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新規任務準備編
44.みずのなかで
しおりを挟むそうだ、昨日は真っ暗だったし、さっきユストゥスに注いでもらった時は、特に腹は見られなかった。そして、今日の夜にはこの淫紋は消えてしまう。日中、明るいところで見てもらうには、確かに今しかない。
ユストゥスはそれを考えて、わざわざここに立ち寄ってくれたのだろうか。……それなら、嬉しい。
「で、では私も川で水浴びを……」
「あー!待て待てクーちゃん!ちっとこっち来い!」
逸る気持ちを抑えきれずに服に手をかけたところで、野営の準備を中断してまで、ドゥシャンが私を呼んだ。石で歩きにくい河原をよたよたと歩いてたどり着く。
「なんだ?」
「ほれ」
そう言って手渡されたのは伸縮性のある布だった。広げてみても用途がわからない。首を傾げていると、ごほん、とドゥシャンが咳ばらいをし、衝撃的なことを口にした。
「クーちゃん、それで胸を覆ってくれ。あと下は全部脱ぐな、下着は履いてろ」
驚いた私は、思わずドゥシャンの顔をまじまじと見上げてしまう。ドゥシャンも少しばかり言いにくいのか、微妙な表情だった。
「は、はあ?私は男だ。胸を布で覆う必要性がわからない」
「でも匂いが雌なんだよクーちゃん。馬鹿な狐がこれ以上血迷わないように、隠してくれ」
「離れれば別に、匂いはしないのだろう?」
身の危険があるから、いざというときのために全部脱ぐな、というのであればわかる。だがドゥシャンはそれを理由にしなかった。私ももちろん、そう簡単に魔物に襲われるつもりはないが、彼は子供である私を守り切る自信があるのだろう。
「匂いで紐づいているうえに、クーちゃんは別嬪さんだから、男でも隠した方がいい」
「……なんだそれは」
そんなこと、一度も言われたことがない。その……かわいい、が誉め言葉かどうかはわからないが、ユストゥスにだって特に私は外見を褒められたことはないのだ。獣人に会ってから、よく変わった形容詞が使われていると思ったが、面と向かって言われたのは初めてだった。
「いいから。ほら、入るならそこの岩陰でちゃんと布で覆ってこい」
「なぜ私がそんなことを……」
「クーちゃん」
「……わかった」
ドゥシャンに名前を呼ばれると弱い。私はとりあえず不平不満を飲み込んで、河原のそばの岩陰に向かい、彼らの目には入らないようにして服を脱いだ。そして布を巻く。
「う……」
もらった布が少し短い。だがこれ以上はおそらく長いものがないのだろう。普通の片結びでは外れてしまいそうで、もやい結びでぎゅっと縛った。うっ。胸が圧迫されて苦しい。だが、ドゥシャンの言った通り、胸は覆われたのではないだろうか。
どこまでが胸部と言われると複雑だが、少なくとも乳首は出ていない。服を畳んで手にすると、私は野営地に戻った。
「ドゥシャン、これなら文句ないのだろうか。川に入ってもいいか?」
「よしよし、それでい……」
「……」
「……」
途中でドゥシャンの言葉が切れた。ドゥシャンと同じく野営の準備をしていたアーモスも、手持ち無沙汰で川に石を投げて跳ねさせていたユストゥスも、私を見て動きが止まる。
「なにか、おかしいか」
尋ねながら私は自分の格好を見下ろした。おかしいと言えば、男の私が胸を隠すことがそもそもおかしいと思うのだが、まあそれは置いておく。
私の胸部を締め付ける布地の部分はぎちぎちに引き締まり、その圧迫から逃れた上胸はふっくらと盛り上がっていた。それから割れた腹筋と、引き締まった腰、そしてへそと、その下にはローライズのボクサーパンツのせいで、あらわになった下腹があった。
