んだ。
それをされ、大きい声を出された時は驚いたが意外と優しい人なのかもしれないと思い直し、その人物の目を見てルクレツィアは堂々と答える。
「はい、知っています!
母から、そのお手紙を届けて欲しいとお使いを頼まれたからです。」
ロミーナが一緒だったとはいえ両親が居ない中で馬車に乗り、遠くまで来た事は初めてで、お使いが出来たのだと少し誇らしくもあったルクレツィアは胸を張るようにして答える。
「ふーん…まぁ、その点は偉かったね。だけどね、それだけじゃあないよ。
あんた達はこれから、しばらくここで暮らすらしいよ。」
「え!?」
ルクレツィアは意味がわからず、声を上げた。
「…その顔は、知らなかったんだね。
心が折れそうになる事ってのは生きていれば何度だってあるよ。だけどね、それを乗り越えるのは誰でも無い、自分さ。それが出来るかどうかで、その後の生き方が変わるからね。だから…人生楽しんだもん勝ちだよ!」
そう言って、ルクレツィアの頭をポンと叩くと、後ろにいるロミーナへと視線を送り口を開く。
「あんたは知ってたんだね?まぁ、これからよろしく頼むよ。
とりあえず自己紹介といこうか。私はアンネッタ。ここの教会に住んでいるよ。
で?あんたがロミーナ、こっちがルクレツィアで合ってるね?外にいるのがアデルモ…と。」
「は、はい。えっと、アンネッタ様…」
「あぁ、止めとくれ!
ここでは、俗世間とはかけ離れてるんだ。ここの教会に居る間は、一人の人間同士。貴族だとかそんなもの無いものとして過ごしな。
あっちの三人もそうしてるんだからね。」
そう言って、今まで黙って成り行きを見ていた三人に話を振った。
「オリーヴィアとエルヴェツィオとリッカルダ。はい、立って!」
そう言われた三人は顔を見合わせるとすぐに立ち上がる。
それに合わせて、アンネッタは手と視線を向けて紹介をする。
「あの一番背の高いのがオリーヴィア。気の強い娘だが良い子だよ。
あの生意気そうな少年がエルヴェツィオ。根は優しい子さ。
背が低くて気の弱そうなのがリッカルダ。でも見た目に騙されちゃいけないよ?意外に押しは強いのさ。良い子には違いないけれどね。」
「「「よ、よろしく…?」」」
「「…よろしくお願いします。」」
お互いがそのように声を掛け合ったところでアンネッタは手を一つ叩き、声を上げる。
「はい、良く出来ました!
さてと、事情があるんなら外のアデルモも早く家にいれてやらないとね。馬車なんて、どうすんのよ全く…。」
ブツブツとアンネッタはそう言って、馬車の御者台から降りて馬の手入れをしているアデルモの元へ向かうために扉を開けて出て行った。
239
あなたにおすすめの小説
前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします
柚木ゆず
恋愛
※明日(3月6日)より、もうひとつのエピローグと番外編の投稿を始めさせていただきます。
我が儘で強引で性格が非常に悪い、筆頭侯爵家の嫡男アルノー。そんな彼を伯爵令嬢エレーヌは『ブレずに力強く引っ張ってくださる自信に満ちた方』と狂信的に愛し、アルノーが自ら選んだ5人の婚約者候補の1人として、アルノーに選んでもらえるよう3年間必死に自分を磨き続けていました。
けれどある日無理がたたり、倒れて後頭部を打ったことで前世の記憶が覚醒。それによって冷静に物事を見られるようになり、ようやくアルノーは滅茶苦茶な人間だと気付いたのでした。
「オレの婚約者候補になれと言ってきて、それを光栄に思えだとか……。倒れたのに心配をしてくださらないどころか、異常が残っていたら候補者から脱落させると言い出すとか……。そんな方に夢中になっていただなんて、私はなんて愚かなのかしら」
そのためエレーヌは即座に、候補者を辞退。その出来事が切っ掛けとなって、エレーヌの人生は明るいものへと変化してゆくことになるのでした。
乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!
ユウ
恋愛
平凡な伯爵令嬢のリネットは優しい婚約者と妹と穏やかで幸福な日々を送っていた。
相手は公爵家の嫡男であり第一王子殿下の側近で覚えもめでたく社交界の憧れの漆黒の騎士と呼ばれる貴族令息だった。
結婚式前夜、婚約者の妹に会いに学園に向かったが、そこで事件が起きる。
現在学園で騒動を起こしている第二王子とその友人達に勘違いから暴行を受け階段から落ちてしまう…
その時に前世の記憶を取り戻すのだった…
「悪役令嬢の兄の婚約者って…」
なんとも微妙なポジション。
しかも結婚前夜で傷物になる失態を犯してしまったリネットは婚約解消を望むのだが、悪役令嬢の義妹が王子に婚約破棄を突きつける事件に発展してしまう。
お姉様。ずっと隠していたことをお伝えしますね ~私は不幸ではなく幸せですよ~
柚木ゆず
恋愛
今日は私が、ラファオール伯爵家に嫁ぐ日。ついにハーオット子爵邸を出られる時が訪れましたので、これまで隠していたことをお伝えします。
お姉様たちは私を苦しめるために、私が苦手にしていたクロード様と政略結婚をさせましたよね?
