きもちいいあな

松田カエン

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獣軍連邦潜入編

83.消えないでくれ<ユストゥス視点>

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 絶頂とともに力なくくたり、とベッドに沈みかけたクンツの身体を抱き上げ、俺は一息ついた。今抜くと多少精液が漏れるだろうが仕方がない。一度引き抜き、あお向けにしてから足を開かせて、もう一度奥まで差し込む。
 無意識だろうに、誰が番か理解している身体は、俺のちんこを美味しそうに飲み込み、足は俺の腰に絡みついた。腰と背中に腕を回し、密着させる形で持ち上げて座位に変える。奥を突かれたせいで小さく「はうっ」と声を上げたが、クンツは目を覚ます気配はなかった。

 途中で気づくかと思ったが、少しも疑うことなく抱けたな。……昏睡用の魔具、持ってくるんだった。そんなゲスな考えが頭をよぎり、チッと舌打ちをする。俺と位置をそっと切り替えたアーモスが、恐る恐る俺の腕の中のクンツの様子を伺い見た。

「クーちゃん、寝ちゃった?」
「阿呆、これは気絶って言うんだ。……クンツのことだから、10分もしないうちに目を覚ますと思うけどな」

 抱き締め、揺すりながらお嫁様に口づけをする。舌を差し入れれば喜んで絡みつき、引き抜けば追いすがった舌が、ちろりと唇から覗き、諦めたように戻っていった。

「クウ、クンツ……くそっ」

 目隠しに使ったスカーフをはぎ取り、俺を見ない瞼にそっと口づけを落とす。あんな心細そうな声でドゥシャンに頼った。俺じゃなくドゥシャンに。その理由は?俺じゃダメな理由。決まっている。俺のことを相談したかったんだ。ベールのことじゃない。それは準備ができたと言ってた。じゃあなんだ。

 アーモスの部屋に戻る前にクンツが言った、俺と話せることはなにもない、の言葉。慌てた素振りを見せ、俺とはけして目を合わせようとはしなかった。それに、ベールを作るにしたって急に会わねえ、はないだろう。アーモスがいるにしろ、俺の精液が不要なわけじゃない。ここは寮じゃないし、そうそう美幼女子熊なお嫁様に精液を注げる奴なんざ、限られてる。

 基本的に俺は、物事を考えるときには、最悪の事態から考えるようにしている。そうすれば、もし実際の事態が好転してれば気分が上がるし、そうでなくても想定内だったってことになる。

 でも、今は。今だけは。自分で導き出した考えを受け入れがたくて、どうにか、別に解釈が出来ねえか、脳内で抗っている。

 ぎゅっと強くクンツを、俺の可愛いお嫁様を、抱き締めた。

「どうしたんだよユストゥス」
「いや、……部屋に入れてくれて助かった」

 身動きを止めたアーモスが、戸惑い交じりに声をかけてくる。2人でアーモスの部屋に消えた時、ドアの外から声をかけて、聞こえないお嫁様にバレないようへったくそな演技で目隠しをさせ、音を立てないようにして部屋に引き入れてくれた。
 それの礼を口にすると、アーモスは頭を掻きながら照れたように笑う。

「正直、クーちゃんすっごくて……まさに搾り取られるって感じだから、俺じゃちょっと力不足かなって」
「ちゃんとクウでおったてられて、注げるんだから偉いって。ただもうちょい、突っ込んだまま我慢しとけよ」
「無理だって!あんなエロい、その……お尻に入れっぱなしは、出来ないって」

 まあわかる。俺だって慣れない頃は腰が引けてた。その頃の相手がエリーアスだったせいで、身動き取れなくされて文字通り肉棒的な扱いも受けた。今じゃ達した後に感じる、うねって絡みつく感じが堪んねえぐらい気持ちいいんだけどな。
 今も、俺のペニスに付いた精液を舐め取って吸収して、まだ出せるだろうって意識のない身体が勝手に動いてる。ぴったりとはまったお嫁様まんこは気持ちがいい。奥の結腸部分に先端を潜り込ませれば、眉根を寄せて色気のある表情を浮かべながら、小さく喘いだ。きゅんっと締め付けて揉みこむ性器に、少し長めに息を吐く。