だいぶ色が濃くなった淫紋と腸腰筋が見て取れる。下着が心持ち小さめのせいで、ペニスの形が浮かび上がっているのは許してほしい。尻の部分は尾が引っかからないよう下に下がっており、半分尻がはみ出していた。まあ上の布以外はいたって普通の下着姿だ。
でも誰も、何も言わない。
「……?やはりこの布、とってもいいか?」
「うっ……」
やはりこの胸を隠す布が多いのだろうと、胸元をくいっと引っ張ると、アーモスが鼻を抑えて呻いた。片手は股間を隠してその場にしゃがみ込んでいる。ユストゥスは楽しそうにピューッと口笛を鳴らした。
「あああ!取るな!それでいい!それでいいから、早く川に入って、肩までつかって来い!30数えるまで出てくるなよ!頼むから!」
「いやー、隠すって聞いた時にはどうかと思ったけど、いい趣味してんなおっさん。クンツ似合うぞ、かっわいー!」
「っ黙れ変態狼が!」
ドゥシャンが投げた石を、ユストゥスは難なく避けたが、その投げた小石は木にめり込んでいる。……獣人の瞬発力、怖すぎないか。思わず身を竦める。
こめかみを抑えたドゥシャンがぎろりとユストゥスを睨んだ。
「ユストゥス、お前魔物が立ち寄らないよう、周辺マーキングしてこい」
「俺よりおっさんの方がいいだろ。天幕は俺が張っとくから、行ってこいよ」
「日中だ。クーちゃんを残して置いていけるか」
「夜になったらどうせ俺はクンツを抱くぞ。なんてったって俺は、クンツの旦那だからなー。淫紋でこんな可愛い幼女、夜泣きさせるわけにいかねえよなあおっさん」
「……」
「おーこわ。わかったよ。行ってくる」
無言で大斧を手にしたドゥシャンにユストゥスは軽く両手を上げると、そのまま周辺の林に消えていってしまった。
「あ……」
淫紋、見てくれると、明るいところで見てくれると言ったのに。だからこんな布まで巻いて、服を脱いだというのに。今しか、今しか明るいところでは見えないのに。
一番の目的をなくしてしまった今、わざわざこんな変な格好をしている理由が、見つからなかった。もう服を着てもいいのでは……と思うが、温かい川というのも気になるし、肩を落としたまま、川に向かう。
「わ……」
つま先を入れたが、本当にほんのりと温かい。川の流れはそこまで早くないし、ざぶざぶと中に進む、ちょうと、下半身が隠れて、淫紋だけが見えるような位置が、一番深い場所のようだ。
肩まで入れと言われたので、肩までつかるようにしゃがみ込む。……少し水流が強く感じられて、慌てて立ち上がった。魚など、いたりしないだろうか。水面を目を凝らして眺めるが、よくわからない。
潜って探せばいるのかもしれないが、あいにく私は泳いだことがないので、水の中で目を開くことが躊躇われた。……1人で入ってても、これは楽しくないぞ。そろそろあがろうかと野営地に視線を向けた時だった。
とぽん。とざあざあ流れる川の音とは違う音を、私の耳が拾った。周辺を見回し、音の元を探す。すると、もう一度、その音がした。下流の方だ。気になって川の中を歩いていくと、草木の中から、口に指をあてたユストゥスが顔を覗かせた。
「!」
もう一度野営地を見る。ドゥシャンが天幕を張り、アーモスが火を起こしている最中だった。位置的に、彼らにはユストゥスが見えないのだろう。彼らの視線から外れないように注意しながら、ユストゥスに近づく。
<そこの、岩に下半身を下にしてあがれ>
見れば、対岸の岸に近いところに、寝転ぶには良さそうな平べったい岩があった。言われた通り岩に上がり、下流の方を眺める。後ろ手に付いて振り返ってみれば、彼らの動く姿が見えた。私が見ていると、アーモスが軽く手を振ってくる。それに手を振り返した。
……私だけ何もしないのは罪悪感があるな。あとでアーモスが料理するときにでも手伝いたいが、潰すことは出来ても、切るのも味付けも、私は得意ではないものな……。あっあとでマシュマロもらって、2人に焼こう!そのぐらいならできるはずだ!
