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「大丈夫?入れる?」
ロイス様は、オスカー様の部屋の前で足を止めた私に声を掛けてきた。
「え?」
「いや、クビって言われた奴の部屋に再び来る事になっただろう?また泣きたくなるかなと思って。」
「いいえ!今はロイス様がいてくれるから悲しくはないわ。ただ、あの時から私生活が変わってしまったなと思って。再びこの部屋に入るなんて思ってもみなかったから。」
「…そうか。そうだな。行こう。」
そう言うと、ロイス様はなぜか口元に、手を繋いでいる逆の手を持っていきそっぽを向きながら進みだした。どうしたのかしら?
オスカー様の部屋へ入り、衣装部屋がある奥へと進むと、扉が開け放たれていた。そして、見えた中の光景に開いた口が塞がらなかった。
衣装部屋なので、私の使用人部屋よりもかなり広い空間だ。
けれども中に入るとすぐ手前には普段着が数着と式典や社交の場で着る服が数着掛けてあったのみ。本来ならズラーッと並ぶはずの服が見当たらない。
宝飾品を入れる引き出しも、あったが中身はまだ開けられていないからどの位あるのかはまだ分からない。
服がある場所を過ぎると、なぜか布の間仕切りがあった。今は、その布の間仕切りは先に入った人達によって開けられている。
そこには、瓶に詰められた何かが並んで数個置いてあった。
「揃ったな。で、なんだこれは。お前が管理していたのだろう。」
私達が中へ入ると国王様が口を開いた。
「あ…」
「しゃべってよいぞ。むしろ言わなければ牢にぶち込むまでだ。」
「ま、待って下さい!」
ノラが慌てて国王様に詰め寄ろうとする。が、横で腕を掴んでいる衛兵二人がいるために動く事が出来ないようだった。
「説明せよ。」
「あれは…さ、栽培していたのです。」
「栽培?何の。」
「…。」
ノラは瓶が並んでいるのを見られ、逃げられないと思ったのか、目をそらしながら何かを栽培していたと白状した。けれども、何をとは言わなかった。
栽培していたとされる瓶の中は何かが半分以上詰まっている。
他には、瓶の中に何かが入れられているものもある。
ここからは何が入っているのかよく見えない。
「ノラはだから私に衣装部屋へ入るなって言っていたのね。」
私は思わず呟いてしまった。すると、ロイス様がこちらを向いて少し考えている。
私が小声でも口走ってしまったから、良くなかったのかも。
「ご、ごめんなさ」
「ステイシー、印象操作のネックレス、外そうか。」
「え?」
私は慌てて謝ろうとしたら、ロイス様がそんなことを言うものだから、驚いて聞き返してしまった。
「大丈夫だから。ネックレスは、預かっておくね。もう一度叩いておけば、普通のネックレスに戻るけど、もう要らないかもしれないから。」
と、ロイス様は私を安心させるような優しい口調でそう言って、後ろに回り素早く取った。
自分では何も変わった感じはしなかったけれど、ノラは私を見てとても驚いていた。
「え!?あなた…ステイシーじゃないの!なんで?それに辞めたんじゃなかったの?探したけれど使用人部屋には居なかったし。」
と、ノラはかなり動揺していた。
「国王様、彼女は、そいつとオスカーの世話を一緒にやっていました。彼女は、オスカーに覚えのない罪を押し付けられ、辞めさせられました。」
国王様は、私を一度見てからロイス様に視線を戻し、首を一度ゆっくりと縦に動かしました。
「そうか。本来なら、人事というものはそう簡単に決められるものではないのに愚息が申し訳なかったな。」
「い、いえ!そんな…!お止め下さい!」
国王様は立場があるにも関わらず、私に少しだけ頭を下げた。
「それで、彼女が言うには、衣装部屋の管理はそいつがしていたそうなのです。彼女を衣装部屋に入るのを頑なに拒んでいたとか。これはもう、そいつがその栽培とやらをしていたと思われます。」
ノラを見ると、唇を噛んでいるわ。図星って事よね。じゃあ、この本来なら衣装がたくさんあるはずの場所がスカスカなのは…?