 あー意識のねえクンツとヤるなんて、思ってもみなかった。普段なら起こしたりもするが、今回は駄目だな。

 でもさ。お嫁様は、あのでかい声で喘いでるのが可愛いんだよ。全身で俺を好き好きって甘えて、負けて、すぐに白旗振っちまう身体で、とろんと蕩けた表情をして、俺を熱い視線で見つめてくるのがいいんだっての。
 今日は途中、ちょっと気合を入れてみせた瞬間があったが、すぐに撃沈した。射精を強請るお嫁様は、いつものようにむちゃくちゃ可愛かった。相手が俺だと気付きもしねえで、それでも慣れた俺の匂いに、最後は反応してたな……。

 考えれば考えるほど、悪い方にしか確信が持てない。ただ、最善の結果を導くには、今現状が最悪の状態であると認識をした方がいい。でもそれにしたって。

 メンタルにつられて、俺のちんこはやや元気を失ってたが、専属奴隷は何がなんでも、騎士に精を注がないといけない。でないと専属でいられない。
 離れたこの地で、たとえ俺がインポになろうが、今すぐ専属奴隷を外されるわけじゃねえが、精液が生命線のお嫁様に、この俺が精液を出さないわけがない。気を取り直して、集中して腰を振る。クンツの可愛い尻尾を揉みながら、ぐちゅぐちゅ突き上げて、……精液を出すことに集中する。とてつもなく色っぽい顔しやがって。舌で口元を舐めると、ちゅっと俺の舌に吸い付いて、ちゅぱちゅぱ吸ってくる。勝手に自分の一番好きな形に引き込もうとしてる。エロい。

「あ、っぁあ、あっふ……あ!」

 肉襞がぴくぴくぴくっと跳ねて、クンツの腹筋が震えた。イってる。くそ、勃ちが悪い。可哀想に、クンツのおまんこは俺のちんこを丁寧にもてなしてくれてんのに、俺がさっさとザーメン注がないもんだから、甘イキを繰り返してる。

「……」
 アーモスがこっちを見ながらハアハアと息を乱し、自分自身のものを扱いていた。見ているのはクウの可愛い尻だ。結合部分は丸見えだから、それで興奮してるんだろう。

「アーモス、出そうなら言えよ。抜くから、クンツの中に出せ」
「うんっ、も、だめ!でるっ」
「ほら」

 ぶるんっと湯気立つ性器を引き抜き、卑猥に収縮するお嫁様まんこを広げてやった。アーモスはそこにずぷんと差し入れ、一鳴きする。

「きゅうううっん……!」

 が、アーモスはそこで腰が引けて抜いてしまう。っの馬鹿!出ちまうだろうが。仕方なく俺はもう一度性器をじゅぷっと奥まで差し入れる。ぐりぐりと奥を開かせ、アーモスの精液を馴染ませるように小刻みに揺らせば、意識のないお嫁様の腕が俺の背に回って爪を立て、足はベッドを蹴って暴れた。
 精液に反応して律動するアナルに、前立腺も奥の精嚢も揉まれて、快感の逃げ場がないのだ。とぷっと力なく精液を漏らして、はっはっと呼吸を弾ませている。俺の肩口に頭を擦り付けて、すうって息を吸い込んでは、またイった。ナカが、ちゅっちゅって吸い付いてきて、これなら俺も、でそ……っ。

 良くも悪くも、持続力がある俺のペニスでナカを嬲られ続けたお嫁様は、最後にはぴくぴく揺れるだけになっちまった。全身から汗が噴き出してる。これで4回精液を注いだ。途中少し漏れたが、足りるといいんだが……。

 アーモスのベッドに降ろしてやると、横向きに寝かせる。ぎゅっと身体を丸めるように横たわるクンツの頭を撫でると、俺は軽く身だしなみを整えて「水持ってくる」と部屋を出た。

 ドゥシャンに声をかけて水をもらう。クンツのおっきな嬌声に、ちょっとばかり小言をもらった。
 仕方ねえだろ、反射的に出るもんなんだから。見れば下半身が隆起してたからヤる?と誘えば、射殺さんばかりに睨まれた。必要なこととはいえ、俺のお嫁様はアーモスだけじゃなく、ドゥシャンの性癖も見事に曲げちまったらしい。
 本気でクンツのことは養子にする気なのか、二度と言うな。と吐き捨てられた。でもドゥシャンには悪いが、一旦連れ帰るからな。まあ予定がうまく進めば、また会いに来ることは出来るはずだ。たぶん。

