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番外編 お客さま
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今日も領地に荒れた所はないかと巡回していると、肩に小鳥が止まりました。
「あら、鳥さんこんにちは。私の肩に止まるなんて珍しいわね。」
そう言うと、肩から下り、私の目の前でクルクルと回りながら飛んでいます。
「え?どうしたの?」
すると、飛んで行きます。時折、私の方を見ながら。うーん、これはついてこいって事かしら?
ついて行くと、屋敷でした。そのあと、また私の目の前でクルクルと回り、飛んで行ってしまいました。
「良く分からないけど、帰ってこいってことかな?ありがとうねー!」
そう小鳥に向かって叫ぶと、侍従が出てきました。
「ミーティア様。ちょうど良かったです。お客さまです。着替えてすぐに、サロンへお願いします。」
と、馬を引き取り、グイグイと私を家の中へ押し込み、玄関の扉を閉めた。
「お客さま…?」
私が首を傾げていると、侍女が急いでやってきて、
「あー良かったです!まず、急いで体の汚れを落としますよ!」
と言って連れて行かれた。
身支度を整えて、サロンへ行くとお兄様とエルと、エルを少し歳を取らせたような似た顔の金髪青目の男の人と、その隣にとても美しい深い緑の髪色の女性がいた。
「やぁ。お邪魔しているよ。」
そう、エルに似た人が話し出した。これは、もしかしなくても…。
「お、お初にお目にかかります!私は…」
「いいよ、僕たちはお忍びで来たんだ。普通に話してくれると助かるな。」
「本当ですよ!来るなんて驚きました。」
あ、お兄様にも連絡なかったんだ…。
「ごめんね、言い出したら聞かないんだ。」
エルも、困ったような顔をしていた。
「エルが、この人じゃなきゃ結婚しないって言うからさ。見に来ちゃった。ここはとても良い場所だね。なかなか挨拶に来れなくてすまないね。エルが長らくお世話になっているよ。」
「い、いえ…。」
「ティア、立ってないでそこに座って。」
お兄様が座っている隣を手のひらで指し示してくれた。
「はい、お兄様。」
「ごめんね、座ってそうそうなんだけど、僕は退出するよ。」
え!お兄様…そんな…。
「大丈夫。こちらの方達は、ティアと世間話をしにきただけだよ。心配しないでいいよ。」
そう言われましても…。
「それに僕は、場つなぎの為だけにいたんだよ。ティアと話したい為だけにここまで来て下さったんだ。忙しい方達だからね。さぁ。」
そう言われると、そうですわね。
分かりました。今日は、エルのお兄様とお義姉様とお話…緊張せずに出来るかしら?
「さぁ、まずは紅茶を飲んで。」
エルにそう言われ、一口飲む。温かい紅茶が心まで染み渡ったよう。落ちつきを取り戻した。私は、お二人の方を見てニッコリと笑いかける事にした。挨拶が出来なかったから。
「さぁ。忙しいのにごめんね。ミーティア嬢、改めていつもダニエルの心の支えになってくれてありがとう。」
そう言って、国王陛下は頭を下げた。
私は慌てて、
「あ、頭を上げて下さい!私は何もしていません。エルは、ここで楽しく暮らしていますよ。心の支えとかは私ではないと思います。」
そういうと、隣の王妃様はクスクスと笑っている。国王陛下も頭を上げてからエルを見て、
「だめじゃないか、ダニエル。お前の心が全く伝わってないぞ!」
となぜだか叱咤されている。
「うーん、最近気持ちを通わせたばかりなんだから急がせないでよ。逃げられたら困るんだから。」
と、エルは言った。
「ははは。そうだな。ダニエル、頑張りなさい。女性は怒らせると大変だぞ。」
「俺は怒らせた事無いですけどね。肝に銘じておきますよ。」
「私からも一ついいかしら?」
今までクスクスと笑っていた王妃様が口を開いた。
「ダニエルは、結婚したらここの領地に住むのかしら?」
「はい、そうなります。」
あら、決定なのね。私はその方が嬉しいけど。
「そう。良かったわね。王宮は悪さをしている人を排除してもどこからか沸いて出てくるのよ。嫌になっちゃうわ。ミーティアさん、何かあったら相談にのるから、遠慮なく言ってね。」
「ありがとうございます。」
「顔を見られて良かった。そろそろ行かないと。」
「そうね。子どもたちが待っているわ。」
「わざわざ遠い所までありがとうございます。」
王都までは馬車で三日。馬で駆ければもっと早いみたいだけど、王妃様がいらっしゃるから時間をかけてじゃないとね。お子さん、王宮にいるのかしら。早く会いたいだろうに。
と、急に空が暗くなったかと思うと、バサバサと音がして、何とこの前のグリフォンがいた。
「何!?グリフォン!?」
国王陛下もさすがに驚いている。
「あなたどうしたの?こちらは国王陛下と王妃様なのよ。挨拶しにきたの?」
そう私が問うと、空から地面に降り立った。そして、体を低くして伏せ、の状態になった。なんだかこれって…
「もしかしたら、乗ってって事?王宮まで国王陛下と王妃様を乗せれたりする?」
いやでも王妃様は乗らないでしょう。地面にいきなり落ちても困るし。
でもグリフォンは、グェとひと声鳴いて、姿勢はそのままだった。
「ごめんなさい。あなたの気持ちは嬉しいけど、王妃様は多分乗れないかしら。」
きっと貴族を絵に描いたような、お淑やかで馬になんて乗った事ないんじゃないかしら。
と、成り行きを見守っていた王妃様が、
「素晴らしいわ!ねぇ、ヤヴォル、乗せてもらいましょうよ!」
と言った。
え!?王妃様、そうくる?
