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笛の理由
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あの非常用の笛が鳴ったという事は、有事だということ。ここからじゃはっきりとは分からないけれど、あの森から〝闇の獣〟が出て来ているというのが妥当だわ。
ーーー今まで私は、領地の見回りの傍ら森の奥の洞窟を、少し探索したりしていた。〝闇の獣〟の魔力を消したあとの獣は、私が呼べば来てくれるので、共に洞窟へ行っていた。何かあったら一人では怖いというのもあったのだ。そこで、少しずつ〝闇の獣〟の魔力を消していたのだか、なかなかゼロにならない。定期的に出てきているのだろうか。
私も、広場から少し森の方へ行き、手前の所で元闇の獣とでもいうのか、仲良くなった獣を呼ぶ。目を瞑り、【近くにいる子だけでいいから、出て来てくれる?】と問うだけなんだけど。
あまりたくさん来ちゃうと、私兵団に早々に見つかっても驚かれちゃうから手前でこっそりと。
すると、青い小鳥が1羽と狐が3匹来てくれた。
「ごめんね。今、何か異変が起こってるの?」
そう言うと、小鳥がチチチチ、と鳴いた。多分肯定しているんだろう。
でも何か、までは分からない。私は動物達と話せるとどんなにいいだろうといつも思っていた。でも、無理なものは無理だ。
私は少し悩んだが、
「じゃあ、連れて行ってくれる?」
と聞いてみた。
また、チチチチと鳴いて、ゆっくり飛んで、たまに私の方を向きつつ森の奥へ飛んで行く。
普段の、〝闇の獣〟が出ただけだったら、詰め所で待機していた私兵団が行く。だけど、その隊の人数じゃ足りない、もしくは何かあって応援が欲しい時、遠くにいる他の隊の私兵団を呼ぶためにあの非常用の笛を鳴らすのだ。
私は魔法を使えない。きっと足手まといになるだろう。だから邪魔にならないよう、少し離れた所から確認してみようと思った。もし、私が役に立つのならやってみてもいいだろうし。
青い小鳥は、小道を飛んで行く。幸いにも、私兵団が行く道はもう少し大きい道なのだろう。誰にも会わなかった。狐達は私の後をついて走ってきてくれる。
しばらくついて行くと、やはり奥の洞窟の手前で青い小鳥が、近くの木に止まった。そして、チチチチとまた私の方を向いて鳴く。ここだよ、とでも言っているようだ。
「ありがとう。あの洞窟で、異変があるのね?」
そう言うと、チチチチと鳴いて飛んで行ってしまった。後ろでは、狐がお座りしている。
「ねぇ、洞窟に入ろうと思うんだけど、大丈夫かしら?」
と狐達に聞くと、3匹とも尻尾をフリフリしている。いいんじゃない?って言ってるように見えた。
「じゃあ、行ってみる。ありがとうね。あなたたち、来てくれたら嬉しいけど、無理だったら逃げていいからね。」
そう言うと、尻尾を降るのをやめた。
と、洞窟の中からドーン、という大きな音が聞こえた。
やばいわ!早く行かないと!
ーーー今まで私は、領地の見回りの傍ら森の奥の洞窟を、少し探索したりしていた。〝闇の獣〟の魔力を消したあとの獣は、私が呼べば来てくれるので、共に洞窟へ行っていた。何かあったら一人では怖いというのもあったのだ。そこで、少しずつ〝闇の獣〟の魔力を消していたのだか、なかなかゼロにならない。定期的に出てきているのだろうか。
私も、広場から少し森の方へ行き、手前の所で元闇の獣とでもいうのか、仲良くなった獣を呼ぶ。目を瞑り、【近くにいる子だけでいいから、出て来てくれる?】と問うだけなんだけど。
あまりたくさん来ちゃうと、私兵団に早々に見つかっても驚かれちゃうから手前でこっそりと。
すると、青い小鳥が1羽と狐が3匹来てくれた。
「ごめんね。今、何か異変が起こってるの?」
そう言うと、小鳥がチチチチ、と鳴いた。多分肯定しているんだろう。
でも何か、までは分からない。私は動物達と話せるとどんなにいいだろうといつも思っていた。でも、無理なものは無理だ。
私は少し悩んだが、
「じゃあ、連れて行ってくれる?」
と聞いてみた。
また、チチチチと鳴いて、ゆっくり飛んで、たまに私の方を向きつつ森の奥へ飛んで行く。
普段の、〝闇の獣〟が出ただけだったら、詰め所で待機していた私兵団が行く。だけど、その隊の人数じゃ足りない、もしくは何かあって応援が欲しい時、遠くにいる他の隊の私兵団を呼ぶためにあの非常用の笛を鳴らすのだ。
私は魔法を使えない。きっと足手まといになるだろう。だから邪魔にならないよう、少し離れた所から確認してみようと思った。もし、私が役に立つのならやってみてもいいだろうし。
青い小鳥は、小道を飛んで行く。幸いにも、私兵団が行く道はもう少し大きい道なのだろう。誰にも会わなかった。狐達は私の後をついて走ってきてくれる。
しばらくついて行くと、やはり奥の洞窟の手前で青い小鳥が、近くの木に止まった。そして、チチチチとまた私の方を向いて鳴く。ここだよ、とでも言っているようだ。
「ありがとう。あの洞窟で、異変があるのね?」
そう言うと、チチチチと鳴いて飛んで行ってしまった。後ろでは、狐がお座りしている。
「ねぇ、洞窟に入ろうと思うんだけど、大丈夫かしら?」
と狐達に聞くと、3匹とも尻尾をフリフリしている。いいんじゃない?って言ってるように見えた。
「じゃあ、行ってみる。ありがとうね。あなたたち、来てくれたら嬉しいけど、無理だったら逃げていいからね。」
そう言うと、尻尾を降るのをやめた。
と、洞窟の中からドーン、という大きな音が聞こえた。
やばいわ!早く行かないと!
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