少しだけやることができて、気分が良くなったところで前を向くと、音もなくユストゥスが私の足元に来ていたせいでびっくりしてしまった。鎧は外して草むらの中にでも置いてきたのか、随分と身軽になっている。岩は私のふくらはぎが中ほどまで水に浸かる程度で、少し高さがあった。岩陰に隠れたユストゥスは2人には完全に見えないだろう。
「ユ……」
<ここじゃ声を拾われる。喋るんなら小声でな>
静かに、とユストゥスが言うので、私は慌てて口を閉じた。うるさい川の音がしているのに、聞こえるのか。獣人の聴覚おそるべし、だ。
<下、脱げよ>
「っ……」
その手話に、ぞくりとしたものを感じながら、私はもう一度、上流の2人を見る。……ああ、私は、本当なら、ユストゥスをミンチにしなければいけないのに、しないで、いけないことをしようとしている。ローライズのボクサーパンツから、ぴこんと私の陰茎の先端が顔を出した。ドキドキと心臓が高鳴っている。
彼らには見られていないと思いつつも、私はそわそわと落ち着かないまま、濡れた下着を脱いで岩に置いた。ユストゥスが、ぐいっと私の膝を掴んで、大きく広げる。
さっき、ユストゥスに『ごはん』をもらった時は、足も閉じていたし、露出していたのも局部のみで、少なかった。こんな、誰に見られるかわからない場所で、大きく足を開いているということに、呼吸がだんだんと跳ねてくる。
「はずかしーか?尻尾がいたくねえように、もっと腰付き出せ。……ああ、きれいな淫紋だな」
よくなった私の耳でも、わずかに届く音量で、ユストゥスが囁いた。腰を突き出して、岩から腰を落とせば、足の間に、私の興奮したペニスの、向こう側に、ユストゥスの顔がある。ユストゥスは優しく私の陰茎をしごきながら、下腹に手を滑らせ、指で輪郭をなぞった。
<淫紋、色濃くないかこれ>
「っ、エリー、アスっさまが、だんだん、っこくなる、と……3日目は、早めに……その、部屋に、もどれ、っと、」
<へえ……なるほど>
ユストゥスは意味深に笑った。
私の下半身から漏れる水音は、周囲に混じって聞こえないのだろう、ユストゥスは、大胆に手を動かしながら、反り返った陰茎も、濡れた小さく見える尾も、性的な刺激に綻びを見せる魔肛も、そして私が見てほしいと言った淫紋も、丁寧に舌と指と唇で、愛撫し始めた。
完全に横たわりながら、上を見上げる。逆さまになったドゥシャンとアーモスが、少し離れたところにいる。声は出すと聞こえると言われた範囲に他人がいるというのに、私は……っ。
ふーふーと息が乱れてしまうのは我慢できない。それでも声は出さないように、手の甲を噛んで我慢する。すると、私の胸に手を伸ばしたユストゥスは、あっさりと胸部を覆ってた布を外してしまった。
「ぁっ」
思わず声が漏れた私の口に、ユストゥスは布の端を押し込む。確かに、手を噛むよりはマシかもしれないが、それにしたって!
「んんっ」
布を噛み締めながらでは、抗議の声も上げようがない。それに下半身はユストゥスに晒したままだ。
<下は俺が刺激してやるから、おっぱいは自分で弄れ。……淫紋、興奮するともっと色が濃くなんだな。エロいぞお嫁様>
下腹部を見下ろせば、確かに付けられた当初は桃色だった淫紋が、薔薇色ぐらいまで色が濃くなっていた。
内またを噛まれて吸い付かれる。尾はふにふにと揉まれて、そこも甘噛みされた。性器も、陰嚢もユストゥスに良いようにいじられる。ねっとりと淫紋を舐めて、吸い付かれて、大きく足を開いたまま、私は声にならない嬌声を漏らした。
屋外ということもあって、風に吹かれて乳首がぴんと立っていた。言われた通り、乳首をつねって、胸部を揉む。下半身を刺激されたままそこを刺激すると、なんだか胸も、気持ちよい気が、してくる……。
布を噛んでいてよかった。どれほどはしたない声を聞かれてしまうことか。
肉膣はユストゥスの指で広げられたりかき回されたりしていて、早く硬いものを求めてひくついていた。びゅっと精液を噴き上げたところで、私はもたもたとうつ伏せに向きを変え、ユストゥスの顔の前で尻を揺らした。後ろ手に手を回して、上半身だけ岩に乗せたまま、自分の指でむにいと臀部を広げる。
「んぅうー……」
入れて。もう、入れてくれ。
切ない穴が雄を求めて、私を突き動かす。するとユストゥスは、水魔のように私の腰を掴んで、ぐいっと腰を下ろさせ始めた。いったい何を、と思ったところで、熱い切っ先が、私の尻のはざまをぬるぬると動く。その感触に息を飲んだ。腰を下ろせば、普段とは違う浮遊力を感じながら、私のナカが、ゆっくりとユストゥスを食んでいく。
「っは、ぁああ……っ」