「えっと…このグリフォンって、〝闇の森〟にいた?太古の昔、伝説となったあのグリフォンかな?」
伝説?…そういえば小さい頃読んだ本にあったかも。言われるまで忘れていたわ。
かなり昔この国で領地を争って領主達が奪い合っていた頃、怒ったグリフォンが大暴れして人間たちを壊滅させ、うちの領地の森に帰っていったとあったわね。きっとそれの事よね?
「分かりませんが、そうかもしれません。そして、発見した時そのグリフォンは〝闇の煙〟に侵されていました。その煙を〝消化〟したのはティアです。」
エルが説明してくれる。
「なるほど…実は王族の継承者にしか知られていない話だがな。この地クロベルンはそのグリフォンが帰っていった地だとされる。そして、そのグリフォンが最も気を許せるのがクロベルン領主の娘だと。使者とも呼べる者の目印が銀髪銀目なんだとか。しかし闇の煙に侵されていたと言っていたな。長い年月をかけ、魔力が良くない方へとねじ曲がって行ってしまったのかもしれん。」
へー、王家にまでそんな話が…。
「そんな事が…」
エルも昨日お父様の話を聞いたのもあってか考えている。
「そうだ。だからこの地はとても大切な土地なんだよ。国境という意味での辺境というのももちろんだけどね。しかし、国を奪い合うという負の感情が闇の魔力へと変化する一因となったのかもしれない。闇の森はもともと神聖なものだったが、立ち入り禁止という事だけがいつの間にか、後世にまで語り継がれているね。闇の煙は悪い魔力だ。それが浄化されたから、グリフォンは君の言う事を聞くのかな?領主の娘が使者とは本当だったのだな。グリフォンよ。私達を王宮まで乗せてくれるのか?」
ギャー
と、ひと声ないてまた同じ姿勢になった。私が、国王陛下と王妃様が早く子どもに会えるようにすぐ帰れるといいなって思ったから?
「大丈夫?落としたりできないのよ?」
と私がグリフォンへ聞くと、
「落とされたら困るな。王妃はこの見た目に反してお転婆だから多少は大丈夫だが。よろしく頼みたいな。」
ギャー
とまた鳴いた。
「ではグリフォンよ、よろしく頼む。あ、馬車はゆっくりでいい。また王宮に来るときにでも使って来てくれ。」
と、さらっととんでもない事を言った。
「分かりました。お気を付けて。」
とエルが言ったが、二人とももうグリフォンの背に乗っていた。
「大丈夫ですか?」
私が聞くと、
「僕も多少は魔法が使えるから、どうにかなるよ。ありがとう。ではまた!」
「またねぇ!」
国王陛下と王妃様はとても嬉しそうな顔をして手を降っていた。
まぁ空を飛ぶなんてなかなかないわよね。
「「はい。お気をつけて。」」
と言うと同時にグリフォンは翼を羽ばたかせ、飛んで行った。
「す、すごいな。圧巻だった。」
エルが小さくなっていくグリフォンを見ながら言った。
「ええ。びっくりしたわ。」
私も、いろいろとびっくりしたわよ。
「いや、やっぱりティアは最強だよ!」
そう言ってエルは私をいつまでも抱きしめてくれていた。
☆★☆★☆★
これで、終わりです。呼んでくれた方、お気に入りしてくれた方、コメントをくれた方ありがとうございました。
「あら、鳥さんこんにちは。私の肩に止まるなんて珍しいわね。」
そう言うと、肩から下り、私の目の前でクルクルと回りながら飛んでいます。
「え?どうしたの?」
すると、飛んで行きます。時折、私の方を見ながら。うーん、これはついてこいって事かしら?