ロイス様は、オスカー様の部屋の前で足を止めた私に声を掛けてきた。
「え?」
「いや、クビって言われた奴の部屋に再び来る事になっただろう?また泣きたくなるかなと思って。」
「いいえ!今はロイス様がいてくれるから悲しくはないわ。ただ、あの時から私生活が変わってしまったなと思って。再びこの部屋に入るなんて思ってもみなかったから。」
「…そうか。そうだな。行こう。」
そう言うと、ロイス様はなぜか口元に、手を繋いでいる逆の手を持っていきそっぽを向きながら進みだした。どうしたのかしら?
オスカー様の部屋へ入り、衣装部屋がある奥へと進むと、扉が開け放たれていた。そして、見えた中の光景に開いた口が塞がらなかった。
衣装部屋なので、私の使用人部屋よりもかなり広い空間だ。
けれども中に入るとすぐ手前には普段着が数着と式典や社交の場で着る服が数着掛けてあったのみ。本来ならズラーッと並ぶはずの服が見当たらない。
宝飾品を入れる引き出しも、あったが中身はまだ開けられていないからどの位あるのかはまだ分からない。
服がある場所を過ぎると、なぜか布の間仕切りがあった。今は、その布の間仕切りは先に入った人達によって開けられている。
そこには、瓶に詰められた何かが並んで数個置いてあった。
「揃ったな。で、なんだこれは。お前が管理していたのだろう。」
私達が中へ入ると国王様が口を開いた。
「あ…」
「しゃべってよいぞ。むしろ言わなければ牢にぶち込むまでだ。」
「ま、待って下さい!」
ノラが慌てて国王様に詰め寄ろうとする。が、横で腕を掴んでいる衛兵二人がいるために動く事が出来ないようだった。
「説明せよ。」
「あれは…さ、栽培していたのです。」
「栽培?何の。」
「…。」
ノラは瓶が並んでいるのを見られ、逃げられないと思ったのか、目をそらしながら何かを栽培していたと白状した。けれども、何をとは言わなかった。
栽培していたとされる瓶の中は何かが半分以上詰まっている。
他には、瓶の中に何かが入れられているものもある。
ここからは何が入っているのかよく見えない。
「ノラはだから私に衣装部屋へ入るなって言っていたのね。」
私は思わず呟いてしまった。すると、ロイス様がこちらを向いて少し考えている。
私が小声でも口走ってしまったから、良くなかったのかも。
「ご、ごめんなさ」
「ステイシー、印象操作のネックレス、外そうか。」
「え?」
私は慌てて謝ろうとしたら、ロイス様がそんなことを言うものだから、驚いて聞き返してしまった。
「大丈夫だから。ネックレスは、預かっておくね。もう一度叩いておけば、普通のネックレスに戻るけど、もう要らないかもしれないから。」
と、ロイス様は私を安心させるような優しい口調でそう言って、後ろに回り素早く取った。
自分では何も変わった感じはしなかったけれど、ノラは私を見てとても驚いていた。
「え!?あなた…ステイシーじゃないの!なんで?それに辞めたんじゃなかったの?探したけれど使用人部屋には居なかったし。」
と、ノラはかなり動揺していた。
「国王様、彼女は、そいつとオスカーの世話を一緒にやっていました。彼女は、オスカーに覚えのない罪を押し付けられ、辞めさせられました。」
国王様は、私を一度見てからロイス様に視線を戻し、首を一度ゆっくりと縦に動かしました。
「そうか。本来なら、人事というものはそう簡単に決められるものではないのに愚息が申し訳なかったな。」
「い、いえ!そんな…!お止め下さい!」
国王様は立場があるにも関わらず、私に少しだけ頭を下げた。
「それで、彼女が言うには、衣装部屋の管理はそいつがしていたそうなのです。彼女を衣装部屋に入るのを頑なに拒んでいたとか。これはもう、そいつがその栽培とやらをしていたと思われます。」
ノラを見ると、唇を噛んでいるわ。図星って事よね。じゃあ、この本来なら衣装がたくさんあるはずの場所がスカスカなのは…?
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