全部、ユストゥスのおちんぽを飲み切ったところで、私は背筋を震わせて、甘い吐息を漏らした。口から外れた布が、下流に向かって流れていくが、それに気を止める余裕もない。がに股で、前の岩に軽く捕まったまま、おまんこでおちんぽを堪能した。
温かいと思っていた水が、中に入るたびに冷たさを感じて、きゅっきゅとおちんぽに柔らかく絡みつく。身体を揺らすたびに、前の岩に乳首が擦れて真っ赤に充血していた。
大きく揺さぶれば揺さぶるほど、快感に脳が蕩けていく。そんな時だった。
「クーちゃーん!そろそろ戻っておいでー!」
アーモスが、こちらを見て、手を振りながら、私を呼んだ。急に、他の人の存在をまざまざと突き付けられて、私はユストゥスの肉棒を締め付ける。
つうっと、唾液が口からあふれた。アーモスが、ドゥシャンが、私を見ている。今、私がユストゥスに抱かれているということを、知らない、人が、私を、見て……っ。
「ぅう、んっ、わかっらぁ!イッ、ク、ぅう……っ!」
堪えたが、アーモスに変に思われなかっただろうか。びゅくびゅくナカに吐き出される精液に釣られて、絶頂に身を浸しながら、私は震える手で、力なくアーモスに手を振った。そこまでは変に思われなかったのか、笑顔のアーモスが火元に戻っていく。良かった。
ほっとした途端、私を好き勝手に扱う狼が腹立たしくなってくる。
「……ユストゥス、やりすぎではないか?」
「気持ちよかったくせに。ほら、そんな顔してねえで、こっち向け。ちゅーまだだろ?」
中に入れたまま、ユストゥスが、私の腰をぐりっと動かす。気持ちいいところが擦られて、余韻を残した身体がぴくぴく跳ねた。川に入ったまま向かい合っているが、ユストゥスの姿は、おそらく私の影になっていて見えてはいないだろう。
「ばか。変態。ミンチにするぞ」
「はは、それはやめてくれって。……かぁいいなあクンツ。好きだぞ」
「ユ……っ!!」
変態狼が変なことを言った瞬間、私は声を荒げかけたが、そんな私を見通していたように、唇で私の口を塞いできた。そのまま水の中に引きずり込まれる。
口も、繋がったままのおまんこも、熱い。
水の中で目を見開けば、熱い視線を向けてくる男と目が合った。舌で喉を塞がれるのとは違う、呼吸の苦しさを感じているのに、なぜだか離れがたくて、私は男の後頭部に腕を回して目を閉じる。私が息苦しさで離れるまで、ユストゥスは、そのまま抱いて、キスを続けてくれた。
快感が落ち着くのもそこそこに、ユストゥスと別れて、ざぶざぶと水を揺らしながら、私は野営地に戻った。もちろん下着は身に着けている。ただ、ないのは胸部を覆っていた伸縮性の布だ。
ユストゥスとおまんこするのにいっぱいいっぱいで、外されて、それが流されたのをすっかり忘れていた。
「ドゥシャンすまない。布流してしまった」
「なっ……まあしょうがねえ。ほら、身体ふけ。冷えちまう」
隠せと言われたので腕で隠しながら戻るが、アーモスはそわそわ落ち着かず、何度も私の胸回りを見ている。……見たいのだろうか。少しだけ、ほんの少しだけ悪戯心が沸き上がる。
ドゥシャンは私にパイル生地の布をかぶせてくれた。そのまま、がしがしと少し雑だが、水気を拭きとってくれる。
「あと、一部身体を擦ってしまったんだが、軟膏かなにか、あったら少し分けてほしい」
「なんだ、クーちゃんはほんとお転婆だな。アーモス、出してやれ」
「あ、ああ!クーちゃん、おいで」
頭を拭いた布で身体を覆いながら、アーモスに近づく。そっとドゥシャンを見てみると、こちらには背を向けている。アーモスを信用しているのだろう。そしてきっと、私のことも。
私が裏切っていて、すまない。少しだけ良心がチクリと痛むが、わくわくもしてしまう。私は悪い子だな。本当に。
「擦ったのってどこだ?自分で塗れるか?」
「変なところを擦ってしまったので、塗ってほしい。ここと、ココ、なのだが」
「……」
一か所はふくらはぎだ。そちらを見せた後、布の前を開き、彼が気にしているだろう乳首を指でくにっと広げた。嘘ではない。本当に、岩で擦ったせいでじんじんと熱を持っているのだ。ぷっくりと膨らんで赤くなった先端に、ぎらつく視線が向けられる。
アーモスは一度だけ、私が背にしているドゥシャンを見やった後、「いいぜ」と軽く答えたあと、ふくらはぎに丁寧に軟膏を塗り、それから私の乳首にも、たっぷりと両手の指で、くりくりと、軟膏を塗り付けてくれた。
少しばかり声をかみ殺すのが難しかったが、何とか耐えきった。……夜が、楽しみだ。せっかくだからドゥシャンも、入れてくれればよいのに。
空が暗くなり始めていて、私は昨日よりも早い時間に、じんじんと疼き始めた下腹を抑えて、小さく息を吐いた。
ああ、夜が始まる。
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