ついて行くと、屋敷でした。そのあと、また私の目の前でクルクルと回り、飛んで行ってしまいました。
「良く分からないけど、帰ってこいってことかな?ありがとうねー!」
そう小鳥に向かって叫ぶと、侍従が出てきました。
「ミーティア様。ちょうど良かったです。お客さまです。着替えてすぐに、サロンへお願いします。」
と、馬を引き取り、グイグイと私を家の中へ押し込み、玄関の扉を閉めた。
「お客さま…?」
私が首を傾げていると、侍女が急いでやってきて、
「あー良かったです!まず、急いで体の汚れを落としますよ!」
と言って連れて行かれた。
身支度を整えて、サロンへ行くとお兄様とエルと、エルを少し歳を取らせたような似た顔の金髪青目の男の人と、その隣にとても美しい深い緑の髪色の女性がいた。
「やぁ。お邪魔しているよ。」
そう、エルに似た人が話し出した。これは、もしかしなくても…。
「お、お初にお目にかかります!私は…」
「いいよ、僕たちはお忍びで来たんだ。普通に話してくれると助かるな。」
「本当ですよ!来るなんて驚きました。」
あ、お兄様にも連絡なかったんだ…。
「ごめんね、言い出したら聞かないんだ。」
エルも、困ったような顔をしていた。
「エルが、この人じゃなきゃ結婚しないって言うからさ。見に来ちゃった。ここはとても良い場所だね。なかなか挨拶に来れなくてすまないね。エルが長らくお世話になっているよ。」
「い、いえ…。」
「ティア、立ってないでそこに座って。」
お兄様が座っている隣を手のひらで指し示してくれた。
「はい、お兄様。」
「ごめんね、座ってそうそうなんだけど、僕は退出するよ。」
え!お兄様…そんな…。
「大丈夫。こちらの方達は、ティアと世間話をしにきただけだよ。心配しないでいいよ。」
そう言われましても…。
「それに僕は、場つなぎの為だけにいたんだよ。ティアと話したい為だけにここまで来て下さったんだ。忙しい方達だからね。さぁ。」
そう言われると、そうですわね。
分かりました。今日は、エルのお兄様とお義姉様とお話…緊張せずに出来るかしら?
「さぁ、まずは紅茶を飲んで。」
エルにそう言われ、一口飲む。温かい紅茶が心まで染み渡ったよう。落ちつきを取り戻した。私は、お二人の方を見てニッコリと笑いかける事にした。挨拶が出来なかったから。
「さぁ。忙しいのにごめんね。ミーティア嬢、改めていつもダニエルの心の支えになってくれてありがとう。」
そう言って、国王陛下は頭を下げた。
私は慌てて、
「あ、頭を上げて下さい!私は何もしていません。エルは、ここで楽しく暮らしていますよ。心の支えとかは私ではないと思います。」
そういうと、隣の王妃様はクスクスと笑っている。国王陛下も頭を上げてからエルを見て、
「だめじゃないか、ダニエル。お前の心が全く伝わってないぞ!」
となぜだか叱咤されている。
「うーん、最近気持ちを通わせたばかりなんだから急がせないでよ。逃げられたら困るんだから。」
と、エルは言った。
「ははは。そうだな。ダニエル、頑張りなさい。女性は怒らせると大変だぞ。」
「俺は怒らせた事無いですけどね。肝に銘じておきますよ。」
「私からも一ついいかしら?」
今までクスクスと笑っていた王妃様が口を開いた。
「ダニエルは、結婚したらここの領地に住むのかしら?」
「はい、そうなります。」
あら、決定なのね。私はその方が嬉しいけど。
「そう。良かったわね。王宮は悪さをしている人を排除してもどこからか沸いて出てくるのよ。嫌になっちゃうわ。ミーティアさん、何かあったら相談にのるから、遠慮なく言ってね。」
「ありがとうございます。」
「顔を見られて良かった。そろそろ行かないと。」
「そうね。子どもたちが待っているわ。」
「わざわざ遠い所までありがとうございます。」
王都までは馬車で三日。馬で駆ければもっと早いみたいだけど、王妃様がいらっしゃるから時間をかけてじゃないとね。お子さん、王宮にいるのかしら。早く会いたいだろうに。
と、急に空が暗くなったかと思うと、バサバサと音がして、何とこの前のグリフォンがいた。
「何!?グリフォン!?」
国王陛下もさすがに驚いている。
「あなたどうしたの?こちらは国王陛下と王妃様なのよ。挨拶しにきたの?」
そう私が問うと、空から地面に降り立った。そして、体を低くして伏せ、の状態になった。なんだかこれって…
「もしかしたら、乗ってって事?王宮まで国王陛下と王妃様を乗せれたりする?」
いやでも王妃様は乗らないでしょう。地面にいきなり落ちても困るし。
でもグリフォンは、グェとひと声鳴いて、姿勢はそのままだった。
「ごめんなさい。あなたの気持ちは嬉しいけど、王妃様は多分乗れないかしら。」
きっと貴族を絵に描いたような、お淑やかで馬になんて乗った事ないんじゃないかしら。
と、成り行きを見守っていた王妃様が、
「素晴らしいわ!ねぇ、ヤヴォル、乗せてもらいましょうよ!」
と言った。
え!?王妃様、そうくる?