 クンツの記憶が危うい状態って言うことは、ドゥシャンにだけは話してある。俺のことをクンツが忘れたら、多分真っ先に頼るのはドゥシャンかオリヴァーになるだろう。オリヴァーはベギアフレイドが抑えてるから、その時、クンツと距離が近いのが、この大熊と狐だ。

 部屋に戻れば、アーモスがクンツの寝込みを襲っていた。あお向けに寝かせ、お嫁様のふかふかの雄っぱいを揉んで、舐めて吸っている。ほんっとに好きだな雄っぱい。俺も好きだけど。
 気持ちいいのか、寝たままのクウの顔も蕩けている。嫌がってないならいいか。

「アーモス、ちょっとそっち寄れ」
「……吸ってていいのかよ」
「クンツが嫌がってなさそうだからな」

 水差しから水を口に含み、とろとろと口移しでクウに飲ませていく。それを何度も繰り返しながら、俺は可愛い子熊の頭を撫でた。

 ……起きた時、俺の事、忘れてたりは、しないだろうか。

 それを考えると目頭が熱くなる。忘れないで欲しい。どこだ。どこで間違った?俺が死にかけたときか?それとももっと前、結婚を言い出したときか。さらに前、クンツが足を滑らせて落ちかけたところか……。

 考えたところで答えなんて出やしねえ。どう思考で抗っても、だめだ。

 クウは、クンツは俺のこと、。俺と顔を合わせるたびに時々、頭を気にして、顔をしかめてたのは知ってた。でも、大丈夫だと思ってた。クンツが、俺の事、嫌いだって言うから。……俺としたことが、なんて浅い考えしてんだ。

 好きだから記憶を失うんじゃない。誰かに向く気持ちがあれば、クウの記憶が消えるんだ。

 本人はこれでも回避したいように見えるが、それで考え付いたのが会わない、なんて。どう考えてもリスクが高い。俺は知ってる。会わない、会えないときの方が、より相手のことを考えてる。
 俺がそうだからだ。嫌い、というお嫁様が、とっくに陥落してるのを俺は知ってる。それに会わないでいて、俺を忘れないという保証はない。

 確かにベールのことを話さなかったのは俺が悪かった。いくらでも謝る。だから、俺が……俺が好きなお嫁様を、消さないでくれ。愛してるのは、このクウなんだ。甘ったれで自己中で、寂しがりで、それでいて、前向きで一生懸命な、俺のクウなんだ。

「……、……ほら」

 アーモスから、油にまみれてきったねえ布の端切れが渡される。そこで初めて、俺はお嫁様にキスしながら泣いていることに気づいた。気持ちはありがたいが、それで拭いた方が汚れるような気がして首を横に振る。
 腕で乱雑に顔を拭き、優しく頭を撫でた。偽物の獣耳がぴくぴく俺の手に反応してる。

「アーモス。今日は俺、クンツが起きる前に帰るけど、明日以降もまた同じ時間に来るから。毎回目隠ししてやって。お前だけじゃ不安」
「なんで、そんなめんどくさいこと……どうせ夫婦になんだから、普通に交尾すりゃいいじゃん」
「理由があんだよ。じゃなかったら、こんなまどろっこしいことしねえって。それと……クンツが俺の事言い出さなくなったら、教えてくれ」

 だぶん、俺が顔も合わさず帰ったと知ったら、クンツなら怒るだろう。こいつ、俺に対しては、どんな態度で当たってもいいって思ってるからな。ただ起きても、クンツが俺のことを何も言わなかったら……。考えたくねえが、になる。

 俺のことを、嫌い好きでいてくれるクウは、消えちまう。

 ……。
 しっかし、どうしてクウは急に俺を避けるというか、自分の記憶がヤバいって気づいたんだろうか。誰かが言った?お嫁様が俺を避ける理由として、一番に思いつくのが記憶のことだ。それ以外に誰かに脅されて会わないようにする、なんて線も考えたが、俺の子熊は、その程度で怯むような性格はしてねえ。

 俺がクンツに性的な接触してるのを知ってるのは、ドゥシャン、アーモス、それからオリヴァーにベギアフレイド。孤児院の院長。あーあと、居たな1人。黒豹のガキ。クンツを付けて来て、人んちの窓から覗いてシコってたやつ。……考えてみればあいつが一番、いけ好かねえことにクンツのそばにいるのか。
 あとクウに聞いてもあやふやだった、よくわからねえ肉棒ってやつ。ただ残り香を嗅いで調べた感じ、どうにも軍関係の獣人らしい。そいつはそいつでここ数日の間に叩きに行く。ベギアフレイドには迷惑をかけない別ルートで段取りは付けた。一発で仕留めてやる。……とその前に。

「アーモス、今度傭兵にする孤児、黒豹のやついたよな」
「ああ、ライニール?あいつがどうかした?」

 ちゅっぱちゅっぱとクウの乳首に吸い付いてたアーモスが顔を上げる。……こいつもいよいよ、自分の性癖隠さなくなってきたな。

「あいつにちょっと聞きてえことあるんだけど、呼び出せねえ?」
「呼び出さなくても、あいつ結構娼館付近とか、市場あたりとか、結構抜け出してきてるぜ。院長先生の使いっぱしりみたいなこともやってるから、結構軍にも行ってるみたい」
「ふーん……」

 じゃあどこかでとっ捕まえて、ちょっということ聞かせりゃいいか。今まではクウに直接聞けばよかったが、今じゃそういうわけにもいかない。俺がそんなことを考えていると、両手で胸部を揉み、クウの乳首を指で挟んで弄りながら、アーモスがため息を付く。
 意識がないままのクウが、悩ましげな息を漏らしてるのに、こいつのこの気の利かなさ……。自分の欲に忠実になりすぎて、気づいてない。

「あいつ成人前なのにさ。俺と違ってさ、娼婦のお姉さんたちにモテててさ、安くサービスしてもらってるって聞いた……」

 確かに、顔と見た目だけはいい。あと身のこなしも上手い。悪くない傭兵になるだろう。が、なんか嫌な目をしてんだよなあいつ。ああいう手合いは信用が置けない。俺の勘がそう告げてる。
 どうせクンツにも上手いこと言って、取り入ろうとしてんだろう。けど、脅すにはいい相手だ。罪悪感を持ちようがない。

「うぅ……んっ……?」
 おっと、クウが目を覚ましそうだ。ちゅっと最後の最後にもう一度、ゆっくりと口づけして、クンツの唇を心に刻みつけるように味わって、それから名残惜しい気持ちを持ったまま離れた。
「アーモス、いつまでも舐めてねえで、起きたらクウに水飲ませてやって」
「ふぁい」
 また乳首をちゅうちゅう吸っている。お嫁様が欲情してたら、責任取れよアーモス。

 後ろ髪引かれる思いで、俺は部屋を出た。ドゥシャンにも声をかけて建物を出ると、くんっと鼻を鳴らす。黒豹の匂いは覚えてる。今日が無理でも明日にでもあいつが外出すれば、捕まえられるだろう。あの若干粘着気質のあるガキに聞けば、もしかしたら何かわかるかもしれない。クンツが俺に言えない、言わないことも。

 記憶に関して、俺ができることはほとんどない。だからこそ、クンツの意思を尊重したい。……式まで会わないって言うなら、会ってないふりぐらいはする。が、どうにかできることはないか、調べることは出来る。

 オリヴァーにもどうにかできないか聞こう。ベギアフレイドに手紙出さねえと。

 ……あーなんで俺、お嫁様のそばにいねえで、他のこと、やってたんだろうなあ……。もっと、そばにいてやればよかった。いや、そばにいたら、もっと早く記憶が消えてたか?

 心残りになる記憶が消えるなんて、ほんっとマジ最悪。最低。俺のことがクウの心残りになるって思って喜べる段階は、もうとっくに過ぎてる。
 悩むな。足を動かせ。……なにか、なにかまだ解決方法があるかもしれない。自分に言い聞かせながら、俺は黒豹を締め上げるべく、床を蹴った。


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