【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。

まりぃべる

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8. 荷物を取りに

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 その後すぐに、アグネス様が印象操作のネックレスを掛けてくれ、ロイス様と使用人棟の私の部屋に荷物を取りに行った。
『念のためネックレスにはコンコンと叩き刺激を与えるのを忘れずに』と言われる。

 一人で行ってこようと思ったのだけれど、アグネス様が『ロイスと一緒に取って来なさいな。今なら、オスカーも昼食の時間でしょうからね。』と言われたので申し訳ないけれど、ご一緒してもらったわ。


 その道中、今度は手を繋がなかったけれど聞かれた。


「クビって、いきなり言われたのか?」


 だから、その前のオスカー様が私に言われた『宝石が無くなったんだが』という場面から話した。
私ではなくもう一人の侍女が、衣装部屋担当だった事も。
でも、その辺りを話しているとやっぱりイライラとしてきてしまった。

 するとロイス様が、気まずい顔をして『あー、ごめん。』と言って私の手を繋いだの。いきなりだったから、私は驚いたし、少し胸がドキドキとしたわ。
ムカムカとしていた気持ちが凪いでいって、途端にドキドキとした気持ちに変わり、なんだか顔まで赤くなった気がしたわ。

「ごめんよ、思い出させて。俺も少しは魔力があるから、手を繋げば少しは落ち着くだろう?」

 違う意味で落ち着かないわ!!でも、確かにイライラは沈んだけれども。


 その後、ロイス様はしばらく静かになって何やら考え込んでしまった。

 無言で歩いていると使用人棟についた。
女子棟なのだけれど、ロイス様は部屋の前までついて行くと言ってくれた。
一応男性は入ったらいけないとなっているけれど、と伝えると、『知っているよ、だけど大丈夫だから。』と言われた。

 だから、急いで部屋の荷物を準備しようと思ったわ。他の人に見つかるとややこしくなると思うもの。

 部屋につくとロイス様が『中に人がいないかまずチェックして。俺が先に入っていいなら確認するけど、嫌だろう?確認出来たら扉閉めるからね。』と言ってくれた。
部屋に誰か潜んでいたら確かに怖いけれど、とそわそわしながら中に入ると特に誰もいなかった。
部屋は使用人用なので狭く、入ってすぐに人がいれば分かるから、誰もいません、と言って扉を閉めた。

 部屋は入り口入って壁際にベッド、向かい側に衣装タンスがあるだけの、ごく一般的な部屋。

 私は、まず領地の家から持ってきた普段着のワンピース数枚と部屋着や下着、それから細々としたものを手持ちの鞄につめた。
そして、ベッドを整えたあと、侍女服の替えを畳んで置いた。侍女服は支給されていたものだからである。

 今、着ている服はどうしましょ。

 部屋の外で待ってくれているロイス様に聞くと、『扉、開けないからそこで鍵を閉めて自分の服に着替えて。服はそこに置いておけばいいよ。』と言われた。洗っていないけれど、いいわよね。
退職した人の部屋は、掃除が入るもの。きっとその時に洗濯されるでしょう。

 私達の侍女服は、使用人棟一階にある洗濯室の洗い物を入れる棚に持っていけば洗濯される。
その隣の衣装室に洗われ乾いた服が置いてあるので、そこで自分のサイズに合ったものを持っていけばいいから洗濯してくれるのは有り難かった。

 その代わり、自分の持ち物はその洗濯室で自分で洗わないといけないのが難点だけれど。


 自分の荷物はここに就職に来た時とほとんど変わらない、鞄一つの大きさにまとまった。
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