「えっと…このグリフォンって、〝闇の森〟にいた?太古の昔、伝説となったあのグリフォンかな?」
伝説?…そういえば小さい頃読んだ本にあったかも。言われるまで忘れていたわ。
かなり昔この国で領地を争って領主達が奪い合っていた頃、怒ったグリフォンが大暴れして人間たちを壊滅させ、うちの領地の森に帰っていったとあったわね。きっとそれの事よね?
「分かりませんが、そうかもしれません。そして、発見した時そのグリフォンは〝闇の煙〟に侵されていました。その煙を〝消化〟したのはティアです。」
エルが説明してくれる。
「なるほど…実は王族の継承者にしか知られていない話だがな。この地クロベルンはそのグリフォンが帰っていった地だとされる。そして、そのグリフォンが最も気を許せるのがクロベルン領主の娘だと。使者とも呼べる者の目印が銀髪銀目なんだとか。しかし闇の煙に侵されていたと言っていたな。長い年月をかけ、魔力が良くない方へとねじ曲がって行ってしまったのかもしれん。」
へー、王家にまでそんな話が…。
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エルも昨日お父様の話を聞いたのもあってか考えている。
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ギャー
と、ひと声ないてまた同じ姿勢になった。私が、国王陛下と王妃様が早く子どもに会えるようにすぐ帰れるといいなって思ったから?
「大丈夫?落としたりできないのよ?」
と私がグリフォンへ聞くと、
「落とされたら困るな。王妃はこの見た目に反してお転婆だから多少は大丈夫だが。よろしく頼みたいな。」
ギャー
とまた鳴いた。
「ではグリフォンよ、よろしく頼む。あ、馬車はゆっくりでいい。また王宮に来るときにでも使って来てくれ。」
と、さらっととんでもない事を言った。
「分かりました。お気を付けて。」
とエルが言ったが、二人とももうグリフォンの背に乗っていた。
「大丈夫ですか?」
私が聞くと、
「僕も多少は魔法が使えるから、どうにかなるよ。ありがとう。ではまた!」
「またねぇ!」
国王陛下と王妃様はとても嬉しそうな顔をして手を降っていた。
まぁ空を飛ぶなんてなかなかないわよね。
「「はい。お気をつけて。」」
と言うと同時にグリフォンは翼を羽ばたかせ、飛んで行った。
「す、すごいな。圧巻だった。」
エルが小さくなっていくグリフォンを見ながら言った。
「ええ。びっくりしたわ。」
私も、いろいろとびっくりしたわよ。
「いや、やっぱりティアは最強だよ!」
そう言ってエルは私をいつまでも抱きしめてくれていた。
☆★☆★☆★
これで、終わりです。呼んでくれた方、お気に入りしてくれた方、コメントをくれた方ありがとうございました。
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にゃおん様、今回も感想をありがとうございます。
そう言って下さいまして、ありがとうございます(#^.^#)嬉しいです。
うふふ(*´艸`)楽しそうです♪ありがとうございます(*´︶`*)
最後まで読んで下さいまして、ありがとうございましたo(*´︶`*)o
すみません。
私の読み間違いでしたね。
これからも頑張ってください。
砂月ちゃん様、ありがとうございます。いえいえ、こちらこそ分かりにくくてすみませんでした。これからの作品で善処しますね。
応援も、ありがとうございます。頑張ります。
砂月ちゃん様、ご指摘ありがとうございます。自分でも何度も推敲しているので、書いていていつの間にか時々あやふやになるので慌てて読み返してみました。
お父様の年齢は、書いてないと思います。
お兄様の年齢が、28歳です。上手く文章で伝わらなかったみたいで申し訳ありません。まだまだ勉強の身なので、これに懲りずにまた読んでいただけると有難いです。
登場人物が書かれていますので、ネタバレありにしました。よろしくお願いします。