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第1章 偽りの騎士
第21話 決戦 5
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これはダークネス・ソウルか。触れたら最後、死ぬまでジワジワと蝕まれる下級の闇魔法だ。もう一度言おう。下級の闇魔法だ。こんなか弱い攻撃など、例え食らったとしてもオート・ヒールで相殺できるから痛くも痒くもないんだがな。そう思って無視していると、
「我が君、お戯れが過ぎます」
闇色の球体が迫った時、ラウンドシールドExが展開され、全てかき消された。使用者はウロボロスだった。全ての脅威が消滅したことを確認してから、珍しく怒った表情をして詰め寄って来る。
「御自愛ください。如何に下賤な魔法であろうとも、生身で受けるなど言語道断ですよ?」
「悪いな、仕上げ前にどうしてくれようか考えていた」
このまま戦いを終わらせる前にアデルと話をしたいと思っていた。なぜなら、俺の認識が間違っていないことを祈るばかりだが、父親に限らず親というものは、我が子を何よりも大切にするのではないだろうか。ありったけの愛情を注ぎ込むからこそ目に入れても痛くないという表現があるのだろうか。では、目の前のこいつはどうだ。そこがただただ気にかかっていた。
「最後に聞いておきたいことがある。お前さ、自分が何をしたのかわかっているのか?」
「どういう意味だ?」
どういう意味ときたか。弁解するのでもなければ、自分を肯定するのでもない。本気で何も悪いと思っていなさそうな声色である。こりゃ、アデル云々はおろか、世界を滅茶苦茶にしたっていう自覚すら無いかもしれないな。でもはっきりと聞いておこうと思う。こうだと決め付けるのではなく、きちんと聞くまではわからないのだと、そんな当たり前のことをアデルの村の一件で学んだから。
「……アデルに何か言いたいことがあるはずだろう?」
「アデルに……だと? なんだ、今更。感謝の言葉でも吐けと言うのか?」
感謝。よりにもよって感謝か。これは傑作だ。
世の中は楽しいことよりも辛いことの方が遥かに多くて、想像を絶するような悲しいこともたくさんあって。でも、そんな世界でも生きていけるのは家族がいるからじゃないのか。言い過ぎと思われるだろうか。いや、実際はそうだろう。全く違うと否定できる奴はいまい。そんな無条件で支えてくれる大切な人をただただ悲しませて、あろうことか、感謝、だって。
「お前、アデルの父親だろう? アデルはどんな子だった?」
「自慢の娘だ。私のために全てを投げ打ってくれている」
あぁ、そうだろうよ。アデルはあの村で、偽者の村人たちと生活しながら懸命に生きていた。学者になりたいと言っていた。父親のような、世界を救える立派な学者になりたいと言っていた。でも、あんな村で何ができる。本を読み漁るだけで学者になれるものか。都会に行って、学校に入って、学びを深めて。そうしてようやくなれるものだろう。そんな夢を胸の中に押し込んで、父親の夢を叶えるために全てを投げ打っていた。なるほど、自慢の娘だ。そこまでわかっておきながら、どうしてなんだ。なぜなんだ。
「じゃあ、お前は何をした? 大好きだよって、心の底から慕ってくれる我が子に、その身も命も夢までも使って支えてくれるアデルに何をしやがったか……わからないとは言わせないぞ」
「お前のような絶対的な強者にはわかるまい。力の無い者は一方的に蹂躙される。だが、座して食われるのを待つほど我々は愚かではない。非力故に知恵を振り絞り、人類は何万年も生き延びてきた。今も昔も変わらぬ方法で道を切り開くこと。それが私の、そしてアデルの悲願だった」
「じゃあ、ルーチェに泣き付いたのは……あの涙すら、一時の気の迷いとでも言うのか?」
アデルは言い淀んだ。少しばかりの沈黙が流れて安堵する。良かった。こんな酷いことをして何も思わないはずがなかったのだと、そう思ったから。
「笑ってくれて構わないさ。私はあの子の手を取ることすらできん。だがあの日、2人で思い描いた未来だけは何人たりとも汚させはしない。それだけが私に残された希望なのだ」
「そうか……今、確信した。細かい事情は色々あるんだろうが、お前は間違っている。それだけは胸を張って言える。だから……何もかもを最高の形で終わらせてやろう。来い、ゼルエル!」
ひらり、はらりと、漆黒の羽が舞い降りて来る。その流れを目で追っていくと、そこには、闇色の翼を広げた堕天使ゼルエルが佇んでいた。何も言わず、じっと、アデルの方を見つめている。
「な……何者だ!?」
「私はユウだけの剣、ユウだけの盾。名は、堕天使ゼルエル」
答えるが否や、その足下に藍色の魔法陣が展開される。魔法陣。いや、それは魔法陣でありながら時計でもあった。余り見慣れない、むしろ見慣れては困るとっておきの最上級スキルである。
展開を終えるとゼルエルは地面に降り立ち、おもむろにルーチェの手を取った。そして握られていた風の槍だけを凍結させて破壊する。
「これは不要。不可能と嘆いて弱者を切り捨てる。それだけはユウに限ってあり得ない。その願望は必ず叶えよう」
「な……何を言っているんですか? もうアデルは……」
「仕方ない、どうしようもない、諦めるしかない。そんな弱音は私の力でねじ伏せる」
言葉を挟む隙が無かった。淡々とゼルエルに言われていく。俺の考えていたことを、言いたかったことを。以心伝心ってこういうことを言うのだろうか。何の打ち合わせもしていなければ、お願いすらしていない。それでここまで鮮やかに事を運ばれては見守るしかないというもの。
「ユウは誓った。この世界でくらい不公平な不幸はあってはならないと」
ゼルエルはスッとルーチェから離れてアデルの前に立つと、片手を伸ばす。すると、足下に展開されていた魔法陣が更に拡大。戦域一帯をカバーして、時計の文字盤が浮かび上がっていく。始まる。見られる。皆に1人ひとつ持たせた各分野における史上最高ランクのスキル、秘奥義が。
「秘奥義、ネバー・エンド・ユア・テイルズ、発動」
ゼルエルのそれは時間へと干渉し、対象を指定した時間だけ巻き戻すことができる。そう、アデルが悲しい運命に遭わなかった頃へと。ただそれで終わっては芸が無い。こいつは多少脚色を加えることが可能。具体的には、術者が指定した者の望む形にすることができる。
「な……なんだ……この光は!? 体が……構成が崩壊するだと……!? 馬鹿な!?」
ボロボロと禍々しい巨体が崩壊していく。破片は風に乗って溶けていってしまい、残骸すら残さない。必死に足掻いているらしいが、もはや手足は残っておらず、芋虫状態になって墜落した体では身をよじる程度しかできないようだ。抵抗は無意味。そうわかったのか、終いには驚愕の言葉すら吐かなくなってしまう。
「――望め。これから始まる新しい日々を最高の形で迎えられるように」
「最高の……形で……」
時計の針が高速で逆回転するに連れて、アデルの巨体が白い光に包まれていく。それは霧のようになって、辺りに溶け出していって、そして。最後には見る見る小さくなっていったかと思うと、穏やかな寝顔をしたアデルが横たわっていた。その胸は確かに上下していて、生きているのだとわかる。
「あ……アデル……?」
何もかもが元通りになっている。戦闘で破壊し尽くされた地面も、空も。ルーチェは青々と茂った草原をしっかりと踏み締めて駆け寄るとしゃがみ込み、震える手でアデルの頬にそっと触れた。
「温かい……生きている……生きているんだね、アデル……っ!」
過去の改変は基本的にタブーなのかもしれない。それは仕方ない。過去が変われば今が全く別のものになってしまい、何が起こるかわからないから。でもその心配はない。こいつは本当に都合よく、悲しい過去だけを変えてくれるのだから。まぁ仮に今が滅茶苦茶になってしまったとしても、それでも俺はこの道を取っただろう。だって何を後悔することがあるだろう。見ろ、あの2人を。どうして間違いだと言えるだろうか。
アデルはまだ目覚めない。でも、その表情はこれまで見たどれよりも穏やかで、幸せそうなものだった。
「我が君、お戯れが過ぎます」
闇色の球体が迫った時、ラウンドシールドExが展開され、全てかき消された。使用者はウロボロスだった。全ての脅威が消滅したことを確認してから、珍しく怒った表情をして詰め寄って来る。
「御自愛ください。如何に下賤な魔法であろうとも、生身で受けるなど言語道断ですよ?」
「悪いな、仕上げ前にどうしてくれようか考えていた」
このまま戦いを終わらせる前にアデルと話をしたいと思っていた。なぜなら、俺の認識が間違っていないことを祈るばかりだが、父親に限らず親というものは、我が子を何よりも大切にするのではないだろうか。ありったけの愛情を注ぎ込むからこそ目に入れても痛くないという表現があるのだろうか。では、目の前のこいつはどうだ。そこがただただ気にかかっていた。
「最後に聞いておきたいことがある。お前さ、自分が何をしたのかわかっているのか?」
「どういう意味だ?」
どういう意味ときたか。弁解するのでもなければ、自分を肯定するのでもない。本気で何も悪いと思っていなさそうな声色である。こりゃ、アデル云々はおろか、世界を滅茶苦茶にしたっていう自覚すら無いかもしれないな。でもはっきりと聞いておこうと思う。こうだと決め付けるのではなく、きちんと聞くまではわからないのだと、そんな当たり前のことをアデルの村の一件で学んだから。
「……アデルに何か言いたいことがあるはずだろう?」
「アデルに……だと? なんだ、今更。感謝の言葉でも吐けと言うのか?」
感謝。よりにもよって感謝か。これは傑作だ。
世の中は楽しいことよりも辛いことの方が遥かに多くて、想像を絶するような悲しいこともたくさんあって。でも、そんな世界でも生きていけるのは家族がいるからじゃないのか。言い過ぎと思われるだろうか。いや、実際はそうだろう。全く違うと否定できる奴はいまい。そんな無条件で支えてくれる大切な人をただただ悲しませて、あろうことか、感謝、だって。
「お前、アデルの父親だろう? アデルはどんな子だった?」
「自慢の娘だ。私のために全てを投げ打ってくれている」
あぁ、そうだろうよ。アデルはあの村で、偽者の村人たちと生活しながら懸命に生きていた。学者になりたいと言っていた。父親のような、世界を救える立派な学者になりたいと言っていた。でも、あんな村で何ができる。本を読み漁るだけで学者になれるものか。都会に行って、学校に入って、学びを深めて。そうしてようやくなれるものだろう。そんな夢を胸の中に押し込んで、父親の夢を叶えるために全てを投げ打っていた。なるほど、自慢の娘だ。そこまでわかっておきながら、どうしてなんだ。なぜなんだ。
「じゃあ、お前は何をした? 大好きだよって、心の底から慕ってくれる我が子に、その身も命も夢までも使って支えてくれるアデルに何をしやがったか……わからないとは言わせないぞ」
「お前のような絶対的な強者にはわかるまい。力の無い者は一方的に蹂躙される。だが、座して食われるのを待つほど我々は愚かではない。非力故に知恵を振り絞り、人類は何万年も生き延びてきた。今も昔も変わらぬ方法で道を切り開くこと。それが私の、そしてアデルの悲願だった」
「じゃあ、ルーチェに泣き付いたのは……あの涙すら、一時の気の迷いとでも言うのか?」
アデルは言い淀んだ。少しばかりの沈黙が流れて安堵する。良かった。こんな酷いことをして何も思わないはずがなかったのだと、そう思ったから。
「笑ってくれて構わないさ。私はあの子の手を取ることすらできん。だがあの日、2人で思い描いた未来だけは何人たりとも汚させはしない。それだけが私に残された希望なのだ」
「そうか……今、確信した。細かい事情は色々あるんだろうが、お前は間違っている。それだけは胸を張って言える。だから……何もかもを最高の形で終わらせてやろう。来い、ゼルエル!」
ひらり、はらりと、漆黒の羽が舞い降りて来る。その流れを目で追っていくと、そこには、闇色の翼を広げた堕天使ゼルエルが佇んでいた。何も言わず、じっと、アデルの方を見つめている。
「な……何者だ!?」
「私はユウだけの剣、ユウだけの盾。名は、堕天使ゼルエル」
答えるが否や、その足下に藍色の魔法陣が展開される。魔法陣。いや、それは魔法陣でありながら時計でもあった。余り見慣れない、むしろ見慣れては困るとっておきの最上級スキルである。
展開を終えるとゼルエルは地面に降り立ち、おもむろにルーチェの手を取った。そして握られていた風の槍だけを凍結させて破壊する。
「これは不要。不可能と嘆いて弱者を切り捨てる。それだけはユウに限ってあり得ない。その願望は必ず叶えよう」
「な……何を言っているんですか? もうアデルは……」
「仕方ない、どうしようもない、諦めるしかない。そんな弱音は私の力でねじ伏せる」
言葉を挟む隙が無かった。淡々とゼルエルに言われていく。俺の考えていたことを、言いたかったことを。以心伝心ってこういうことを言うのだろうか。何の打ち合わせもしていなければ、お願いすらしていない。それでここまで鮮やかに事を運ばれては見守るしかないというもの。
「ユウは誓った。この世界でくらい不公平な不幸はあってはならないと」
ゼルエルはスッとルーチェから離れてアデルの前に立つと、片手を伸ばす。すると、足下に展開されていた魔法陣が更に拡大。戦域一帯をカバーして、時計の文字盤が浮かび上がっていく。始まる。見られる。皆に1人ひとつ持たせた各分野における史上最高ランクのスキル、秘奥義が。
「秘奥義、ネバー・エンド・ユア・テイルズ、発動」
ゼルエルのそれは時間へと干渉し、対象を指定した時間だけ巻き戻すことができる。そう、アデルが悲しい運命に遭わなかった頃へと。ただそれで終わっては芸が無い。こいつは多少脚色を加えることが可能。具体的には、術者が指定した者の望む形にすることができる。
「な……なんだ……この光は!? 体が……構成が崩壊するだと……!? 馬鹿な!?」
ボロボロと禍々しい巨体が崩壊していく。破片は風に乗って溶けていってしまい、残骸すら残さない。必死に足掻いているらしいが、もはや手足は残っておらず、芋虫状態になって墜落した体では身をよじる程度しかできないようだ。抵抗は無意味。そうわかったのか、終いには驚愕の言葉すら吐かなくなってしまう。
「――望め。これから始まる新しい日々を最高の形で迎えられるように」
「最高の……形で……」
時計の針が高速で逆回転するに連れて、アデルの巨体が白い光に包まれていく。それは霧のようになって、辺りに溶け出していって、そして。最後には見る見る小さくなっていったかと思うと、穏やかな寝顔をしたアデルが横たわっていた。その胸は確かに上下していて、生きているのだとわかる。
「あ……アデル……?」
何もかもが元通りになっている。戦闘で破壊し尽くされた地面も、空も。ルーチェは青々と茂った草原をしっかりと踏み締めて駆け寄るとしゃがみ込み、震える手でアデルの頬にそっと触れた。
「温かい……生きている……生きているんだね、アデル……っ!」
過去の改変は基本的にタブーなのかもしれない。それは仕方ない。過去が変われば今が全く別のものになってしまい、何が起こるかわからないから。でもその心配はない。こいつは本当に都合よく、悲しい過去だけを変えてくれるのだから。まぁ仮に今が滅茶苦茶になってしまったとしても、それでも俺はこの道を取っただろう。だって何を後悔することがあるだろう。見ろ、あの2人を。どうして間違いだと言えるだろうか。
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