ですがそれは大きな間違いで、私はずっとクロード様のことが――
【完結】没落寸前の貧乏令嬢、お飾りの妻が欲しかったらしい旦那様と白い結婚をしましたら
Rohdea
恋愛
婚期を逃し、没落寸前の貧乏男爵令嬢のアリスは、
ある日、父親から結婚相手を紹介される。
そのお相手は、この国の王女殿下の護衛騎士だったギルバート。
彼は最近、とある事情で王女の護衛騎士を辞めて実家の爵位を継いでいた。
そんな彼が何故、借金の肩代わりをしてまで私と結婚を……?
と思ったら、
どうやら、彼は“お飾りの妻”を求めていたらしい。
(なるほど……そういう事だったのね)
彼の事情を理解した(つもり)のアリスは、その結婚を受け入れる事にした。
そうして始まった二人の“白い結婚”生活……これは思っていたよりうまくいっている?
と、思ったものの、
何故かギルバートの元、主人でもあり、
彼の想い人である(はずの)王女殿下が妙な動きをし始めて……
絶望?いえいえ、余裕です! 10年にも及ぶ婚約を解消されても化物令嬢はモフモフに夢中ですので
ハートリオ
恋愛
伯爵令嬢ステラは6才の時に隣国の公爵令息ディングに見初められて婚約し、10才から婚約者ディングの公爵邸の別邸で暮らしていた。
しかし、ステラを呼び寄せてすぐにディングは婚約を後悔し、ステラを放置する事となる。
異様な姿で異臭を放つ『化物令嬢』となったステラを嫌った為だ。
異国の公爵邸の別邸で一人放置される事となった10才の少女ステラだが。
公爵邸別邸は森の中にあり、その森には白いモフモフがいたので。
『ツン』だけど優しい白クマさんがいたので耐えられた。
更にある事件をきっかけに自分を取り戻した後は、ディングの執事カロンと共に公爵家の仕事をこなすなどして暮らして来た。
だがステラが16才、王立高等学校卒業一ヶ月前にとうとう婚約解消され、ステラは公爵邸を出て行く。
ステラを厄介払い出来たはずの公爵令息ディングはなぜかモヤモヤする。
モヤモヤの理由が分からないまま、ステラが出て行った後の公爵邸では次々と不具合が起こり始めて――
奇跡的に出会い、優しい時を過ごして愛を育んだ一人と一頭(?)の愛の物語です。
異世界、魔法のある世界です。
色々ゆるゆるです。
姉と妹の常識のなさは父親譲りのようですが、似てない私は養子先で運命の人と再会できました
珠宮さくら
恋愛
スヴェーア国の子爵家の次女として生まれたシーラ・ヘイデンスタムは、母親の姉と同じ髪色をしていたことで、母親に何かと昔のことや隣国のことを話して聞かせてくれていた。
そんな最愛の母親の死後、シーラは父親に疎まれ、姉と妹から散々な目に合わされることになり、婚約者にすら誤解されて婚約を破棄することになって、居場所がなくなったシーラを助けてくれたのは、伯母のエルヴィーラだった。
同じ髪色をしている伯母夫妻の養子となってからのシーラは、姉と妹以上に実の父親がどんなに非常識だったかを知ることになるとは思いもしなかった。
【完結】偽者扱いされた令嬢は、元婚約者たちがどうなろうと知ったことではない
風見ゆうみ
恋愛
クックルー伯爵家の長女ファリミナは、家族とはうまくいっていないものの、婚約者であり、若き侯爵のメイフとはうまくいっていると思っていた。
メイフとの結婚が近づいてきたある日、彼がファリミナの前に一人の女性を連れてきた。メイフに寄り添う可憐な女性は、こう名乗った。
「わたくし、クックルー伯爵家の長女、ファリミナと申します」
この女性は平民だが、メイフの命の恩人だった。メイフは自分との結婚を望む彼女のためにファリミナの身分を与えるという暴挙に出たのだ。
家族や友人たちは買収されており、本当のファリミナを偽者だと訴える。
メイフが用意したボロ家に追いやられたファリミナだったが、メイフの世話にはならず、平民のファリとして新しい生活を送ることに決める。
ファリとして新しい生活の基盤を整えた頃、元家族はファリミナがいたことにより、自分たちの生活が楽だったことを知る。そして、メイフは自分が馬鹿だったと後悔し始め、自分を愛しているはずのファリミナに会いに行くのだが――。
幸せじゃないのは聖女が祈りを怠けたせい? でしたら、本当に怠けてみますね
柚木ゆず
恋愛
『最近俺達に不幸が多いのは、お前が祈りを怠けているからだ』
王太子レオンとその家族によって理不尽に疑われ、沢山の暴言を吐かれた上で監視をつけられてしまった聖女エリーナ。そんなエリーナとレオン達の人生は、この出来事を切っ掛けに一変することになるのでした――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる